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【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.390 外交官の過去

タイトルで静虎とパヴェルの因縁が大体分かってしまうね。


◆前回までのあらすじ

龍星と悪魔王子の御前試合はレバー・ブローによる相打ちから一転、急に動きが悪くなった悪魔王子に対して龍星が一方的に攻める形となったが、自身の攻撃がこうも易々を効くことに疑念を抱く龍星。それを払拭するように追撃の飛び蹴りを悪魔王子の側頭部をクリーンヒットさせ、ついに悪魔王子から初のダウンを奪う。
一方、鬼龍の生存確認へ向かう静虎の前に運営側の使いでありR国の元秘密工作員であるパヴェルが立ちはだかる。パヴェルの巧みなナイフ捌きに苦戦する静虎だが……。


◆パヴェルの過去

パヴェルの逆恨みにまったく身に覚えがない様子の静虎。するとパヴェルは静虎に対して(一方的な)過去の因縁を語り始める。それは20年も前、パヴェルがR国の外交官(工作員スパイ)として東京で活動していた頃の話。
早朝、朝靄あやもや立ち込める中、車(外交官ナンバー)を運転していたパヴェルは野球の朝練に向かおうとしていた小学生と交通事故を起こしてしまった。小学生は車にはねられ(はねるというかおもくそ轢いているんですが…)、大量の血を流しながら車体の下で倒れていた。
視界が悪いというのもあったが、なんとパヴェルは前日から深酒がすぎており、ほぼ飲酒運転の状態。
パヴェル「あーあやっちまったなあ (幸いにも誰も目撃者はいな…)」
明かにパヴェル側の過失であったが、彼は少年の救助活動もせずに一服し、目撃者がいないことをいい事にその場から車で去ろうとしていた。

逃げるんかいっ 轢き逃げ犯!
しかも、轢かれた小学生から流れている血に煙草の吸殻捨ててるのストレートにクズすぎてドン引きなんだよね。

今は懐かしきスヌーカがG28を狩るために来日した時に米国側のエージェントが言っていた
「気にするな 外交官ナンバーだぞ スピード違反しても交通事故をおこしてもお咎めなしだ」
を髣髴とさせる展開なんだ。ほんと外交官やりたい放題っスね。外交官云々は二回目だし、猿渡先生は外交官ナンバー車に何か嫌な思い出があると考えられる。
(それにR国がしれっと工作員スパイを外交官として送り込んでるんスけど…いいんスかこれ?)

↑これは"違反金踏み倒し"だけど最多がR国なんだ、ほんとクソっスね。


            パヴェル
あーあやっちまったなあ> ( ´ー`)y-~~

前話でパヴェルが出会ったのが互いに白髪が無い時って静虎に言っていたけど、若いパヴェル→現パヴェルを見るにどちらかというと毛量の減少の方が悲惨っスね。
逆に結構歳いってるはずの宮沢三兄弟の毛髪が元気すぎる。


◆立ちはだかる虎

運転席に乗り、そそくさとその場から逃げようとするパヴェルであったが、正面を見るとフロントガラスの向こうには静虎の姿が!静虎は両手を掲げてパヴェルの逃走を制止しようとするが……
パヴェル「外交官には『不逮捕特権』があるんだよおっ」

パヴェルはアクセルを踏み込み逃走の邪魔をする静虎をはねようとする……だが、静虎は突っ込んできた車のフロントに衝撃を与えスピンさせジャンプ。上空から車のルーフをぶち抜きパヴェルの後頭部を殴打、一瞬意識を失ったパヴェルは車体のコントロールを失い、そのまま電柱に激突してしまった。

自業自得を超えた自業自得で草。
電柱にパヴェルが車ごと激突するコマで静虎が上に「ピョーン」って飛んでフェード・アウトしてるのも若干シュールでおもろい。
これが3話引っ張った静虎との因縁らしいんだが、パ「一方的な逆恨みですから」←本当に単なるカスの逆恨みなんだよね、すごくない?

パヴェルの哀しき過去どこへ!!

