【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.382 静虎の助け
毎週感想伝を書き始めて約1年……時が経つのは早ぇなぁ。
◆前回までのあらすじ
R国の工作員によって拘束された鬼龍。ついにあの男との邂逅を果たすが、扉越しでの会話のみでその姿を見ることは叶わず、スタン・ガンで再び意識を失ってしまう。
熹一と龍星は鬼龍がそんなことになっているとは露知らず、急遽組まれた龍星と悪魔王子によるスペシャル・マッチを通達される。闘いに向けて意気込む龍星……そして、そんな2人の元へ向かう静かなる虎の姿が。
◆R国上陸…!!
~ モスクワ・シティに(何故か)すごく似ているエリア ~
空路にてR国への入国を果たした静虎。以前この国に訪れたことがあるのか、近代的にずいぶんと様変わりした街並みに感嘆するが、
静虎「(…けど 中身はそんなに変わらないのかも)」
外面に対して中身、国そのものの本質は変わっていないようだと内心感じ取り、その場を後にした。
どの世界にも通じることやが……中身のない奴が虚勢を張る。
静虎による初手R国愚弄。猿渡先生、初っ端から飛ばしてるな~。
口振りからして静虎はR国への渡航経験あるみたいだけど、OTON外伝みたいにボディ・ガードの仕事で世界中飛び回っていたのかな?結構ワールド・ワイドに仕事しているんだなぁ。
◆この国の事情
一方、2度目の"あの男"暗殺に失敗したボリスは追手から逃れるためにある集落に身を潜めており、次なる行動のために鬼龍に何度も連絡するが繋がらず、途方にくれていた(最後の連絡から「さあ行きましょうね」展開で鬼龍が2度気絶しているから最低でも1~2日は放置されていそうなんだ)。
そして、ついに鬼龍からの連絡が来る。
ボリス「ミスター鬼龍 今どこにいるんだ?何度も連絡したんだぞ」
長らく連絡が取れなかった理由を聞くが「いろいろあってな」と、どこかはぐらかした様子。
ボリスは鬼龍と会話しながら集落内の貧困に苦しむ住民の姿を見て、早くあの男を始末しないとこの国がどんどん貧しくなると警鐘を鳴らす。
ボリスこそがR国を愛していた…すべては亡き妻と子、そして祖国ためだった。
ボリス優し過ぎるんだよね。それにこの期に及んで鬼龍のことをまだミスター付けていて呼んでいるあたり愚直な男だよなぁ(利用されているだけなのに)。この男を復讐の鬼に変えたあの男とヨシフおじさんホンマええ加減にせえよカスが(暴言を超えた暴言)。
しかし…体質のせいとはいえ、雪がガンガン降っているR国をタンクトップ姿で練り歩くのは中々にシュール。不審者として怪しまれないのか?
そんなボリスに訴えに対して、
鬼龍「いよいよ決行する 一週間後御前試合がある」
今から一週間後に悪魔王子対龍星のスペシャル・マッチが大統領府がある大宮殿内(絶対クレム〇ン宮殿でしょ……)で行われ、その場に必ずあの男が現れることを掴んだ鬼龍は計画の実行を伝える。ボリスはいよいよあの男を打ち倒すことができると復讐心に燃え、持っていた携帯を握りこみ破壊した。
いよいよ(3度目)。
正直、S地方での襲撃より警備ガチガチの大統領府のほうが暗殺が難しいと考えられる。また
「影武者か…」
暗
殺
失
敗
「 ファ~眠い」
展開だったらどうしよう。あんな簡単に女性工作員に不覚を取る鬼龍おじさんの計画なんて信用できないんだよね……そういえば、現在進行形で拘束中のはずの鬼龍が何故ボリスに連絡できたんだ?←次のページですぐに分かります。
◆罠
護衛「はい ごくろうさん」
かざしていた鬼龍のスマホを切るあの男の護衛。なんと、先ほどまでのボリスとの通話はすべてR国側の指示。両腕を椅子ごと拘束され、銃を向けられながらボリスを誘き出すだめに連絡を取らされていたのだった。
ダサい…ダサすぎる…ダサさの次元が違う。
前回の感想でボリスの情報をあの男へ売らなかったことに関心していたのに今週あっさり売ってて酷い。普通こういうときのためにボリスにだけ伝わる秘密のメッセージとか仕込んだりしないんですかね?
