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【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.396 涙の理由

悪魔王子はようやく黒龍になり天に昇ったのに龍星は最初から天空にいる白龍なんだよね、ずるくない?


◆前回までのあらすじ

悪魔王子は龍星から完全な無の境地に至っていないとはいえ灘神影流・秘中の秘「菩薩拳」を2発食らい大ダメージを受けてしまう。死闘の御前試合、闘いの流れは突然変異の心臓とG-28のサポートを受ける龍星の方に傾き始めたが、それでもなお不屈の精神で立ち上がる悪魔王子。勝敗の行方は!?


◆飛翔の時…

龍星の菩薩拳を2発受け、相当なダメージを負って仰向けにダウンした悪魔王子だが、いかなる地獄も耐え抜いた不屈の精神力にて立ち上がる……すべては"悪魔"から"龍"へとなるために。
一方、龍星も相応の手応えは感じていたが、今の自身の未熟な"菩薩拳"では悪魔王子を完全に轟沈するには至らないと察していた。

地底の深淵から黒龍が舞い上がる
天空から白龍が舞い降りる

悪魔王子を黒龍、迎え撃つ龍星を白龍に見立て、いま再び両者が激突する。

悪魔王子ってここに来てようやく"悪魔"から"黒龍"にジョブ・チェンジできたんスけど龍星は最初から白龍なんスね。
一応主人公とライバル・キャラの格差の悲哀を感じるんだ。普通ならポジション的に逆でしょ逆。

加えて今週はやたらこの🐉黒龍くんと🐉白龍くんの描写に気合入っていて謎に作画コストがかかってそうなんだ。これもまた素材ストック行きだろうけど、果たして今後使いどころはあるのだろうか?

(小学生のドラゴン裁縫セットとコラボしろ…鬼龍のように)


◆白龍VS黒龍

白龍は黒雲を呼び雷を起こし、黒龍は地を割き揺り動かす(両者ひこうタイプだから白龍ノーダメなんスけど…いいんスかこれ)、相対する二匹の龍による闘いは

どちらが"本物の龍"なのか己の意地と誇りと存在を懸けて相食むッ

凄惨なものであった……。

🐉そ…そんなもんどうぞご勝手にって感じなんですけど←この龍星の台詞、マジで以降の展開の足かせになってるよな。

龍星は別に龍を継ぐことにモチベーションないのに強制的に白龍化させられてシン・ドラゴン・インヘリタンス・バトルの土俵にあげられてるのが恐ろしい(悪魔王子「これは真の龍をめぐる戦いッ」→龍星「御前試合に呼ばれたから闘ってるんだけど」)。

こんなにも"龍を継ぐ男"という称号(蔑称と言うてくれや)がみんなが嫌がってなりたがらないものじゃなかったら割と熱い展開なんだけど、冷静に考えても主人公(と宿敵)の父親を継ぐというイベントがここまで煙たがられてるの珍しい気がする。

ちなみに五行思想における五竜・五情の対応だと白龍は【怒・悲】、黒龍は【哀・恐】を示しているらしいよ。イメージ的にもこの2人にピッタリ。

これに関しては猿渡先生が結構意図したものっぽいかもね。じゃないと龍星のこと急に白龍とか言い出さないと思うし。


◆相打ち

前回とは逆に今度は龍星が悪魔王子へ対して飛び掛かる。それを迎え撃つべく悪魔王子の拳が放たれ、同時に龍星の飛び膝蹴りも炸裂。

ブオッ
ドッゴッ

会場に轟音が鳴り響き、悪魔王子がモロに膝が顔面に、龍星は左ボディにカウンターのストレートがヒットし両者相打ち。
しかし、ボディに痛手を負いながらも踏ん張っている龍星に対して悪魔王子は再びダウンしてしまった。この状況、あの男・・・に試合を解説している謎の男は先ほどの悪魔王子の迎撃は有効打になっていないと推測し、熹一も普段の悪魔王子ならあんな大技を食らうはずがないと思っていた。

効いてる…効いてるぞっ(ヨッちゃん書き文字)。
なんや急に龍星が優勢になりましたね。

悪魔王子は序盤に余裕ぶっこいて被弾し過ぎたツケが回ってきたと考えられる。キラー・ジョウの攻撃も食らいまくってたし、本来はスピード・キャラのはずなのに闘い自体はプロレス(受けの美学)すぎるんだ。

・これまでの被弾
肝臓打ち、側頭部への飛び蹴り、菩薩拳×2、飛び膝蹴り……タフって言葉は悪魔王子の為にある。
……スリッピング・アウェーと防弾体躯は荼毘に付したよ。


◆強気の挑発

被弾した脇腹をおさえ、若干フラつきながらも
龍星「な…なんか不思議なんですよね あ…あれほど悪魔王子に対して"恐怖"をもっていたのにあまり感じなくなった」
悪魔王子「なにっ」

悪魔王子に前ほどの恐怖感を感じなくなったと強気の挑発を行う龍星。むしろ今、恐怖を感じているのは悪魔王子の方であり…実力的には自身の方が上なんじゃないかと思えてきたと挑発を重ねる。

龍星
(*^◯^)不思議ですね。
(*^◯^)あれほど大きく恐ろしく…絶対に超えられない存在だと思ってた悪魔王子さんが今は格下キャラに見える。
※突然変異の心臓&G-28のサポート有

悪魔王子
なにっ(*`◯´*ꐦ)

龍星がイキリ病に再発症してしまった。
龍ちゃん…あんた突然変異の心臓とG-28のサポートが無かったら既にこの試合何回か死んでると思うんスけど、ええんかこれで?