……しかし、このシーンで少し疑問なのが、なぜ静虎は20年前の東京にいたんだろう?龍を継ぐ男の時系列をグチャグチャにしている「鬼龍の死」10年前という設定を基準とすると高校鉄拳伝より前な気がするが……(熹一が10前後くらい?)。
一応、熹一をアラフォーのオッサンにしていいならTOUGHのラストで神戸の道場を引き払って熹一が独り立ち→静虎も東京に移り住んだ後の時系列と仮定すればいい線いってる……か?(熹一のハイパーバトルで静虎と闘ったのが数年前という発言がノイズになるけど)。

■ 龍を継ぐ男 TOUGH最終回から20年後説
TOUGHの熹一が19歳だっけ?
そっから10年後が龍継の過去編で灘・真・神影流が風前の灯火状態→鬼龍の死(嘘)→さらに10年経過で現代。

でも熹一が全然アラフォーに見えねーんだわ。
推測だけど猿渡先生の中では熹一を27・28~30代前半くらいの気持ちで描いているように感じる。


◆運命

自身との因縁(因縁?ガチで一方的な逆恨みを言うてくれや)を語りきったパヴェルに対し静虎は……
静虎「顔を見た時から分かっていましたよ」

実は最初に相対した時からパヴェルのことは思い出していたと言い出す(←なっ…なにっ!?)。今まで身に覚えのないふりをしていたのはあなたパヴェルのような下衆と二度と関りを持ちたくないと思っていたからであった。

388~389話の静虎の態度的に最初から分かっていたは少し無理があると考えられるが……。静虎がいくら「知らない…知ってても言わない」しても既に関わりたくない下衆パヴェルに絡まれているんだし。

下衆と言われたパヴェルは開き直りながら「あの時の小学生は亡くなったそうですね」と静虎を挑発し、再び刃物対徒手の闘いが始まる。
パヴェルは静虎を刺突しながら"あの子"はそうなる"運命"だったと言い、自身もあの後に事故がおおやけになって職務を外され、最終的にヨシフによって民間軍事会社(PMC)ヴィクトル・グループに拾われることになったのも"運命"だと達観していた。

~ 数ページ前 ~
外交官には『不逮捕特権』があるんだよおっ←なお失脚する模様。

パ「許せなかった...外交官ナンバーはスピード違反しても交通事故をおこしてもお咎めなしのはずなのに職務を外されるだなんて......!!!」←そりゃまぁ日本で逮捕されなくても本国での評価とは関係あらへんがな。
パヴェルおじいちゃん、これも全部"運命"だって開き直りしててホント迷惑を超えた迷惑なんだよね。静虎は鬼龍然り、迷惑な奴に粘着されまくるのは"運命"なのか……。
あと地味にパヴェルがヨシフを「ヨシフさん・・って呼んでいることが判明。案外親しい間柄なんかな?


◆因縁との決着

メリケンサック・ナイフによる刺突を繰り返すパヴェル、ついに静虎の即席防刃グローブの貫くが……
パヴェル「ぬ…抜けない な…なんだぁ 筋肉を固めて刃物を抜けなくしているのかっ」
静虎に左腕の筋肉を固められ、ナイフが抜けずに動きが止まってしまう。
静虎「ならばこれがあなたの"運命"だっ」
そのまま反撃の右ストレートを顔面に食らい、軽く数メートルは吹き飛ばされるパヴェル。勝敗は決し、静虎は意識を意識を失ったパヴェルに対して、あの時の小学生は病院で息を吹き返したと…"奇跡"というモノがあると言い、あの子の痛ましい姿を思い出すことになるので、願わくばもう二度とあなたパヴェルの顔を見たくはないと、その場を後にした。

ここの静虎かっこよすぎを超えたかっこよすぎ。
パヴェルとの因縁は蓋を開けてみればしょーもなかったけど幻魔乱舞から長らく静虎の見せ場がなかったので久しぶりのガチバトルが見れて良かったんだよね。
パヴェルに対する天誅禁断の二度打ち&はねられた小学生も実は生きていることが判明して結果的にはハッピーハッピーやんケ。でもガッツリ車の下敷きになってた小学生くんはタフすぎやしませんかね?
かなりの出血量に見えたんだけど、恐らくこれまで数々の人間を蘇生させてきた静虎が灘の活法で応急処置を施したと考えられる(気動波あたりで何とかなるやろ、知らんけど)。


◆心臓の鼓動

一方、K大宮殿の会場で行われている御前試合はレバー・ブローの影響なのか、急に動きが鈍くなった悪魔王子に対して龍星が攻勢に転じ、蹴りのコンビネーションから体勢が崩れたところに追撃の飛び蹴りを放って側頭部にヒット……なんと悪魔王子はそのままダウンしてしまった。
喜ぶセコンドの熹一、信じられないと言った様子のヨシフ(なんでそんなに悪魔王子の強さ信頼してるのん?)、あの悪魔王子がいとも簡単にノックアウトしたことに疑念を抱くあの男・・・(なんでそんなに悪魔王子の強さ信頼してるのん?二度目)、そして…まるで手ごたえを感じていない龍星。

