【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.389 顔面一閃
うわあああ やめろーーーっ!
今さら静虎をパヴェルなんかに苦戦さすなーーーっ!!
◆前回までのあらすじ
互いに"幻魔拳"が決定打にならないと分かり、泥臭くシンプルな技の攻防へと移行する龍星と悪魔王子。銃撃戦のような打撃の応酬を繰り広げ、ついにボディ・ブローの相打ち…凄まじい打撃音が場内に響き渡り、悪魔王子は右、龍星は左の腹部にかなりのダメージを受けてしまう。
そして、静虎はそんな2人の闘いはまだまだ長引くことを予想し、セコンドを熹一に任せて鬼龍の生存確認へと向かう。K大宮殿内の廊下を全力で走る静虎であったが、そこにホワイト・ナイト・バトル運営の使いパヴェルが立ちはだかる。何やら静虎に対して因縁があるようだが……。
◆2人の関係は…!?
前回、生死不明の鬼龍の下へ向かった静虎だったが、そこにR国の元秘密工作員でありホワイト・ナイト・バトル主催側の使いパヴェルが立ちはだかった。静虎に一方的な因縁があるようで、携えたメリケンサック・ナイフを構え戦闘態勢に入る。だが静虎にはパヴェルに対して一切の面識がなく、自分は鬼龍の生存確認がしたいだけだと無用な闘いを避けようとするが、
パヴェル「ライブ映像見たでしょう あの方は天国…いや地獄へ召されていきましたよ」
貴方達が映像で見た通り、鬼龍は死んだと言って聞く耳持たず。静虎は脱いだ上着を左腕に巻き付けてやむを得ず戦闘開始。
タフ・ワールドにおいて「鬼龍」と「アイアン木場」は地獄行き確定だと考えられる(他にも一杯いるけど)。
まだパヴェルがはぐらかしてる説もあるけどヨシフおじさんとパヴェルは鬼龍をガチで始末したと思っているっぽいからR国側が悪魔王子を試すために鬼龍の影武者を用意して自作自演している線はかなり薄くなった気がしますね。やっぱりこれ、ヴィクトル・グループ抜きであの男と鬼龍が繋がっていて死を偽装しているんじゃないっスか?
鬼龍があの男の愛車を盗んで逃亡した後に再キャプチャーされるのは流石にアホすぎるし、前回からあの男に試合の解説をしているのが突然変異の心臓を売り込んであの男の信頼を得ようとする鬼龍の策略って考えるのが一番収まりがいい気がする。
パヴェルは静虎に対して鬼龍の生存確認より、自分のことを覚えていないことがショックで寂しいかぎりですよ……と、静虎に自身を思い出させるために襲い掛かる。
パヴェル「二度と私のことを忘れないようにその身体に刻み込んであげますよっ 」
なんか静虎がヤンデレに粘着されてる主人公みたいになっているんスけど、いいんスかこれ? パヴェル=ヤンデレ・ヒロイン説。
しゃあけど、おじいちゃん♡おじいちゃんで絵面が最悪やわ。
◆逆恨み
パヴェルの高速ナイフ捌きの前に苦戦する静虎。左腕に巻き付けた上着を即席の防刃グローブとして利用し防御に徹するが、パヴェルのナイフで何度も切り刻まれ、着実にボロボロになっていく。静虎はたまらず、
静虎「いい加減にしてくださいっ」
攻撃の隙をついて虎腿による蹴りを放つ…だが、パヴェルはそれを見切ってカウンターの刺突、静虎の防刃グローブはより深く抉られる。
パヴェル普通に強くて草。
でも前回宣言した「ほんの20秒もあれば済みますから」が早々にオーバーしとる……まぁどうでもええか。
絶対20秒で逆に瞬殺されると思っていたのに蹴りを躱してカウンター入れるってすご過ぎでしょ。静虎の蹴りって悪魔王子でも普通に食らうのに。今週の描写だけみると今の鬼龍おじさんより強そうなんだ。
静虎も加齢で衰えているとはいえ、見た目的にはパヴェルの方が年上だろうし……どうなってるんやこのオッサン?
一旦お互いに距離を取り、パヴェルは静虎の疑問に対して個人的な恨みがあると熱い自分語りをはじめる。それはパヴェルと静虎がまだ白髪も生えていない若い頃の出来事らしいが、
静虎「なんの恨みか知りませんが なぜかあなたにだけは謝罪したくない」
静虎は眼鏡を外しながら不快感を示し、そんな静虎に対してパヴェルはこれは自分の一方的な逆恨みであり、静虎は一切悪くないと語る。
「タフ外伝 おとん - OTON -」2巻の山田一郎みたいに一方的な因縁で付け狙われているとはいえ、あの静虎が相手に対して「なんだかよく知らんが貴方には謝りたくない(`o´)」って不快感を示したのが意外なんだよね。
毎度クソみてぇな不良やチンピラ相手でも謝罪から入ってなるべく穏便に済ませようとする人なのに……。
よし、それじゃ企画変更してパヴェルの逆恨みを考察してみよう!
