【TDN総研】サイクルツーリズム概論
※本稿は「サイクルツーリズムを活用して地域に人を呼び込みたい!」と考える自治体や団体の方を対象に執筆しております。
一般社団法人ルーツ・スポーツ・ジャパンでは、2012年より全国各地の自治体や公共団体などと手を組み、サイクルツーリズムによる地域活性化を目的とした「ツール・ド・ニッポン」プロジェクトを進めてきました。
2018年には国が「自転車活用推進計画」を策定し、今後自転車を活用していきたいニーズが高まってくるのではと言われております。
本稿は「そもそもサイクルツーリズムって何?」「サイクルツーリズムってどう進めるの?」という悩みを抱える方に向けた「サイクルツーリズム概論」になります。
なぜサイクリングと観光の相性が良いのか?
私たちは「サイクリングは地域の観光資源を満喫する最高の手段である」と考えております。
・行動範囲が広いので、より多くの楽しみと触れることが出来る
・風や空気を感じながら走るので、地域の魅力を五感で感じることが出来る
・身体を動かすので、お腹が減って食事をしたり、カフェで休憩したり、
宿泊を伴ったりすることで地域に消費を生むことが出来る
身体を動かしてお腹が減ったほうがご飯は美味しく感じますよね?
自転車で風を切って走る感覚にハマる方もいらっしゃいます。
これらを自動車では体験することは出来ませんし、ランニングやウォーキングだと行動範囲が狭まってしまいます。
だからこそ私たちは「自転車と観光の相性は抜群!」と考えています。
そして、その自転車を活用した観光のことこそ、「サイクルツーリズム」であり、私たちは「生活圏以外の地域を訪れ、自転車で走ること」と定義しております。
サイクルツーリズムがもたらす経済効果は?
私たちは2018年に観光庁様と共同で「サイクリスト国勢調査」を実施しました。
この調査によると、2018年には全国で1,256億円のサイクルツーリズムに関連する消費があったことが分かっております。
また、2018年には1,581万人がサイクルツーリズムに参加しているということも判明しており、自分の自転車で地域を巡るのみならず、レンタサイクルで地域を楽しむためにも自転車が最適なツールであるといえます。
さらに、自転車で地域を走ったサイクリストのうち83%が「自転車でまた走りに来たい!」、76%のサイクリストが「この地域を友人などにオススメしたい!」と回答しており、サイクルツーリズムには地域のファンを増やしたり、ファンの輪を広げ、再び訪れることや周囲におすすめする効果があることも分かっております。
サイクリストってどんなタイプがいるの?
「サイクリスト国勢調査」の結果から、サイクリストのタイプは6タイプに大別出来ることがわかりました。
①日常の移動手段層
②健康エクササイズ層
③旅行・レジャー手段層
④ツーリング層
⑤サイクリングイベント層
⑥レース層
それぞれのタイプごとに「自転車に求めるニーズ」は大きく異なることが分かっております。
また、タイプごとによって人口、市場規模も大きく異なります。
これらサイクリストの特徴と、地域の持つ資源や狙いたい成果指標を組み合わせ、ターゲティングを明確に定めることがサイクルツーリズムの成功には不可欠です。
地域側:持っている観光資源(山、海、名産品等)/目標(域内消費○億円)
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サイクリスト:何を見て走る地域を選ぶ?/どれくらい地域で消費する?
どうやって地域資源に見合うサイクリストを定めるの?
とはいえ、自分たちが持つ観光資源に適したサイクリストのタイプは一体どれなのか?ということを見定めるのは大変です。
ツール・ド・ニッポンでは、
①サイクリストの特性を地域側にオリエンテーション
②地域の方と一緒にサイクリストに刺さる地域資源を掘り起こすワークショップ
③地域資源を活かしたコンテンツ開発
④地域の方と開発したコンテンツを実際に体験
⑤開発したコンテンツをサイクリストに向けたプロモーション
といったサイクルツーリズムに係る一連の流れをワンストップでお手伝いさせていただいております。
サイクルツーリズムのプロとして10年間培ってきた経験を活かし、自転車で地域に人を呼び込むためのお手伝いをさせていただておりますので、サイクルツーリズムにお困りの団体様がいらっしゃいましたらお気軽にご相談ください。