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【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.366 襲撃後のゴング

俺たちは二人で一人のフィクサーだ。
(最近の"あの男"は○ー〇〇大統領にあんま似てなくて助かります)


◆前回までのあらすじ

ホワイト・ナイト・バトル第8試合。意気揚々とリングに向かう熹一だが、暗闇の通路で突如、謎の3人組の襲撃を受け、テーザー銃の電気ショックで気を失ってしまう。一方、裏でそのような事件があったことを知らない観客は試合開始の時間になってもリングに現れない熹一にヤジを飛ばし、会場は異様な雰囲気に。あわやルスランの不戦勝……というところでギリギリ間にあった熹一。しかし、その表情は苦痛で歪んでいた。


◆襲撃後のゴング

司会「地元の英雄と観客を待たせるだけ待たせて いま宮沢熹一選手が入場」
ただでさえアウェーな環境で、裏で襲撃を受けていたと知らない観客は「日本人をぶったおせ」「一瞬で倒すんじゃなくてなぶり殺しにしてやれ」と遅れてきた熹一に対して暴言の嵐、完全な悪役状態。

なんじゃあ この野蛮な大会はーーーっ (ギュンギュン)
司会の言い方もあんまり過ぎるわ。
"普通の読者(?)とマネモブを待たせるだけ待たせて いまプレボが発売"
いくら他国の選手とはいえ、明らかにコンディションが悪そうなんですが、誰か疑問に思う人はいないのん?
R国民アルコールで頭やられとるんとちゃうか?

完全アウェーの状態の中、一旦リング裏に下がった熹一を心配して龍星が駆けつける。熹一は自身が襲撃された事、あばら骨が何本かいかれたことを伝える。龍星は医務室で治療を受けることを勧めるが、それでは試合に出られないと拒否する熹一。

テーザー銃のしびれで身体が動かないとかではなく、気を失っている間に痛めつけられたのか。気絶してる相手の肋骨だけ痛めつけるなんて、あの襲撃犯……器用やな。
悪魔王子の闘いで脇腹を痛めスタンプに後れをとり、今度もまた肋骨か……最近の熹一は肋骨にダメージ負い過ぎや。

せっかく仕上げた防弾腹筋が全然役に立たないのん。


◆負傷の痕

左わき腹が大きく腫れるほどの負傷を隠してリングに上がる熹一。声援は全てルスランに対してのみ。完全アウェーの中、熹一は
熹一「い…いくら国威発揚こくいはつよういうてもやな…やり方が露骨でエグすぎるわ」
ルスラン「なんのことか知らんが…数秒後には黙らせてやるよ」

悪態をつくが、ルスランは今回の襲撃について知らない様子。そして、圧倒的に不利な状況の中、レフリーによる試合開始のゴングが鳴る。

前話の感想でも書いたけど、やっぱりルスランの認知しないところで裏工作が行われていて、彼はR国の「作られた英雄」である線が濃厚になりましたね。まぁ、この漫画はタフなので「やっぱ悪人にしよっ」的なノリで唐突に悪玉すべりするから安心できないけど、今のところはシロということで。

あとは前回・今回と熹一は右わき腹を苦しそうに押さえていたのに、試合開始時には左わき腹が腫れ上がる謎現象には目を瞑ることにしよう。
熹一「アハハ……めっちゃ右わき腹痛いわ…あっ 後からなって左わき腹の方が痛なってきた)」
↑こんな感じで両わき腹負傷してて先に左の腫れがきたんやろ(適当)


◆テルモピュライ・チーム・コンバット

鬼龍「700勝無敗って幼稚園児に勝ってもカウントしてるのか?」
一方VIP席では鬼龍がヨシフに、ルスランのイカれた戦績に対して「盛ってるだろ?」と馬鹿にしたように問いかける。

ここの鬼龍おじさんの素朴なツッコミちょっと草。
年間20試合を全勝でも30年以上かかるし、確かに幼稚園児やその辺のマネキン・モブとの勝ちも含めないと土台無理な話なんだよね。

しかしヨシフは、ルスランの戦績は一見ただのハッタリに見えるようだが、それは紛れもない事実だと言う。その根拠としてルスランは練習も含め、いつも一度に複数人相手に闘っているらしい。R国独自の新格闘技 "テルモピュライ・チーム・コンバット"の選手として。

「テルモピュライ・チーム・コンバット(T・T・C)」
長方形の特製リングで4対4で戦う新格闘技。
レフェリーはリング外にいて5分1ラウンドで1人ずつ対戦し、勝てばそのまま次の選手を相手にする勝ち抜き戦。

~なぜなにテルモピュライ・チーム・コンバット~

ルスランはこの格闘技において相手をすべて1分でKOする最強選手、つねに複数人と闘うことで勝利を積み重ねてきた。700勝無敗は嘘ではなかった。

つまりT・T・Cの1試合で4勝分稼いでいたってこと?
結局年間通してアホみたいな数、勝ちまくってるのは変わりないじゃねーかよ えーーっ
単純にタフすぎんかルスラン。
ルール詳しく知らんけど4人倒したら1勝ってカウントじゃないのん?

