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【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.393 28号の心臓

ジョー・スペンサー
・国防長官
・元国務長官
・元CIA長官
元大統領暗殺未遂疑惑
・R国大統領失脚工作疑惑

全てが明るみに出た場合、後世の歴史家にとってスマイル・ジョーはなかなか考察しがいのある人物だと考えられる。


◆前回までのあらすじ

鬼龍の死を信じることができない静虎は運び出されようとしている死体袋を兵士から奪い取り中身を確認するが、そこには紛れもなく本人、痛ましい姿となった兄・鬼龍の遺体が収まっており、静虎は失意のままその場を後に。
試合の方でもついに本気を出した悪魔王子の猛攻を受けて次第に劣勢になっていく龍星。必殺の心臓打ちを喰らいダウンするが……。


◆闘いはこれから…

ドックン
         ドックン
ドックン        
(PC書き文字)

悪魔王子による肝臓打ちレバーブロー心臓打ちハートブレイクショットのダメージが残る中、突然変異の心臓の鼓動と共に肉体からだの奥底から何者か・・・によって突き動かされる龍星。痛みは残るが手足はまだ動き、不思議と脳もクリアな状態となった……まるで"目の前にいるこの男を倒せと導いている"かのように。
この既に死に体であろう龍星立ち上がってくる超常現象に困惑した様子のヨシフとあの男・・・だが、諸々の事情を知っている試合を解説している謎の男(←もう猿渡先生は隠す気ゼロだと考えられるが)と熹一は心臓を通してガルシア28号が龍星に力を貸していることを理解していた。

う あ あ あ あ あ あ あ あ あ(PC書き文字)
ダーティ・ホワイト戦ぶりにガルシア28号が龍星に練り憑依しているッ。

でも……
たかが切り刻まれた臓器ごときに意思がある扱いなのは
俺には理解不能。

タフの世界では心臓に意思が宿るんだぜ

ガルシア28号って龍星と良い思い出一切ないのに度々力を貸してくれるの何でなんですかね?突っかかられて返り討ち→また突っかかられて返り討ち→暗闇戦闘でボコられるが返り討ち→自殺後に心臓と角膜抜かれて終了。

碌な思い出…なし!


◆逆技の応酬

悪魔王子「ガルシア28号が出てくるということは 龍星が危機的状況にあるということ」←こいつなんでこんなこと分かるのん?
自身と同じ人間兵器…ガルシア28号の気配を感じた悪魔王子は"なぜそこまで龍星を守る"のかと疑念に駆られながら再び龍星に襲い掛かる。
が、覚醒した龍星は難なく悪魔王子のラッシュを躱し、そのまま下に潜り込んで足関節を取りに行き"膝十字固め"へ移行。ガキッという音が会場に響き、完全に龍星の膝十字が極まったかのように思われたが……
悪魔王子「ぐうっ ("ヒールホールド"に極め返すッ)」
ロックを外され逆にヒールホールドで極め返えされてしまい絶体絶命に。

猿渡先生の関節技の応酬は麻薬ですね。
軸足を取る→膝十字固め→ロックを外す→ヒールホールドの一連の流れのスピード感が凄すぎる。な…なんで寝技でこんなスピード感出せるのん?

幻の飛ばし合い(幻魔乱舞)→純粋な殴り合い→逆技の応酬……闘いが原点回帰を越えた原点回帰しとる。やばっ 序盤の妖術合戦以降はR国編で一番まっとうな試合だよ。

しかし…普通に龍星に憑依というかガルシア28号の意識が介在している体で話が進んでるのはいいんスかね?オカルトを超えたオカルト。この臓器ヤバすぎて優希ちゃんに移植しなかったのは結果的に良かったと考えられる。
命の危機に瀕すると毎度バーコード坊主がスタンドとして現れるの嫌すぎるんだよね(忌無意)。


◆ボーン・コントロール

悪魔王子のヒールホールドは完全に極まっており、そのまま龍星の膝靭帯を捩じ切ろうと力をする。しかし、龍星は「ギッギッギッ(PC書き文字)」と音を立てながら脛骨を回転させ、上半身を軟体動物のように捻じ曲げていく……かつてのエドガード・C・ガルシアやそのクローンである28号が使っていた、あらゆる関節技を無効にする防御技"ボーン・コントロール"によって悪魔王子の逆技から脱出。

ボーン・コントロールが墓から甦る!!
マジこの闘いシリーズの集大成じみてきた(でも心臓移植しただけで何で第三の筋肉に覚醒するんや?)

