発症から何年たったのだろう
私の24歳の息子は重度のトゥレット症です。
トゥレット症とは、一般的に言われる「チック」がひどくなり、日常生活が難しくなった状態のことをさします。
息子は14歳の頃にトゥレット症と診断されました。
そんな息子には重い知的障害と自閉症(自閉スペクトラム)もあります。
障害と言われるものが3つもある彼は、いきづらさ満載の社会で生きていかなくてはいけないのです。少しずつ息子のことをお話ししていきたいと思います。
診断された時のこと
息子が14歳でトゥレット症と診断されたのは、意外にも私の一言がきっかけでした。
3歳からずっと診察してもらっていた精神科医の先生に
「先生、この子、いつも声が出ているし、変な動きも多いし、どうやらそれを本人が止められないようなんです。これってトゥレットっていうやつではないですか?」と尋ねてみたところ
「あ〜〜そうですね。トゥレット症候群(現在はトゥレット症)と言ってもいいですね」
おいおいおいおいおい。
ここ数年ずっとその状態で、それを相談していたし、薬もどんどん増えて、それでも にっちもさっちもいかず、自分で色々調べてたどり着いて聞いてみたのよ。早く気づいて教えてよ〜〜〜〜
という心の声を奥に押し込み、今までの薬とは違う薬を処方してもらって帰宅したのでした。
その日の私の心境は・・・・
大きなショックもなく、やっぱそうか。
という感じだけ。
はるか昔に知的障害と自閉スペクトラムの診断を受け、その障害とともに育児をしてきたのです。
母はもうちょっとやそっとじゃ傷つかないハートの持ち主になっていました。
診断されたからって本人が何か変わるわけじゃないしね。
当時の息子に出ていたチックは以下のようなもの
・音声チック:これが一番キツかった。一日中「うぅうぅぅ、、おおおおおお」という大きな唸るような声が出ていました。その音量も年々大きくなり、一緒にいる人たちの精神面もかなりやられていました。
・動作チック:腕を口の前に持ってくる、という特に害のないものから、ぴょんぴょんはねる、身体を前後にゆするノッキングなど。息子の動きは大きく激しいものが多いのです。このノッキングでトイレのタンクを叩き割ったことも。またお箸を持ったまま、腕が横にびよ〜〜〜んと素早く動くこともあり、はさんでいた唐揚げが飛んで行ったり、横にいる私にお箸がささりそうになったりしていました。この腕の動きは外を歩いている時にも出て、後ろから歩いている人に当たったりしていました。
・止まる:食事中など急に動きが止まって動けなくなったりしていました。
今覚えているのはこのくらいですが、他にもたくさんあったように思います。
知的障害で自閉症。この2つの障害で育児もあたふたしながらになっていた私ですが、今回の「チック」は正直、この2つの障害を足してもあまりあるものだと感じはじめていました。
なんと言っても本人が止めようと思っても止められないのです。
それは、私たちがしゃっくりやまばたきを我慢し続けられないように・・・
「まるで悪魔の疾患」
と表現されることも多いこのトゥレット症。
これには家族全員翻弄され、もちろん本人もかなり苦しい状況になっていきます。