◆逃走
銃を向けていた護衛は用済みとなった鬼龍を始末しようとするがその瞬間、思い切り床を蹴り椅子ごと跳躍、そのまま両足で護衛2人の蹴り上げた。両腕を拘束していたインシュロック(いくら鬼龍おじさんが弱体化したとはいえ拘束具がショボすぎるだろ……)を強引に引きちぎり、
護衛「逃げたぞ 鬼龍が閣下の愛車を奪って逃走だあ」
館に停めてあったあの男の愛車を奪って逃走。九死に一生を得ることになった。
逃亡までのスピード感で草なんだよね、2ページでピンチから脱出してるよこのオッサン。
いつも銃で殺されそうになると大幅にバフがかかるのは単に限界ギリギリのピンチを楽しみたいだけなのか……。
それに他の車でもいいのにわざわざ「あの男の愛車」を奪っているところにモンキー・エッセンスを感じる。あの男は敵だが少しだけ応援したくなった(スタンプ書き文字)。
……こんなに簡単に逃走できるならなんでボリスに連絡する前にやらなかったったんや?
まぁ 逃亡後に再度連絡すればいいだけか。良かった、鬼龍おじさんのせいで死地へ向かうボリスはいなかったんだ。
しかし、今週の鬼龍おじさん一目散に尻尾を撒いて逃げているけど今も館にあの男がいるなら何故襲撃しなかったんだろ?せっかくあの男の喉元に近づいたのに愛車奪って「逃げるっ」だけなんて昔のおじさんからしたら考えられないんだよね。もしかすると龍を継ぐ男のトロコン条件だから自分で直接手を下す気がないのかな?う~ん、鬼龍の目的がいまいち分からん。
■ あの男の愛車
Ninja 1000SX(約150万)→ブガッティ・シロン(約3億)
鬼龍のモビリティが再び高騰化。
てかこのブガッティ・シロンって過去に鬼龍が乗ってて米軍に大破させられたやつじゃないっスかね?(龍を継ぐ男18巻203Pあたり)
ふうん、鬼龍とあの男って車の趣味が合うんだな。
◆決戦前の準備
~ 赤の広場にすっげー似ている場所 ~
(熹一がへばっているコマは「ミーニンとポジャルスキーの像」から「ロシア国立歴史博物館」を見た角度っぽい)
静虎の入国、鬼龍の拘束からの逃亡と裏で様々な出来事が起きている中、龍星と熹一は悪魔王子との決戦に向けて走り込みのトレーニングを行っていた(龍星はいつまで眼帯無しなんだ?)。龍星はあと10キロ追加で走り込みとしようと提案するが、すでに体力の限界で息絶え絶えの熹一は勘弁してくれと懇願する(そもそも肋骨折れてるんだよね、ギブスどこへ!!)。
昔は丸一日走って神戸・大阪間を行き来しても平気だったのになぁ。←お前は老化しないのか、今は数十キロの走り込みで限界なんだよ…あと肋骨も折れてるんだよ。
技術はともかく体力は明らかに衰えている熹一に中年の悲哀を感じますね。熹一がまだ30代くらいだとしても静虎や鬼龍はそれより年が上の時にイカレた身体スペックしてたはずなんだけど。
タフって言葉は龍継のキー坊の為にない。
龍星「あの車を撒きたいんです 熹一さん知ってますか ずっと尾行てるんです」
実は龍星が全力で走り込みをしているのは、R国滞在中の間ずっと自分達を監視しているホワイト・ナイト・バトル運営からの使いであり、R国の元スパイであったパヴェルを撒くためでもあった。
熹一は停車中のパヴェルの車に近づき、
熹一「並走も尾行も似たようなもんやろ 仲良く一緒に行こうや」
仕事熱心やな煽り混じりに言い、一緒に車に乗せてくれと挑発する。そんな熹一の挑発に対してパヴェルは冷静に「それはできません」と言い、その場から逃げ去る。
バレバレの尾行、これがR国の元秘密工作員でいいんスか?
(いっつも同じ車で尾行しているし)
一応監視しているぞって釘刺しているだけならいいけど、あんまり意味があるとは思えないっスね。スタンプはともかく、熹一と龍星に関してはR国にとってほぼ無害な存在なんだし……そういえばスタンプは?
