見出し画像

妊娠の経験談

私には2人の子どもがいて、2回の妊娠・出産の経験があります。その経験を通じて分かったことや感じたことを書きたいと思います。
妊娠・出産をまとめて書こうと思ったのですが、長くなるので妊娠編と出産編に分けます。
まだ経験されていない方にも、経験者の方にも、男性にも伝わる内容にできればと思いますので、目を通してみてください。


妊娠って簡単じゃない

漫画やドラマでは割と簡単に妊娠する印象があると思うのですが、現実にはそう簡単にホイホイできるものでもありません。30になる手前で第一子を授かった私ですが、簡単にはできないものだな…と当時は少し悩みました。いろいろと調べる中で、人間の着床率は哺乳類の中でもかなり低いということを知りました。大体20%くらいだそうです。チンパンジーは70%らしいです。
理科や保健の授業で習ったと思いますが、精子と卵子が合体して受精卵になります。それが子宮内に移動して子宮内膜(子宮の壁)にくっつく、これを着床といいます。受精卵ができたからといって、着床がうまくいくとは限りません。上手く着床できた受精卵だけが成長することができるのです。

排卵が起こって卵子が出てくる
(月に1回、卵子の寿命は24時間)

精子と卵子が出会い受精卵に

子宮まで移動し、着床

この時点でかなり奇跡的なことが起こっています

妊娠したかな?と思ったらすること

妊娠に気付くきっかけは、『月経がこない』ことです。月経(生理)は大体1ヶ月に1回の周期で起こります。女性の体は毎月、受精卵が着床できるお布団(子宮内膜)を用意しますが、使われなければ血液とともに流されます。妊娠すると当然お布団は使われますので、月経も起こりません。

で、自分で簡単に妊娠の有無を調べられるのが妊娠検査薬です。尿をかければ陰性陽性が判別できます。
妊娠検査薬を使うタイミングは生理予定日から1週間経ってからです。早期妊娠検査薬という生理予定日当日から使えるものもありますが、値段が少し高いのと、薬剤師さんのいる薬局で買う必要があるので注意が必要です。

検査薬で陽性と出たら、絶対に、速やかに、産婦人科を受診してください。正常妊娠であることを確かめる必要があるからです。
上で説明した『着床』が子宮内ではないところで起こっている可能性もあります。卵管などにくっついたまま大きくなると、卵管が破裂して母体も危険です。

産婦人科ですること

初めての受診

妊娠して初めて産婦人科に行くという人も多いかと思います。受付に行って「妊娠検査薬で陽性だったのですが」と伝えると、アンケートなど答えた後、尿検査をします。この検査で妊娠中に放出されるホルモンの量を確認してくれます。
そして経膣エコーで子宮内を診てもらいます。えっ?お腹に機械当ててエコーしてもらうんじゃないの?と思いますよね、私も思いました。でも、ある程度赤ちゃんが大きくなるまではお腹のエコーでは確認できないっぽいです。
妊娠最初期に行って診察してもらうと、まずは『胎嚢(たいのう)』が確認されます。これは赤ちゃんの入った袋で、エコーでは丸がうつるだけです。このただの丸が印刷されたエコー写真をもらって帰るのですが、ただの丸なのに既にもう愛おしい、そんな気持ちでした。

心拍確認

初診から大体4週間後(病院によって違う)に次の受診があり、その頃には心拍が確認できるようになっていることが多いです。
これはエコーで確認できて、ピコンピコンと小さな小さな心臓が鼓動しているのを見ることができます。自分の中に確かに命があるのだと実感する、感動的な瞬間でした。
心拍確認が出来ると、母子手帳をもらうための紙(妊娠の証明書)が貰えるので、それを持って市役所に行き、母子手帳を貰います。

定期健診と助成

妊娠中は定期的に病院に通いますが、妊娠は病気じゃないから保険診療じゃなくて自費なんです。
少子化どうにかしたいならせめて保険診療にしてほしいですよね💢(溢れ出る本音)
毎回自費で払ってたら大変なので、妊婦健診に使えるクーポンが自治体ごとに発行されています。(母子手帳を受け取る時に一緒に貰えます)
まあ、これで大体まかなえるようにはなっていますが、クーポンはお釣りが出ないので半端分は妊婦負担となります。クーポンの総額は地域差があるようなので、結構自己負担多い!となっている妊婦さんも日本のどこかには少なからずいるでしょうね。

