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【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.397 蓮華・菩薩

BATTLE.140 蓮華・菩薩
BATTLE.397 蓮華・菩薩
サブタイトル被り兄弟・ボサツ・ツインズ。
(……でもG-28関連だし仮に意図的じゃなかったとしても結構いいね)


◆前回までのあらすじ

突然変異の心臓とガルシア28号のサポート受け、完全に試合の流れは龍星のものになった。当初は余裕の態度だったが徐々に劣勢に追い込まれ、龍星の底力に焦る悪魔王子。だが、龍星は突如涙を流しながらこの闘いの意味を悪魔王子に問いかけ始めた。今の龍星を突き動かすものとは!?


◆涙の理由

前回、戦闘中に涙を流し始め、お前(悪魔王子)はもう怖くない…恐怖の対象ではなくなった相手と闘う必要があるのか?と、この闘いの意義を問いかけた龍星。悪魔王子はそんな龍星に対して困惑した様子だが、
龍星「泣いているのは僕じゃない お前のことを哀れんで…ガルシアが泣いている」
龍星はこの涙は自分から出たものでなく、悪魔王子(ガルシア11号)を哀れんだガルシア28号の涙だと言う。悪魔王子は冷徹にして冷酷非情の"人間兵器"として作られたはずの兄弟(ガルシア28号)が何故泣くんだ?と涙のワケが理解できないでいた。

ガルシア28号の人生はせいぜいデゴイチと僅かな期間だけど灘勢ぐらいからしか碌に他者の愛を受けていないはずなのに今の悪魔王子を哀れんで涙を流せるの聖人すぎるだろ……心臓と角膜だけど。
28号の話題が出てくるたびにこの心優しき男を自死に追い込んだあの・・おじさんが許せなくなってくるんだ(`o´)

あと、この状況……傍から見ると急に強くなって泣き出してコレは心臓に宿った魂が流しているんだ!って龍星が語り出してるんだよね、怖くない?

事情を知ってる灘勢はともかく、外野であるあの男・・・とヨシフおじさんは「お…お前 変なクスリでもやってるのか」って感想しかわかないと考えられる。


◆回想

~ 場面はガルシア28号の回想へ ~
だいたい灘神影流まぬけトリオの雑な後処理のせいで米軍にクーリングオフされた)ガルシア28号が米軍から脱走し、灘神影流のメンツに匿われたときの尊鷹との会話、自身との闘いで足を失った彼から……
尊鷹「ガルシア お前はなんだ?人の痛みがわからなくて"人間"と言えるのか」

う 
   あ 
    あ

あ 


(PC書き文字)

そっ…尊鷹が(回想だけど)最後の登場から"1260日"ぶりに猿空間から練り帰還してるッ!!
確認できる鷹兄最後の登場シーンがニコライに優希ちゃんが連れ去られた回で2021年06月14日の週プ・レだからざっと3年以上前なんだよね。

でも(回想とはいえ久しぶりの鷹兄登場で)嬉しいなぁ…

153話
当時鷹「お前は感情こころ無いんだったな

397話
回想鷹「お前は感情こころ無いんだもんな

う 
   あ 
    あ

あ 


(禁断のPC書き文字二度打ち)

なっ…なんか鷹兄の口調がおかっ おかしーよ。
◆過去シーンのコピペなのに何故…!?

まぁ 龍星はこの時のネチネチ嫌味を言う鷹兄を実際に見ていないし、ガルシア28号の心臓おじいちゃんとの会話うろ覚えだったんでしょ、知らんけど。
てか心臓から感情やら身に覚えのない記憶が流れ込んでくるあたり龍星はそろそろ脳ミソもガルシア28号に乗っ取られてきてませんか?