ボーン・コントロールで関節がありえない方向に捩じ曲がっていく描写がめちゃくちゃ好きなんだけど、心臓移植しただけの龍星が28号をエンチャントして使えるとかもう何でもアリすぎる。何なら今龍星に憑依しているガルシア28号が使えるのも結構謎なんだよね。
28号は初代ガルシア(G2)みたいに鬼龍おじさんの針による荒療治を受けてなさそうなのに第三の筋肉が発達している……初代ガルシア(G2)のデータを元にクローンたちにも第三の筋肉の調整を施したのかもしれない。

悪魔王子もボーン・コントロール使えるのん?
(素朴な疑問)


◆会場に戻る静虎

一進一退の攻防を繰り広げ、さながら消耗戦の様相を呈している龍星VS悪魔王子の闘い。そんな二人の闘いを固唾をのんで見守っている熹一の傍に鬼龍の安否確認を終えた静虎が戻ってきた。

龍星たちがボディブローの打ち合い→心臓覚醒合戦している間にパヴェルをしばき倒して鬼龍の安否確認までやったって…静虎早ッ早えーよ。
パヴェルの横やりがなければ悪魔王子が覚醒するあたりで帰ってこれたんじゃないかな。熹一もまさか静虎が一戦交えてきたとは想像にもないはず。

熹一「静虎おとん…鬼龍は…?」
鬼龍の安否を尋ねる熹一だったが、静虎は無言で首を横にふって最悪の結末を伝える。熹一にとっては宿敵であり、時には師であり、時には共謀者でもあった鬼龍の死には流石にショックを受ける。
静虎「鬼龍は死んだッ」

ここの熹一の表情いいですね。
基本的にクソほど迷惑しかかけられていないのにちゃんと死を悼んでくれているの優しすぎる。ちったあマシな思い出あるかなって振り返ってみたけどフーバー・ダムの修行くらいしかなかったわ(笑)
よくよく考えなくても血のつながりがないのに熹一の人生の大半は宮沢一族関連の尻拭い(主に鬼龍案件)…人生の悲哀を感じますね。


◆独裁者

そんな鬼龍の死を悼む間もなく、会場に戻った静虎に対してメガネに仕込まれた無線越しにスタンプがあの男・・・を映してくれと依頼する。
静虎はハッキリとあの男・・・の顔が映るように視線を向け、王様のようにふんぞり返っている姿がスタンプのいるR国内の米国大使館のモニター・ルームに届けられる。
スタンプ「かーっ むかつくなあ 帝国主義的妄執に取り憑かれた独裁者」
スタンプ「経済制裁も第三国を介して抜け穴だらけみたいだし余裕こいて格闘技観戦だもんな」

ホワイト・ナイト・バトルの時とは打って変わり、R国の監視が無いのをいいことにスタンプはあの男・・・へ対して愚弄のかぎりを尽くす。

ほう…思想が見えますね。
スタンプさん…一応あなたの上司(スマイル・ジョー)もめちゃくちゃ選民思想の持ち主でオ〇マ大統領を暗殺しようとした超危険人物なんですよ(小声。

でも大使館ならいくらでもあの男・・・の悪口言ってもマイ・ペンライ(大丈夫)だからここぞとばかりにボロクソ言いまくるスタンプは草なんだ。
普段は紳士的な態度なのに敵に対しては徹底的に貶したり煽ったりするスタンプはいいキャラ付けだなぁと思う。ビジュアルもかっこいいしね。

それと、この静虎に支給されてる眼鏡すごくない?
こんなに小型なのに映像鮮明で遅延なし、おまけに通話もできるとか…やっぱりトダーやメカ・モスキート開発できる国はレベチっスね。


◆計画中止

モニターに映し出されたあの男・・・を見てスペンサー長官に計画を実行に移すか確認を取るスタンプ。しかし、
スペンサー長官「鬼龍が死ねば計画は水泡に帰す あの男・・・を失脚させる工作は中止せざるをえない」
鬼龍の死により狂う米国側の思惑…そして苛烈を極める龍星と悪魔王子の闘いの行方は!?