お金がかかるからといって、健診をサボっては絶対にいけません。健診は母体を守るために行われています。適宜、必要な検査を実施してくれます。妊娠中は血圧や血糖値をチェックしておかなければいけませんし、胎児の状態も診る必要があります。
初期は月に1回、出産が近づくと毎週健診があります。

流産率

無事に妊娠確定となっても、妊娠中ずっと付きまとってくるのが流産の恐怖です。
妊娠した女性の平均15%が流産するというデータがあります。若い20代の人でも10%、40代では50%だそうです。(下記参照)http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa23.html

私も第二子妊娠初期に出血があり、流産するかもしれないと号泣したことがありました。幸い何事もなく成長してくれましたが、妊娠中は常に心配の連続でした。

もし若くて将来子どもが欲しいかもと思っている方が読んでいたら、できるだけ若いうちに作った方がリスクも低く済むということを覚えておいてください。

ちなみに初期の流産は染色体の異常が原因のことがほとんどで、お母さんの行動とは関係ないみたいです。

つわり

つわりというと「うっ…(トイレに駆け込む)」みたいなイメージがあると思います。
めちゃくちゃ吐く!!という人もいますが、私は一度も嘔吐しませんでした。これは完全に体質的なものだと思います。妊娠してみないとわかりません。
嘔吐しなかったなら楽だったんだな、と思うでしょ?それがそうでもありませんでした。
私は2ヶ月くらい、ひたすらパンかうどんを食べて生きていました。それ以外のものは胃もたれして体が受け付けないのです。
テレビで脂っこい料理が映るだけでも気分が悪くなるし、夫が食べている料理の匂いも気持ち悪いし、想像するのも嫌でした。
つわりがひどい期間中、開催中だった冬季オリンピックをNHKでずーっと見ていた気がします。背景が白くて、CMもなくて、丁度良い暇つぶしになりました。
よだれづわり』というものもあり、めちゃくちゃ唾液が分泌されます。口にどんどん溜まっていくのでペッと吐き出さなければいけません。仕事中、ほんとにめんどくさくて嫌でした。
食べづわり』は空腹になると気持ち悪くなるつわりで、私はこれもあったので、仕事中につまめるようにカントリーマアムや小さいパン等をカバンに忍ばせていました。
つわりの終わりは急にやってきます。
「何だかいけそうな気がする〜!」とオムライスを注文し、一口食べて「美味しい!!」と感じた瞬間、つわりが終わったのだと確信しました。久々に食べるお米は格別でしたね。

大きくなるお腹

赤ちゃんが大きくなるにつれて、妊婦さんのお腹は膨らんできます。お腹の膨らみ方は個人差がかなりあります。腹筋がしっかりある人だとお腹が出にくいと聞いたことがあります。
どんどん膨らんでいく子宮は、他の臓器を圧迫していきます。

下記のサイトから引用しました

便秘、頻尿、息切れ…思った以上に妊婦であることはハードでした。お腹がかなり大きくなってくると足元も見えづらく、階段の昇り降りも難易度爆上がりです。
寝る時はもちろん仰向けやうつ伏せなどは出来ないので、横を向いて寝ることになります。

よく妊婦体験で重しをつけてみる、みたいなのがありますよね。それを体験したお父さん達の中には「なーんだ、こんなもんか」と思う人もいるようです。
でも、そもそも男女では筋肉量が全く違いますし、実際は重しが外にぶら下がってるんじゃなくて、内臓をギュウギュウ押し潰しながら自分の体内に入ってるんですよね。よーく覚えといて欲しいです。これくらい楽勝やんとか言われたら内臓潰したろかと思います

美意識が高い人は、お腹が大きくなり始める頃は特に気をつけてください。急激に皮膚が伸びることで肉割れを起こします。肉割れとは皮膚にひび割れたような線が入ることです。妊娠線とも言います。一度出来ると消えません…。保湿を徹底すればある程度防げるようです。私はバリバリ入ってしまいましたが、お腹を出すことなんて無いので、特に気にしていません。