◆静虎合流
そんなパヴェルとのひと悶着の後、彼と入れ替わりで2人にスーツケースを引きながら近づいてくる影が……
静虎「久しぶりやな熹一 龍星」
熹一「お…親父ッ」
2人のホワイト・ナイト・バトル参加に際し、当初は日本に残っていた静虎が龍星をサポートするために合流。依然として日本からR国へは渡航禁止となっているが、2人の時と同じくスタンプ(米国)が外務省に圧力をかけた模様(安定の米国と日本政府の力関係…忠犬としての悲哀を感じますね)。
久しぶりやな(「拳の魂」から407日経過)。
いや本当に久しぶり。読者視点だと1年以上猿空間に幽閉されていたから懐かしいを超えた懐かしい。
でも熹一や龍星視点だと静虎って何日ぶりの再会なんだろ?R国へ渡ってから数日でホワイト・ナイト・バトル始まったように見えるし、大会自体は1日で終ったから、悪魔王子との対決間近を考慮し1週間経過で大体2週間くらいなんかな?久しぶりってほどではない気がするね(1カ月前のホワイト・ナイト・バトル参加表明の時点ですでに別行動だったのかもしれん)。
今回、静虎がスタンプのこと「スタンプさん」って呼んでいたけどいつの間に面識があったんだろうね?355話と356話の空白の1カ月の間に何があったかすげー気になる。
あと、静虎の台詞コマの中に登場する「かんたんスタンプ」ちょっと可愛い。もう猿空間へ吸い込まれかけなのに定期的に存在感を示すスタンプ……もしかするとこの後にまだ大きな出番があるのかもしれない。
◆ヨシフの命令
前回に引き続き、密会を続ける悪魔王子とヨシフ。ヨシフは悪魔王子に人殺しが出来るのかと問いかけ、悪魔王子は龍星のことかと聞き返すが、
ヨシフ「違う…鬼龍を殺せ」
鬼気迫る顔で自らの親を殺せというヨシフ。果たしてその真意は…!?
すみません、殺ろうと思えば先々週の「さあ行きましょうね」展開で殺れてましたよね?
恐らく自らの親を殺すことでR国への忠誠心を示せ的なことだと考えられるが、あの悪魔王子が素直に従うとは思えない。むしろ鬼龍と裏で一芝居うっているってパターンも……いや、それはないか。あの男に近づくための作戦とかでもなく普通に女性工作員に不覚を取っていたし、R国編の鬼龍おじさんは基本後手後手なんだ。
◆悪魔がもう一人…!? ← もうこの作品「悪魔」だらけ。
次号、悪魔王子はどう出る…!? ← どうもこうも取り合えずは御前試合でしょ。
◆まとめ
白鯨「ハーーーッ 鬼龍よ 死ね!」
読者「ハーーーッ 鬼龍よ 死ね!」
◆同調する想い…
別にボリスの誘き出しや鬼龍の逃走はどうでもいいんだよ。
問題は…鬼龍&ボリスという明確に"あの男"の命を狙っている奴らが野放しになっているのに御前試合にノコノコでてくるわけがないということだ。
(ノコノコ出て来そうですね、ハイ)
予想はできていたけど繋ぎ回を超えた繋ぎ回。すで静虎がR国に来ることが判明していたので今週は鬼龍が逃走する以外話に進展がないんだよね。
鬼龍逃走は意外とあっさりだったし、サド看守展開や静虎が助けるとか色々と引っ張るかと思いきや、2~3ページで即解決だよ。
それでも2度の気絶の間にあの男(R国側)に生殺与奪の権を握られているから今生きているのは完全に相手の気まぐれ。
もうタイトルは「TOUGH外伝 運だけで生き残り続ける男」にした方が良いと考えられる。
こっから龍星対悪魔王子の裏でボリスや鬼龍の暗躍が同時進行するみたいだけど、いよいよR国編最終章って感じですね。
流石に中断で終わりってなると興ざめだしこの対決にはしっかりと決着をつけて欲しい。
あと、悪魔王子って人の命奪ったことないのん?あんなに凶悪なのに。
画面外でモブめっちゃ殺ってそうに見える(勝手な偏見)。
現状、読者目線だとボリスの方が悪魔王子よりキルレ上とか何かのバグでしょ。
◆余談
・最近の鬼龍の蔑称
「弱き者」→「臭き者」になってるの酷過ぎる。
・螺旋タワー
静虎が見ていた螺旋タワーはエヴォリューション・タワーって言うんですけど名前クッソかっこいい。
R国「虚栄?エヴォリューションしたというてくれや」
・クレム〇ン宮殿
スペシャル・マッチはオリンピック・スタジアムではなくクレム〇ン宮殿なんですね。ここで鬼龍やボリスがドンパチ始めるとなると、ちょっとだけミッション:インポッシブル味を感じる。
M:Iシリーズの最高傑作はゴースト・プロトコルだと思っているけど、物語序盤でクレム〇ン宮殿が吹き飛ばされるのヤバすぎを超えたヤバすぎ。今だと絶対できませんね。
TOUGH外伝:龍を継ぐ男
ゴースト・プロトコル
◆次号予告
次のプレボNo.32は7月22日月曜日です。
合併号…糞。
出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第382話