DV彼氏
まあ一口にDVと言い切ってしまうのも
忍びないのだが。
合計半年ほど、20歳年上の恋人と付き合っていた。
当時のわたしは彼が好きで好きで
とにかく付き合いたかった。
「理想すぎて付き合えない」という彼を
どうしてもうんと言わせたかった。
結果わたしの粘り勝ちだ。
向こうもかなりこちらに通ってくれていた。
だがなんせ女の子の知り合いがたくさんいるような
人だった。
わたしと同年代の精神疾患患者の女の子たち。
それはもう嫉妬で狂いまくった。
まだ別々で暮らしていた頃、彼が女と出会った。
直感でその女が彼のことを好きになると思った。
案の定だった。
2月から彼の家で住み始めた。
同棲というには程遠いものだった気もするが。
とにかくパワーバランスがおかしかった。
経済的な面が大きかったような気もするが、
個人的には男尊女卑も感じていたし、
わたし自身を尊重してないと感じた。
普段は仲は良いのだが
月一程度でどでかい喧嘩をする。
彼は大きい声は出さない。
淡々と貶してくるタイプだ。
わたしが話し合おうとしても、
テメェ。バカ。クズ。死ねば。
俺と同じ立場(正社員)になってからモノ言え。
あとはわたしの荷物を勝手に外に出そうとしたり、
突き飛ばされる、床に張り倒されるようなことが
何度か合った。
張り倒された後彼が部屋から出て行き、
わたしは過呼吸で命の危機を感じて
親類に電話を繋いだのだ。
そのうちに彼が戻ってきて誰と電話してんの?と
また説教。
自分のメンツが潰れるのが許せないのだ。
自分が悪いのに。
そのときも、病院に行ったが
何かあったら自分が困るからであったし、
もちろん私の自費だった。
謝られた記憶はなく、
もうしない、と言うもののまた繰り返す。
同棲も、半ば無理やりさせられたのだが
その上で自分の生活が脅かされるのが
本当に怖かった。
何度か離れたがその度に甘いことを言われ
戻ってしまっていた。
最後、離れたときのこと。
本当に理由を覚えていないのだ。
だが本当に些細なことでヘソを曲げられ、
外でタバコを吸いながら母と電話で話していたら
あーもういいや、となり
財布とケータイとタバコだけ持ってネカフェへ。
出て行く旨を伝え、母の迎えを待つ。
顔を合わせるのが怖く、会わないまま別れた。
だが後日SNSで謝罪DMが届いたりして
あまりにもエゴの塊すぎてつらくなってしまった。
LINEも、アプリごと消した。
色んな場所に出かけたし、楽しい思い出も
たくさんあるはずなのだが、
こう言った思い出ばかり浮かぶのは
やはり悲しいものがある。