妊娠中の食事

妊娠中に食べるものはお腹の中の赤ちゃんにも影響が出るので、気をつけなければいけません。つわりの時は何でも食べられるものを食べてね、と言われますが。

妊婦が控えた方が良いもの

生もの(刺身や生ハム、生卵など)、ナチュラルチーズ、カフェイン、アルコール、辛いもの、レバー・うなぎの多量摂取、ひじきの多量摂取、マグロ等の多量摂取…etc
細かいものだと他にもいろいろあります。
幸い(?)私は魚もチーズもレバーもうなぎもアルコールも好きではなかったので、そこまで我慢を強いられるということはありませんでした。
寿司が好きな人は辛そうでしたね…(他人事)

私が妊娠中に我慢したものは

  • カフェイン(緑茶やカフェオレ)

  • 生卵

  • ひじき

カフェインは産後も授乳中は飲めませんので、結構長いことノンカフェインの飲み物でしのぎました。
生卵…無性に卵かけご飯が食べたくなる時もありましたが、我慢しました。
ひじきは個人的にすごく好きなので山ほど食べたかったのですが、少量に控えました。

妊娠中に摂ったほうが良いもの

  • 葉酸

  • カルシウム

葉酸はサプリを飲みました。妊活中から飲むと尚良いです。私は妊活中から飲んでいました。
葉酸は胎児の先天性異常を予防する役割があるので、特に初期にはしっかり摂取する必要があります。

赤ちゃんのために大量の血液が使われるため、鉄分の補給も必須です。後期になると多くの妊婦さんが貧血を指摘されて、鉄剤を処方されることになります。私は第二子の時に鉄剤もらいました。

↑私はこれを鉄分補給に毎日飲んでました。個人的には好きな味です。しっかり鉄分とれるのでオススメです。結構甘いので糖分制限がある人は注意です。
(第二子の時は鉄分ヨーグルトを毎日飲んでいませんでした)

カルシウムは骨の材料です。当然赤ちゃんの体を作るのにもたくさん使われるので、普段よりもたくさん摂取が必要になります。足りなくなったら母体の骨が分解されてカルシウムを補うらしいです、そんなことをされたら骨がスカスカになっちゃいます。
私は牛乳やヨーグルト等の乳製品を摂っていました。妊婦健診で行われた骨密度の検査は、全く問題なしでした。

体重管理

妊娠中はなにかと太りやすいです。つわりが終わると食欲は沸いてくるし、体は溜め込もうとします。
大体妊娠前プラス10キロくらいで抑えるように病院から指導されます。私が出産した産院は増えすぎていたら注意されるようなところでした。
太りすぎると産道にも脂肪がついて狭くなり、難産になるそうです。安産を目指すなら太りすぎないように気を付けましょう。妊婦って考えることが多くて大変ですよね。

精神面

妊娠すると精神的に不安定になる気がします。
まあ、そりゃ自分と別の命がお腹に入ってるとか責任重大だし、ホルモンバランスもめちゃくちゃだし、不安定にもなるでしょうね!
妊婦はハッピーなことばかりじゃありません。ずっと心配が付きまといます。

「流産しないだろうか」
「赤ちゃんは元気だろうか」
「出生前診断とかした方がいいの?」
「出産の時に自分に何かあったらどうしよう」

めちゃくちゃネガティブになったりポジティブになったりの繰り返しです。
些細なことでイライラしたり、急に涙が出たり、ひたすら情緒不安定で大変でした。
「コウノドリ」という産婦人科を描いた漫画で、ドラマ化もされている作品があるのですが、妊娠中は見ない方がいいかもしれません。

最後に

妊娠中のことについて伝えておきたいことを書いていたら長くなりすぎました。全部読んでくれた方がいたら本当にありがとうございます!!

妊娠って大変なことです。一つの命が新たに作られるのですから。
妊娠を通じて、人の命って本当に奇跡の連続で生まれてくるんだな、と痛感しました。
だからこそ、生まれてきた命は大事にして欲しいです。
あなたの命も、周りの人の命も。

いいなと思ったら応援しよう!