ふうん、団体戦のようで団体戦ではないということか。

しかも実在する格闘技だし。猿渡先生、異国の新しい格闘技にもアンテナはってるのは流石ですね。
最初は全員リング内にいる意味あるか?と思ったけど、これはこれで観てる分には楽しそう。リングが狭いから必然的にコンタクトも増えるし、ワンチャン最後の一人が全員なぎ倒す展開もあるわけでしょ。
灘VSバスターズとかでやってほしいっス。

観客の声援を受け、ルスランは先制の左拳を打ち込む。
ギリギリのところで躱す熹一だが、動くたびに肋骨に激痛が走る。痛みで動きが止まったところに右の膝蹴りが腫れ上がった左わき腹にクリーン・ヒット……肋骨にヒビが入る。

ア…アカン……くっそ苦戦してるわ。
これ試合に勝っても当分熹一 闘えないっスよね。今後の展開のため、こうやって自然と熹一を戦線離脱させる流れか。
味方に最強キャラいると扱いに困るから仕方ないね。


◆真の黒幕

そんな熹一の試合を観ながら、鬼龍はターゲットである"あの男"はいつこの会場に来るのかとヨシフに尋ねる(露骨過ぎて狙ってるのバレバレにならんか?)。だが、そんな鬼龍の思惑を見透かすかのように……
ヨシフ「あの男・・・に何を期待している?あの男・・・と私はコインの裏表…あの戦争・・・・あの暗殺・・・・もすべては私の策略」
鬼龍「なにっ」

~ 表 の 人 間 を コ ン ト ロ ー ル す る の は い つ も 裏 の 人 間 だ ~

なんと、これまでR国がおこなってきた戦争も、反体制派の主要人物の暗殺も、すべてはヨシフの策略であったことが明かされる。

う あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ (PC書き文字)

ここに来て黒幕すべりだーーーーっ!
そして禁断の指示代名詞(あの・・)4度打ち。
もはやボカしすぎて訳わかんねーよ。

読んでて思わず鬼龍おじさんと同じ反応したよ。
散々"あの男"を愚弄し、倒すべき敵として設定したR国編がここにきてオリキャラが真の黒幕という展開に。久しぶりに見たぜ、猿渡先生の闇のフィクサー症候群。
鬼龍が"あの男"を倒すために利用しようしていた目の前の男こそが倒すべき真の黒幕だったのかあっ。←すんげぇ展開だよマジで。

やっぱ いくら龍継みたいな漫画とはいえ、R国で現職の大統領である"あの男"を〇す展開はS社的にも不味かったんですかね?

編集「それ(〇ー〇〇大統領を〇すの)はダメだろ(ガッ」

まぁ今更 高度な政治的判断でオリキャラであるヨシフおじさんをすべての黒幕にしても、それはそれで"あの男"が裏の人間の傀儡で無能な言いなりという愚弄になってるんやけどな ブヘヘヘヘ。

何にせよ、手遅れになる前で良かった(もう手遅れかもしれんが)

◆最悪の黒幕…!? ←最後のコマが最強の2人っぽい。問題児二人 ひたすらに迷惑。
次号、手負いの熹一は…!? ←編集と龍星だけだよ、熹一の心配してくれるの。


◆まとめ

分からない……この漫画がどこに着地しようとしているのか分からない。
闘いも展開も黒く濁ってすべてがぼやけて見えます。
ここにきてヨシフおじさんが黒幕すべりするとは。最近のヘイト貯めはこのためだったんですね。点と点が線で繋がりました。
せっかく"あの男"を倒すためにヴィクトル・グループに乗り換えたのに、真の敵はすぐ横に……鬼龍おじさん(とボリス)もビックリだね。

ヨシフ「すべては私の策略」
鬼 龍「えっ!?(龍を継ぐ男の条件に"あの男"の討伐を加えたんだけど)」
ボリス「えっ!?(何か勘違いで"あの男"襲撃したみたいでムカつくんスけど)」

ボリスが一番哀れですね。

R国展開で倒すべきボスキャラに据えられているのに、一向に"あの男"呼びでボカされていて、台詞も「ファ~ 眠い」しかないし、明らかに扱いが異質だったので、コレどうするんだろ?と思っていたらまさかオリキャラを真の黒幕にするとは……予想できなかったです。白鯨絶対カマセになると思てた。
あっ、でもまだ自分が影で操っているつもりで、実は"あの男"の手のひらの上で転がされているって展開もありえなくはないですね。そうなってくると鬼龍が"あの男"と組んでてヨシフおじさんをハメようとしているとか、いくらでも引き伸ばしできるんだ。

やっぱし便利スね、鬼龍おじさんは。


◆余談

ホワイト・ナイト・バトル編始まってからの龍継マジでやばくないっスか?
今のところ相手が「サーカスから脱走した象」「ヤク中ハルク」「テーザー銃」「じも民の英雄」っスよ。一体どうなっているんだよ……。
そもそも日本で寂れた古武術やってるオッサンと青年が何故、国家間の争いやPMCの闇のフィクサーの策略に巻き込まれないといけないのか?

この後に控えているスタンプと悪魔王子の闘いでパンチの効いた展開頼む。


◆次号予告

次のプレボNo.11は2月26日月曜日です。


出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第366話