自家感作性皮膚炎体験談 (1)
(1)発症~受診まで
8月の終わりごろ、まだ汗ばむ陽気だけど日差しは秋の感じになり始めたころに、夕方の時間帯に川沿いの遊歩道を30分ほど散歩しました。遊歩道は適度に整備されていますが、時期が時期なので夏草がところどころ茂って、足元にはみ出してきていたのを覚えています。
帰宅してしばらくして、なんとなく右足の腿の辺りが痒い。プツプツと小さく2カ所が赤くなっていました。地味にしつこく痒くて、しばらく痒みが続いてなかなか治らないと思ったのですが、虫刺されなら1週間もすれば治るだろうと特になにもせずに放置してしまいました。
その頃は痒いといっても異常を感じるほどではなくて、痒さとしては蚊以上ブユ以下という感じ。やぶ蚊のちょっとタチの悪いやつかなと、大して気に留めてはいませんでした。1週間くらいたち、ずいぶん長いこと痒みが続いているな…と思い始めたころに、左足の同じような場所にプツっとひとつ痒い所ができていました。この時もまだ、両足の痒いのが同じ原因だとは思っていませんでした。
そしてさらに数日。今度は左手の甲のにプツプツと小さな痒いものができました。続いて右手にも。手にこういう痒いのができるのは、それまでもたまにあって、それも手荒れの類で1~2週間もすれば治ることが多いので、まだ気にしていませんでした。そのうちに、加速度的に痒い場所が増えていき、額の辺りに細かいプツプツがたくさんでき始めました。最初の日から2週間くらいです。
ここまで来てようやく、これはおかしい、このまま放置したら外に出られないような顔になるんじゃないかと思って、皮膚科受診を考えました。連休やら病院の休診やらでさらに数日かかりましたが、やっと受診にこぎつけてこれまでの経緯を説明したら、「自家感作性皮膚炎」の診断が下りました。
この時は両足の腿前面が広く赤くただれた状態で細かい掻き傷が無数にできていました。両手の肘から先手の甲までも腿ほどではありませんが多数の湿疹、額と顎の両側(耳の下から顎にかけて辺り)に醜い湿疹が出ていました。この時はまだ体幹部(背、腹)とひざ下にはさほど広がっていませんでした。体の表面積で言うと3割くらいだったかと思います。痒みはとても強くて、気が付くと無意識に掻いてしまっている状態でした。
自家感作性皮膚炎がどんな病気なのかは、検索で調べていただく方が確実ですが、何かのきっかけでできた皮膚炎(虫刺され、かぶれ、アレルギー、アトピー等 原因は特定できないことが多いとのこと)を適切な治療をせずに放置して悪化させ、それが全身症状になってしまうようなものです。
先生の説明によると、最初の時にすぐに治療すれば簡単に治ったけれど、自家感作性皮膚炎になってしまうと最低でもひと月はかかるとのこと。
症状から、ある程度は予測していました。でも、この時はまだ、皮膚科の診察を受けて薬をもらえば治るだろうくらいに甘く考えていたのです。
この日に処方されたのは
1.保湿剤(ヘパリン類似物質+プロペト)
2.ステロイド軟膏(サレックス+ヘパリン類似物質)
3.ステロイド軟膏顔用(スピラゾン軟膏+プロペト)
4.抗ヒスタミン剤(錠剤2種類)
この時はまだ耳鼻科にも通っていた頃で、抗ヒスタミン剤は耳鼻科で処方されたものと重なっていたので、相談して1種類は耳鼻科の方でもらうことになりました。