【パヴェルの逆恨み考察】
ふ~む、これらの要素から考察すると…
【1. 鬼龍の巻き添え 説】
「過去に鬼龍に任務を邪魔された」「パヴェルの娘が鬼龍にボボパンされた」etc…で鬼龍に深い恨みを持っており、その弟である静虎(+灘神影流)にも矛先が向かった可能性がある。鬼龍は星の数ほど方々で恨みを買っているので多少理不尽だが静虎に身に覚えがない事とも矛盾が無い。
……まぁ既に本人(鬼龍)がサンドバッグで一応死亡したんだから溜飲を下げてくれよと言いたくなるけどね。
【2. 鬼龍の変装を勘違いした説】
上記の説と少し似ているが、鬼龍は高校鉄拳伝やTOUGHにて一卵性双生児であることを活かして静虎になりすましたりしていたので、静虎(鬼龍変装)と過去に対峙して敗北した事への復讐説。後々あれは鬼龍が変装したものだと判明したが、それでも静虎の姿を見て当時の屈辱を思い出し、今回闘いを挑んだ可能性がある。
この説なら"一方的な逆恨み""静虎は悪くない"の二つの条件を満たすことができるんだけど、静虎に忘れられてショックを受けたのと嚙み合わないんだよね。パヴェルの言ってる事と静虎の認識がズレてるからどこかで綻びが出るんだ。
【3. ミハイル・ミロコビッチ関係 説】
TOUGHの静虎の回想に登場した〇シア(R国と関係ないだろって?クククク…)から亡命した脱走兵・ミハイル・ミロコビッチ関係説。
ミハイルは軍内部の不正(マフィアとの癒着)を告発しようして上官を返り討ちにしてしまい、軍だけでなくロシアン・マフィアから狙わるようになった。そして、命辛辛日本に密入国して雄華組の匿われたが結局マフィアに売り飛ばされそうになったところを静虎に救われた(その後は無事猿空間送り…というか穏便なフェード・アウト)。
この時にミハイルを確保しようとした〇シア側の人間がパヴェルじゃないでしょうか?それなら静虎と直接会っていないし、任務失敗で秘密工作員としての顔を潰されて恨みを持っていてもおかしくない。また、お互いに白髪が生えていない若い頃と言っているので回想の静虎の容姿とも合致する。
もしかしてめちゃくちゃ有力説なタイプ?
【4. 山田一郎展開 説】
「タフ外伝 おとん - OTON -」2巻の最終話に「あばれブン屋」で登場した"山田一郎"という殺し屋が登場するクロスオーバー展開があって、この時に静虎(と誘き出すために巻き添えを食らった尾崎健太郎)は山田に命を狙われるんですが、その理由が過去に別の暗殺依頼で山田が狙撃しようとした時に静虎に殺気を読まれたことを屈辱に感じて自身が衰えたのか、静虎が凄まじい達人なのかをハッキリさせるために狙ったというクッソ迷惑な事情なんだよね。
パヴェルも山田一郎と同様に静虎の認識していないところでパヴェルの秘密工作員としての活動を察知してしまい、それでプライドを傷付けられたことを根に持った……かなり無難だけどこれが一番ありえそう。
負けたよ達人… パアーン>;y=( *´◯`*)
【5. パヴェル異常性愛者 説】
パヴェルが異常性愛者、またはR国内の異常性愛者向けにそういう施設を運営していて、静虎がその施設を何らかの依頼でぶっ潰したことへの復讐説。
……この記事を読んでいる人の言いたいことは分かるが、誰も馮さんの異常性愛者すべりを予見できていなかったんだから、こういうアホみたいな展開の可能性もあり得るでしょ(←あるわけないだろ!)。
他に考察があったら教えて欲しいのん。
恐らく私も含めて誰も予想を当てることは不可能だと考えられる。
???「ちょっと待っててね すぐに2人の因縁を考えるから」
◆一進一退
一方、会場では龍星VS悪魔王子の一進一退の攻防が繰り広げられていた。急所直撃の相打ちとなり、龍星は胃、悪魔王子は肝臓に被弾して互いに後退。被弾箇所的には悪魔王子の方がダメージがありそうだが、打撃の威力の違いからなのか龍星の方が苦しんでいる様子。
そのまま動きの鈍った龍星に悪魔王子が左右交互にハイキックのコンビネーションを打ち込む。
くっ…空気が違い過ぎる。
場外ではおじいちゃん×2、会場では筋骨隆々の若者×2がシバき合いしとる。あと何気に同時進行でバトルが展開されるの久しぶりっスね。1話で2つの闘いが楽しめる豪華を超えた豪華な展開。
それに幻魔無し心臓パワー無しのシラフ状態でもいい勝負してんじゃん龍星。約2年前のリカルド戦では序盤押されてまくってたけど今ならいい勝負できそうな気がする。
周師匠の教えも結構生きてるんじゃないかな?知らんけど。
……しかし、この龍星と悪魔王子の2人に全能力開放無しで優勢なリカルドって改めて考えると強すぎっスね。描写的には突然変異の心臓>全能力開放っぽいけど素の戦闘力は圧倒的だ。今はラーメン太りでどんだけ弱くなったんやろなぁ…(遠い目)。
悪魔王子の猛攻に対してじりじりと後ろに下がる龍星。だがセコンドの熹一は「苦しい時ほど前にでろ」と指示を出し、龍星は前に飛び込んでお返しとばかりにカウンターのハイキックで悪魔王子の左頬を捉える。
熹一「反応が遅れてる やっぱりレバー・ブローが効いているんや」
余裕そうな顔していた悪魔王子だが、やはりレバー・ブローのダメージで動きが鈍っているのかハイキックを躱しきれずに左頬が切れて出血する。
しっかり肝臓のダメージ植え付けられてるやん。
熹一の中段蹴りを無効化した"防弾体躯"どこへ!!
