【感想】TOUGH外伝 龍を継ぐ男 BATTLE.388 ボディ・ブロー
R国編におけるバルカン・ボビー枠がパヴェルなことに一番戸惑っているのは俺なんだよね。
そしてタイトルがシンプル過ぎるんだよね。
◆前回までのあらすじ
ついに始まった龍星VS悪魔王子の御前試合。初っ端から灘神影流の秘伝"幻魔拳"の打ち合いになり、お互いに"幻魔"の刷り込みによる肉体崩壊のイメージで心理・精神ダメージを受けてしまう。だが、灘神影流とガルシアの心臓を持つ二人にとってもはや"幻魔"は特別な技ではなく、活法によって被弾箇所を修復させていく。
主力技である"幻魔拳"が決定打にならず膠着状態に陥る龍星と悪魔王子、次に繰り出す技は如何なるものか!?
◆奥義が通用しない
前回、龍星と悪魔王子は互いに"幻魔拳"に被弾して精神・心理ダメージ(強烈な悪夢)を受けてしまった。"幻魔拳"は瞬きできないほどの超高速打撃を網膜に焼き付けて脳を麻痺させて"幻魔"を刷り込み精神にダメージを与える灘の秘拳(蹴り始動でも発動する意味が分からん)。しかし、対処法を会得している二人にとって"幻魔"の刷り込みは無意味。距離を取り、幻魔の活法で精神崩壊前に被弾箇所を修復していく。
あの男「ほう 外傷をあたえず精神を崩壊させる」
あの男は日本の古武術、灘神影流の秘伝の技である幻魔拳の仕組みの解説を左耳につけたインカムで聞き、何か良からぬこと企んでいるような邪悪な表情を浮かべる。
今週の龍継はトゲトゲ・フキダシが闘いの解説をしているんですけど、これ一体誰の台詞ナンダ?
最初は漫画的なナレーションか、タフ・シリーズに有りがちなやたらと秘伝の武術に詳しい司会・解説の台詞かと思っていたけど(鬼龍がR国でも秘伝バラマキしていたのがボリスの過去で語られているので灘神影流に詳しいR国側の人間がいても一応おかしくない)、よく見るとあの男の左耳にインカムらしきものが付いているので無線超しに誰かから解説を聞いているっぽいんだよね。
……ワシ 、あの男に試合の解説している人物の正体に心当たりがあるんや
"悪魔を超えた悪魔"こと宮沢鬼龍や!!
(↑これ割と核心をついていませんか?)
◆超人技の攻防
龍の血を継ぐ者である二人とも灘神影流の技を熟知しており、もうタネが割れている"幻魔拳"は使わないことが予想される中、闘いは手の内がわかっているがゆえに泥臭くシンプルな技の攻防へと移行する。
二人とも産毛が触れるか触れないかのギリギリのところで打撃を躱し、徐々に互いの攻撃が確実にヒットする超至近距離へと間合いを詰めていく。
リアルな打撃の打ち合い…神。
前話が幻の打ち合いだったから落差がすごいんだ。
あとここで二人の闘いを見ながら急にあの男が龍の血を"ガルシアの心臓"のことか?って意味不明なこと言い出すんですけど、
ううん?龍の血="ガルシアの心臓"になっているのはどういうことだ?
鬼龍の血を継ぐ者だったらみんな龍の血を継ぐ者になるんじゃないのん?あーもう"龍の血を継ぐ者""龍を継ぐ男""龍を継ぐ者"とか称号が多すぎて意味わかんねーよ。
◆ボディ・ブロー
ついに二人はどの部位に当たっても致命傷となる距離での銃撃戦のような打ち合いへと突入し……
ドドォッ
ボディ・ブローの相打ち……凄まじい打撃音が場内に響き渡り、悪魔王子は右、龍星は左の腹部にかなりのダメージを受けてしまう。そのまま両者とも一旦後ずさるが、小さく呻く龍星に対して悪魔王子はまだ余裕がある様子。
ここの殴りのコマかっこよすぎるだろ。
最近だとキラージョウ戦の心臓停止打ちもそうだけど、ラッシュのスピード感と衝撃演出がすごいんだよね。マネモブがこのボディ・ブロー食らったら内臓が木端微塵になりそうなんだ。龍継は逆技の描写が減った代わりに当身技の応酬が過去シリーズと比べてさらに進化している気がする。
それにボリス戦で消耗していたとはいえ熹一と互角の悪魔王子に妖術無しの素でやり合えてる龍星すごくない?