ヨシフはともかく、そこまで付き合いがないはずのあの男・・・が悪魔王子の強さを信頼しているのが謎なんだよね。
あと相対的に龍星がナメられ過ぎ(R国視点だとサーシャに苦戦したところぐらいしか見てないからそんなもんと言えばそんなもんだとは思うけど)。

あっけない決着にこれで終わりか…と落胆するあの男・・・だが、インカム越しに御前試合を解説している謎の人物から、
???「聞こえませんか?悪魔王子の"心臓"の音が」

ドックン
         ドックン
ドックン        
(PC書き文字)

覚醒しようとする悪魔王子の心臓、それに影響されて龍星の心臓も共鳴していることが伝えられる。

怒らないでくださいね、
こんなに離れてて心臓の鼓動音が聞こえるわけないじゃないですか。
(実際に外野に聞こえているとすると、もうワン・パンマンのキング・エンジン並み)

まぁ そんな些細なことは置いといて、前回まであの男・・・に試合を解説していたのは裏であの男・・・と結託した鬼龍か、単なる漫画的な地の文だと思っていたけど、今回で明確にあの男・・・に対して語り掛けてきているので地の文説は消えましたね。
でもあの男・・・に対する話し方的に鬼龍説も薄まったんだ……えっ!?じゃあ一体誰なんスか?

ぽっと出の新キャラでない限り、話し方で違和感が無いのがスタンプくらいしかいないんですけど……それか
尊鷹←もう完全にギャグだけどここしか出すタイミングがねーよ。
リカルド←大穴だけど…結構面白そうじゃない?
これ以外思い付かないんだ。どうなるんだろ?

インカム・鬼龍「聞こえませんか?」←これキショすぎて笑えるからやめて欲しいけどキャラの口調が安定しないことなんてよくあるから可能性はゼロではない…恐ろしいぜ。


◆共鳴…!?

父親殺しの贖罪か?はたまた自戒の念か?ワザと龍星の攻撃を受けた悪魔王子は不敵な笑みを浮かべながらゆっくりと立ち上がる。
共鳴するガルシアの心臓、闘いはさらにヒートアップする!!

悪魔王子「心臓覚醒(*`◯´*)!」
龍星「僕も心臓覚醒(*`◯´*)!」

突然変異の心臓が共鳴するおかげどっちが覚醒しても条件がイーブンに、どうあがいてもフェアな試合になるんだ。

悪魔王子は贖罪や自戒とは無縁の性格をしてると思うから龍星にあえてボコられたのは心臓覚醒の為だと考えられるが……意外と鬼龍パパを殺ったことにショックを受けてるんですかね?いや、流石にそれは無いか。

◆本当の闘いはこれから… ← こっからどんなオカルト・バトルになるのか楽しみっスね。
次号、悪魔が覚醒する…!? ← なんで若干疑問形なんだよえーーーっ!


◆まとめ

あのぅパヴェルさん、思ってたよりしょーもない因縁で流石にビックリしましたよ。
先週の話ほぼほぼ無くても今週に繋がるなんて刺激的でファンタスティックだろ。

久しぶりにストレートにクズなキャラとしてパヴェルがお出しされたんだけど、あの事故から静虎の身元は調べたのに自分がはねた小学生が一命をとりとめたことを知らないあたりガチで恨みの感情でしか動いてないんだよね、マジモンのカスじゃない?
(なんか全体的にタフ外伝OTONでやりそうな話だったんだ)

前の感想でパヴェルと静虎の因縁を色々と予想立ててたけど全部外れたわ。(←こんなん当たるわけないやろ)
ふうん、やはり筋書きのないドラマ(漫画)である龍を継ぐ男を予想することは誰にもできないということか……。

これで静虎サイドのいざこざが一旦終わったことだし、今週全然展開が進まなかった龍星VS悪魔王子サイドが本格化することに期待しますね。


◆次号予告

次のプレボNo.42は9月30日月曜日です。
ちなみに去年のこの時期はR国がU国侵攻を始めてスタンプが登場したあたりなんだよね。時が経つのは早ぇなぁ。


出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第390話