そして、このシーンの熹一の顔がゲスくて笑ってしまう。
「エロスの泉におぼれた~い♡」時並みの顔芸なんだ。
でもしっかりセコンドやってくれるおかげで龍星もいい勝負できてますね。だんだん悪魔王子の方が不利な気がしてきた。
◆疑いの攻勢
動きの鈍い悪魔王子に対して龍星は攻勢の手を緩めず、肝臓をかすめる足刀蹴り→左のハイキックを決める。ガードこそされたが悪魔王子が大きく後退。傍から見れば龍星が押しているように見えるが、当の本人は不気味なまでに大人しい悪魔王子に本当に効いているのか半信半疑。
龍星「(僕の攻撃が本当に効いているのか?)」
疑念は晴れない状態で追撃に飛び蹴りを放ち、悪魔王子の側頭部にヒット……なんと悪魔王子はそのままダウン!?
勝負は一転して龍星優勢となったが…果たしてこのまま決着がつくのか!?
"スリッピング・アウェー"
"防弾体躯"
お前たちは今どこで戦っている?
これらを使わずに悪魔王子が一方的にボコられるのは(猿渡先生が忘れていなければ)些か不自然。恐らく龍星の戦闘力の見極めと心臓覚醒モード突流のためにワザとやられたと考えられる。
それかガチで悪魔王子フラフラ状態ってありえる?
鉄拳伝・鬼龍「ガルシアは…耐久力はあるが耐用年数は短い……」
いくら突然変異の心臓を持っていてもガルシア・クローン。悪魔王子(ガルシア11号)の身体はもう限界って可能性が僅かながら存在する……か?
◆まさかのダウン… ← 「なんちゃって☆」展開か「効いてる効いてる」展開か…続きが気になりますね。これ(悪魔王子が先に覚醒)あるで。
次号、このまま幕切れか…!? ← 怒らないくださいね、こんなんで終わるわけないじゃないですか。
◆まとめ
もしかしてパヴェルって今の鬼龍おじさんより強いタイプ?
静虎との因縁を話した後に瞬殺されると軽く見てたら思いのほかパヴェル強くてビックリしましたよ。そのせいで龍星VS悪魔王子より場外のおじいちゃん同士の闘いのほうが白熱してるんだよね、すごくない?
さらにあの男とヨシフおじさんの出番減らす&不正展開がないから最近は真っ当な格闘漫画やってるんだ。ちょっと前までテーザー銃とか薬増強での闘いとかやってたとは到底思えない。
今週はストーリー自体は前回からあんまり進んでないけどバトル描写が良すぎてめっちゃ引き込まれるんだよね(猿渡先生の徒手VSナイフの戦闘シーン迫力あるなぁ)。
はよ静虎VSパヴェルの闘いの続きが見たいのォ…そしてパヴェルの逆恨みが何なのか知りたいのォ…。
◆余談
今回でタフ・シリーズにおけるナイファー(ナイフ使い)の序列が変動して
有働>パヴェル>ゴメス>ボルキア>ダーティ・ホワイト>佐渡
くらいになったんじゃないかな?
キラーちゃんのジャック"ナイフ"・エルボーは含めていいのやら……。
◆次号予告
次のプレボNo.40・41は9月17日火曜日です。
来週月曜日は祝日なのに今週が合併号じゃないの珍しいですね。
てか来週祝日か……。
クククク…まぁ普通に仕事だからどーでもいいけど。
(人生の悲哀を感じますね)
出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第389話