◆人間性

感情こころがなく、人を殺めても罪悪感に苛まれることのないガルシアを「それで"人間"といえるのか」と責め立てる尊鷹だったが、彼は"闇堕ち"した龍星との不利な闘いに勝利しても誰も賛辞を送ってくれず、唯一の父親である鬼龍に死を強要されても自らの慈愛と尊厳のために死を実行した。
尊鷹「自らの命を断つことができるのは"人間"だけだ」
ガルシア28号は確かに"人間"であったと、その亡骸を抱えながら自身の見立ては間違っていたと言う尊鷹。

思い返すとこのあたりの龍を継ぐ男はおおよそ格闘漫画とは思えない狂気の展開のオンパレードだったけど、ガルシア28号まわりの心理描写はめちゃくちゃ好きなんだよね。
鬼龍に今までかけてもらった言葉がガルシアの中でドロドロに溶けていくコマとか、認めてもらいたい鬼龍に自身の死を望まれていたことを知って笑みとも哀しみとも取れる複雑な表情をしながら役に立つ人間になりたかったと自死するシーンとか最高でしょ。
でもこの鷹兄のシーン…龍星は心臓がバーストして死にかけてるし、ガルシアも本人が死んだ後の出来事なんやが

やばっ 今週はガルシアの回想せいで

あの・・おじさんにすげー腹が立ってくるぞ(`o´)

はーーっ 鬼龍よ 〇ね!(一応今は・・死んでる定期)


◆共感性能力"エンパス"

龍星はガルシア28号は"人間の魂"を持って自身の…"心臓ここ"にいる、そして悪魔王子の痛みや哀しみに深く共感する"エンパス共感性能力"になったと伝える。


エンパスって他人の感情を自分の感情のように受け取れる「共感力の高い人」のことを言うんですね(かなり他者の感情に引っ張られるらしい)。

品行方正とはまるで無縁の危険なオーラを放ちながら泣いて詫びている弱者に対して冷徹非情に語録でぶちのめす精神が"強さ"だと信じている野蛮人のマネモブとは対極に位置する存在(忌憚無意見)。

マネモブの"共感力"どこへ!!


◆屈辱

龍星の口からガルシア28号に哀れまれていること知り「ふざけるなあっ」と激昂しながら再び龍星に攻撃を繰り出す悪魔王子。
悪魔王子「死人に哀れんでもらうなんて屈辱以外のなにものでもないわっ」←また口調がラオウ化しとる。てかラオウが実際に言ってそう。
大振りなラッシュから強烈なハイキックが龍星の顔面を捉える。殺人的な蹴りを受け仰向けにダウンする龍星だが……。


「悪魔王子 屈辱」

「死人から慈悲KO!」

「自身の存在を哀れまれる」

悪魔王子からすると理解できないだろうね、
自分と同じように人間以下の扱いを受けて利用され続けたのに死んでもなお他者を哀れみ、慈しむことのできるガルシア28号の存在が……

ちなみに俺にも理解できん。同じ境遇なら

間違いなく悪魔王子化して鬼龍ブッ〇してるね。


(*;◯;*)ガルシア28号の心臓「そうか!キミは…かわいそ…」
(*`◯´*)悪魔王子「ふざけるなあっ」
死人に哀れみを受けていることがさも当然のように流されているんですがコレ……

あの男・・・とヨシフおじさん、話についていけてるか?


◆心臓の悲鳴

しかし、クリーンヒットしたと思われた悪魔王子のハイキックは龍星にギリギリのところで躱されていてダメージ無し。仰向けのまま今の自分は悪魔王子の間合いとタイミングをしっかりとはかり"見切る"ことができると言う龍星。さらに悪魔王子の心臓はすでに悲鳴を上げている、威力も精度も確実に落ちていると忠告する。

あんたは相当強いよ きっと昔はね
でもあんたの戦闘能力のピークはとっくに過ぎてるんだ
体力も気力も反射神経も本人は気付いていないが
確実に衰えてるんだ
(かつての悪魔王子書き文字)

熹「なんや似たような台詞のブー・メランが返ってきたのォ」←龍「ですねぇ」

一応先に全覚醒吐いた方がバテるのは分かるが、それでもガルシア28号の心臓のパワーと持久力が驚異的なんだよね、やばくない?んかよーわからんバーコード坊主の霊体がついてくるオマケあるけど
悪魔王子……この勝負完全にお前の負けの流れや。
御前試合が始まる前はこんな一方的な試合展開になると思わなかった。

・余談
このシーン、龍星の台詞的に躱してるっぽいんですが、ハイキックがヒットした時に「パァン」ってオノマトペがあるだよね。でも龍星が以前ならギリギリで躱そうなんて恐ろしくて考えなかったって言ってるから多分薄皮一枚で躱してる…はず?