なんや課金アイテムでイキっとるみたいやのォ(辛辣)。

でも個人的にこういう龍星の不遜な物言いは好きだったりする。浄化後に熹一とギャグやってる今のキャラもいいんだけど、前作主人公である熹一との差別化という点では初期や闇落ち後の龍星の方も魅力的に感じるんだよなぁ(パワーソースが後付け臓器じゃなければ…)。


◆克服する恐怖

悪魔王子「何故 お前ごときに"恐怖"しなければならんのだ」←この台詞若干ラオウ味を感じる。そろそろ相手のことを「うぬ」とか呼びそうなんだ。
悪魔王子は思いあがるのもいい加減にしろと苛立ちを隠せない様子で立ち上がり、死ぬまで癒えない"絶対的恐怖"を刷り込むため……再び龍星に向かって攻撃を仕掛ける。
お得意の左右コンビネーションは難なく龍星に躱されるが、上半身に意識を向けさせたことで強烈な右ローキックがヒット。
痛みで一瞬動きが止まったところに左のハイキックがハード・ヒット……したかのように見えたが、龍星は蹴りがヒットするギリギリのところでタイミングを外して受け流しており、ダメージを最小限にしていた。

龍星…つ…強すぎる……。
悪魔王子がダメージの蓄積と精神面で冷静さを欠いているのもあるけど一気に闘いの流れが龍星側へ傾きましたね。攻撃食らっても実は「効いてないよォ」は悪魔王子の十八番だったのに龍星に完全に奪われとる。

今週の龍星はガルシア・パワーでスペックにブーストかけてレスバで相手を煽って冷静さを失わせる……実にクレバーな闘い方なんだ。

そして、この期に及んで悪魔王子はブチキレながらも
「夢でもうなされ」「朝起きても震えが止まらない」「闘ったことを一生後悔する」"絶対的恐怖"を刷り込むとか言っててちょっと可愛い。

そこは「〇す」とかじゃないのん?


◆哀しみの涙

だが、悪魔王子の蹴りを受け流した龍星の目にはわずかだが涙が浮かんでおり、その場から後退して悪魔王子と距離をとり、その心中を語り出す。
龍星「人間は"恐怖"を感じてる相手と闘うもの 相手が強いから闘うんだ」
龍星はこの闘いが始まった時、父親である鬼龍を嬲り殺しにした悪魔王子を絶対に許せないという怒りに囚われていたが、
龍星「怖くもない相手となぜ闘わなきゃならないんだ?闘う意味があるのか?と"ガルシアの心臓"が泣いている」
自分の中にいるG-28(ガルシア)の想いを受けて、涙を流しながらこの闘いの意味を問う……龍星にとって恐怖の対象で無くなった悪魔王子はもう仇敵ではない!?

(*;◯;*)龍星&G-28「「この闘いに意味などあるか?」」

確かに龍星側からすると馬鹿馬鹿しい闘いだけどね、悪魔王子側にとってはこの御前試合に自身の安全保障が関わっているから命がけなんスよ。

そもそも龍星&熹一が「ホワイト・ナイト・バトル?アホらし…そんな大会参加せんわ」ってスタンプの誘いをブッチしてればハナからこんな騒動に巻き込まれなかったんだよね、すごくない?(それはそれで鬼龍おじさんが無理やり巻き込んできそうだけど

◆超越の涙…!! ← G-28との共鳴以外に菩薩拳を打ったことで無の境地に入りかけてるのも影響ありそうっスね。
次号、どのような結末が…!? ← ト・ランプでいうジョー・カー並みに便利な文言。


◆まとめ

……リカルド戦でも龍星の涙展開あったし、
これはひょっとして悪魔王子との和解ルート…なのか…?

ぽっとでワザ以外だと龍星の手札は精髄破滅拳か無の境地に至った完全な菩薩拳くらいしかないからこのどっちかでシメな気がしますね(潜隠爆破脚くんどこへ!!)。で、試合はなんやかんやいい感じで終わるけどヨシフおじが「使えんクズめっ」って悪魔王子が射殺されて哀しみの別れ……みたいな展開になりそう(これだと悪魔王子カワイソすぎるが)。

救いがないけどガンダム・シリーズの強化人間よろしく、タフ・シリーズのガルシア・クローンも全員死ぬのは既定路線っぽいんだよなぁ。

まぁ 取り敢えず御前試合はボチボチ終了で残りは
・鬼龍関連
・ボリスの復讐
・R国側の動き(あの男・・・/ヨシフ)
・米国側の動き(スマイルジョー/スタンプ)
・悪魔王子の運命
・灘メンバーの動き(龍星/熹一/静虎)


……まだまだ厄介なイベント盛りだくさんやな(恐れ)


◆余談

何気にあとちょいで400話っスね。


◆次号予告

次のプレボNo.50は11月25日月曜日です。


出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第396話