現状心臓パワーを発動しているか分からないけどタンカー編あたりまではガルシア28号とお話にならないレベルで戦闘能力に差がついていた龍星が恐らくG28より強いであろう悪魔王子と闘いが成立してるのはハッキリ言って異常だ。
やっぱりガルシアの心臓は誰でも超人にするんやな(ゲス坊書き文字)
↑
イヤミな言い方すなっ!(`o´)
◆生存確認
この闘いはまだまだ長引きそうだと予感した静虎は一先ず鬼龍の生存確認&救助のためにセコンドを熹一に任せてその場を後に。
静虎「鬼龍ウウッ(鬼龍が死ぬはずないッ)」
"あの"鬼龍が死ぬわけがないと信じている静虎は悪魔王子が現れた方向の部屋に向かって全力で駆け出した。
静虎「鬼龍が死ぬはずないッ」
読者「鬼龍が死ぬはずないッ」
◆同調する想い……まっ (そう)なるわな。
久々の大会・試合の裏で静虎が別行動する展開、ペロッ これはバルカン・ボビーや異常性愛者ポジション・キャラとの闘いがくるな(予感)。
前々話から悪魔王子が鬼龍を殺した映像が流れた後すぐ会場に現れたからウォーミング・アップしていた部屋は会場から近いだろうし「確認でもいいからはよ向かえや!」って思っていたら、ちゃんと生存確認に行ってくれて良かった良かった。さすが史上最強のモラリストこと静虎。
しかし…R国の兵士たちは会場から出ていった静虎を放置して良かったんですかね? ふうん、妙な動きをしても即・射殺じゃないあたりR国の兵士って結構融通が利くんだな。
◆因縁の相手
悪魔王子がウォーミング・アップしていた部屋に向かってK大宮殿内の廊下を走る静虎だがそこに……
パヴェル「奇跡ってあるんですね」
パヴェル「静虎さん あなたとこの国でもう一度出会えるとは思ってもみなかった」
そこにはメリケンサック・ナイフを携えたR国の元秘密工作員でありホワイト・ナイト・バトル主催側の使いパヴェルの姿が。
何やら過去に静虎との因縁があるようだが静虎には覚えがない様子(←パヴェル可哀想なんだよね)。先に行かせる気のなさそうなパヴェルに対して時間がないからと上着を脱ぎ戦闘態勢に入る静虎。
時間は取らせないと言いメリケンサック・ナイフを構えるパヴェル、二人にどのような因縁が……!?
(パ「ほんの20秒もあれば済みますから」←めっちゃ瞬殺フラグに見える)
まさか龍を継ぐ男におけるバルカン・ボビー枠がパヴェルだったとは。
R国側のネームド・キャラがもうあの男とヨシフおじさんしかいねーよって思っていたけど完全にパヴェルのこと忘れてたんだよね。
356話で登場してから早々に猿空間に吸い込まれると思っていたのにスタンプと同様に定期的に存在感を出してくるなぁ(ところでスタンプは?)。
静虎と一方的な因縁があるっぽいけどR国の元秘密工作員と過去に何があったんだろ?パヴェルは昔、日本でスパイ活動していたから最初はそれ関係かと思ったけど「 あなたとこの国でもう一度出会えるとは思ってもみなかった」発言からするにR国で出会ったみたいなんだよね。
382話の静虎の独白で過去にR国に行ったことある感じだったし(そもそも周師匠という知り合いもいる)、ボディ・ガードの仕事か鬼龍の悪行のケツ拭き関連っスかね?この設定便利だな~。
そして、飛行機が苦手なのにワールド・ワイドに活動させられる静虎に哀しき過去…。
◆物騒な再開…!! ← 静虎、ガチでR国で何やってたんだろ?
次号、この二人にどんな関係が…!? ← 静虎の方はすっかり忘れているようなのでパヴェルの片思いだと考えられる。
◆まとめ
龍を継ぐ男からシームレスにタフ外伝OTON開始。
龍星と悪魔王子"はもう"幻魔拳"を使わないとは言ったけどね、静虎が使わないとは言ってないのん。
静虎って基本的にどんな相手でも命までは奪わずに放逐する主義だから方々で恨み買いまくりっスね。しかも本人は結構忘れてる。100パー有り得ないけどこれでパヴェルが過去に静虎が成敗した異常性愛者で次話でエグい性癖が開示されたらそれはそれで笑える(草)。
抑止の技である"幻魔拳"をちゃんと刷り込んでおいて欲しいんだよね。
まっ パヴェルが熱い自分(過去)語りしたあと静虎の"幻魔拳"で瞬殺される未来でしょ、多分。ナイフ使いって時点で期待薄。
あと上でも書いたけど今週の試合解説ナレーションというか、あの男に対してインカム越しに解説しているのは実は鬼龍じゃないかと思っているんだよね。
灘の技やガルシアの心臓を売り込んであの男の取り入ろうとしているなら十分に考えられる行動。そもそも捕まってから逃走→再び捕まる→サンドバッグの流れが不自然過ぎる。あの男と鬼龍は既に裏で繋がっている…ありそうじゃない?
ただし、諸々すべてが鬼龍の仕込みだと仮定すると、あの男の館で拘束されている時に散々「臭い」だの「立場をわきまえなさい」だの愚弄されて険悪ムードだった上に愛車を盗んで逃亡した鬼龍とあの男が協力関係を結べるのか?という点とボリスの扱いをどうするかが謎なんだよね。
ちょっと苦しい仮説か。
◆余談
表示限界に達したのかヨシフおじさんの存在が消えとる。
……まーどうでもええわ。
◆次号予告
次のプレボNo.39は9月9日月曜日です。
出典:猿渡哲也『TOUGH外伝 龍を継ぐ男』第388話