◆蓮華・菩薩

悪魔王子「だからどうしたっ 俺の心臓よりお前の"突然変異体の心臓"が優等うえだというのか」←"突然変異の心臓"というニュー・ワード
龍星「(ちがう…闘いを終わらせたいだけだ)」
再び激突する両者……だが龍星にとってもはやこの闘いは勝つためではなく、これ以上相手を傷つけず…苦痛を味わわせず…悪魔王子を救いたいというものであった。
龍星は悪魔王子の右ストレートを躱して懐に潜り込み、三度"菩薩拳"をカウンターで放つ。

  至 灘
蓮 高 神
華 の 影
・ 技 流
菩 ︙ 活
薩   殺
    術

かつてNEO宮沢熹一が対ガルシア28号でやったように秘拳によるアザが菩薩から蓮の花に変わる…つまりは悪魔王子の命が消えかかっている証拠、勝負ありか!?

これもう完全にタンカー編の熹一VSガルシア28号戦のセルフ・オマージュっスね(いつ読んでもあの戦いは至高)。

それに前作主人公が宿命の相手(G-28)に放った技を今作主人公がそのキャラと近しい関係性のキャラ(悪魔王子=G-11)に使う流れは普通に王道で熱い展開だと思う。

悪魔王子はもうヘロヘロだし流石に勝負はもう決まりだ。
……こっから龍星負けねーよな…大丈夫…だよな?(一抹の不安)

◆勝負有りか…!? ← 逆にこっから悪魔王子が逆転できるビジョンが全然思い浮かばないんだよね。
◆次号、ついにあの男・・・が動く!! ← やめてくれよ…(絶望)って思ったけど、あの男・・・かもしれないしボリスかもしれないし鬼龍の可能性もあるんだ。先生……やっぱり人物名が「あの男・・・」なのは無理があるぜ。


◆まとめ

いよいよガルシア28号の通訳と化してしまった龍星。
ボサツケン…?と言うよりイタコケン…?

今週は回想とはいえ再登場したことで先生に鷹兄が忘れ去られていないという超重要なエビデンスを得た回なんだ。
それと編集さん・・がウソをついていないとすれば来週に決着が付きそうですね(ホンマか?)。この試合が始まる前はまさか"菩薩拳"が技の墓から甦ってリーサルになるとは思わなかった。

本当に(色んな意味で)先の読めない漫画なんだ。

あと今週で明確となったガルシア28号と悪魔王子(ガルシア11号)の関係性。
他者のために闘うガルシアと自身のために闘うガルシア…
生まれも環境も同じなのに完全に相対する関係になってていいっスね。

……でも個人的には悪魔王子の方が共感できるんだよなぁ。
ガルシア28号は米軍(と鬼龍)からあのひでー扱いを受け続けてもまだ他人を思いやれる心を持っているのがハッキリ言って異常過ぎる。
もしかするとスヌーカや米軍によって処分されたガルシア達の中にも28号みたいな心優しい奴がいたのかもれないね。

ガチで鬼龍と米軍クソすぎない?


◆余談

そういうの(もう)やめませんか、週プ・レさん。
たまに月曜のKindle版更新サボるの。

実際こういう更新作業って予約機能みたいなモンないんですかね?手動?
Amaz〇n…週プ・レ…S社…一体誰のせいなんだ?


◆次号予告

次のプレボNo.51は12月2日月曜日です。


出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第397話