…私の記憶が正しければ当初のスタンプ(米国側)の目的って悪魔王子の確保だったはずだが?逃げ込んだ先がR国だったってだけで。
なんか急にあの男・・・を失脚させる計画とか出てきたんスけど。

スマイル・ジョーは自国の大統領を暗殺しようとしたり大国の大統領を裏から失脚させようとしたり、コイツもヨシフおじさんレベルで危険人物だろ、コワ~。それに、

スマジョ

*`◯´*)「工作は中止だ」

こうは言っているが、鬼龍が死んだらスマイル・ジョーの悪行が自動的にばら撒かれる仕掛けになってるはずなんスけど、いいんスかこれ?
鬼龍の死がガチならあの男・・・より先にスマイル・ジョーが失脚しそう…というか政治生命終了決定ェ。もっと焦れや。

◆漂う不穏な空気… ← 鬼龍おじさんを作戦のキーマンにし過ぎだと考えられるが…。
次号、試合の行方は…!? ← 今年に入ってユーリ戦で「試合の行方は…!?」、悪魔王子VSキラージョウで「勝負の行方は…!?」を既に使ったことをお前たちへ伝える。


◆まとめ

(;´∩`†;)「鬼龍パパが死んだということは 龍継の連載継続が危機的状況にあるということ」

今週は逆技の応酬にボーン・コントロールと格闘シーンの作画が最高だったっスね。やはり関節技の作画は猿渡先生の右に出るものがいない。この至高の技を継ぐ者がいないなんて…あまりにも勿体ない。

両者心臓覚醒でオカルティック・バトルに突入するかと思えば純粋な格闘による対決で見ごたえあるし、御前試合は始まる前の期待感を大きく飛び越えていった気がしますね。
もう読者が分かる範囲では互いに手の内を晒しているので今後はどんな展開なるのか……これはXの感想に書いたんですけど、この闘いの龍星のフィニッシュ・ブローは"菩薩拳"だと思ってます。
エリア52で熹一に教えて貰った設定なら唐突感があまりないし、NEO坊がガルシア28号にとどめを刺した"菩薩拳"を龍星が悪魔王子へ放つなんて刺激的でファンタスティックな展開だろ?(割といい線いってる気がする)

残りは米国があの男・・・を失脚させようとしているのが不安材料なんだけど、これ絶対鬼龍生きてるよね?色々と露骨過ぎる。
~ 鬼龍の死への認識 ~
米国側(スタンプ、スマイル・ジョー):今週の会話からガチで死んだと思ってる。
熹一、龍星:ガチで死んだと思ってる。
静虎:ちょっと怪しい、鬼龍を口裏合わせしてる雰囲気がないともいえない。死体回収しないのは不自然過ぎる。
ヨシフ:態度的にガチで死んだと思ってる。←鬼龍があの男・・・と組んでいるとすると一番ノイズになるのがこれ。
ヨシフおじ「あの男・・・は誰と会話してるんだ?」
悪魔王子:一番分からん。鬼龍の死に直接関わっているからどうとでもできそう。

あーーこれ、米国の工作を鬼龍が横流ししてスタンプたちが危機に陥る展開だわ。それならあの男・・・にインカム越しに会話してるのがその手柄で取り入った鬼龍ってことで……いや、ちょっと待てよ

どんだけ裏切るんだよ、このオッサン!?


◆余談

静虎のスーツってパヴェルのナイフに切り裂かれたはずなのにいつのまにか直ってない?


◆次号予告

次のプレボNo.46は10月28日月曜日です


出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第393話