私はその日、川尻で謎の儀式を目撃してしまったのです
快晴のもと、角館と道の駅なかせん「ドンパン節の里」周辺で桜を堪能したあと、西和賀町に戻った私を待ち受けていたのは、怪しい儀式だった。
国道107号と県道1号とが別れる川尻大橋からほど近く。西和賀町役場湯田庁舎の目の前でそれは行われていた。
道路にスプレーを吹き付け
少し移動して、左右をキョロキョロ見渡したと思ったら
またスプレーを吹き付ける。
しかもよく見れば、儀式を行っているのは見知った顔。俺が2012年夏に初めて西和賀を訪れた当時から役場の生涯学習課に籍を置き、その後、銀河ホールを訪れるたびに俺のわがままに付き合ってもらっていた佐々木 真さんである。
あまりの奇行に、「人にはみんな秘密があるものだから」とスルーすべきかとも思ったが、勇気を振り絞って声をかけてみた。
真「ああ、錦秋湖マラソンの準備だ」
とうじん「あ、そっすか」
前日には花火まで上がっちゃう、西和賀町の一大イベント、錦秋湖マラソンの準備だったらしい。2019年は5月26日(日)に開催だ。
どこまでその奇こ…儀し…準備をするのか聞いたところ、残り300メートル。
車の切れ間に、安全を確保して、スプレーを吹き付ける。
市民ランナーたちの喜びを支えるのは、そんな地道な作業だったのだ。
カバー写真は道の駅なかせん「ドンパン節の里」近くの風景であり、西和賀ではないので注意されたし。
唐仁原 俊博 a.k.a. 西和賀町のやべーやつ / とうじんばら としひろ
岩手県西和賀町 地域おこし協力隊
大学生・怠惰な生活・演劇の三足のわらじで、京都大学を10年かけて中退した、元フリーランスライター。ほんとは大してやばくないけど、最長3年の任期をフル活用するためにも、やべーやつを名乗ることにした。
ほんとに大してやばくない。
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