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8分でわかる高知県大川村(補遺)

こんにちは、牛乳屋です!
今回も動画のご視聴・コメントをいただき、ありがとうございます。

特に今作は大川村観光協会様、土佐れいほく観光協議会様をはじめ村関係者の方にもお届けできたようで、作者冥利に尽きる思いです。
よそ者ではありますが、私なりに村へのリスペクトをもって動画を作っていきますので、今後ともどうぞよろしくお願いします!
…それでは、さっそくコメ返しはじめましょう!

「耕して天に至る」「これ見ると農業で暮らすのは厳しいよな」

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大川村は四国山地の真っ只中、吉野川が刻んだ深い谷に位置する村。
村が属する嶺北地方の林野面積の割合は軒並み8割を超えており、大川村に至ってはなんと95%
なので土地利用の仕方もかなりダイナミックで、他所では絶対にあり得ないような山奥にまで集落やら田んぼやらが広がっていたりします(まぁ、四国全体に言えることではありますが…)。

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なぜこうなったかと言いますと、原因は主にプレート運動です。
四国の南にある海溝「南海トラフ」では、南から北に向かってフィリピン海プレートが沈み込んでいて、中国・四国地方の陸地はこれに圧縮される形で大きく隆起しました。
こうしてできたのが四国山地、というわけです。(※ちなみに、このとき逆に沈降してできたのが瀬戸内海と言われています)

要するに、土地の隆起によって山は険しく、谷は深くなり、このようなアップダウンの激しい地形が形成されたというわけですね。
なので、農業で食っていくのは難しいと思いきや…

「天空の郷米は有名(高い」

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意外にも、ブランド化という手法で戦えているみたいです(知らなかった!)。
雨が多くて寒暖差の激しい気候がお米の生育に良いらしく、ブランド米「天空の郷」は各種コンテストで何度も入賞しているそうです。食べてみたい!

「うどん茹ですぎたんやろ」「そのくせうどんばっかり茹でやがる」「水がなければ血で茹でろ」

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その一方、先述の四国山地の影響で雨があまり降らない香川県。(コメントでは酷い言われようですが…)
早明浦ダムと香川用水の完成でだいぶ改善されたとはいえ、ダムができてからもこの地域は頻繁に渇水に見舞われており、いまだ対策に追われているのが実情です(中でも1994年の渇水は「讃岐砂漠」といわれるほど深刻で、真夏なのに1日5時間しか水道が使えなかったそう)。

とはいえ近年は早明浦ダムに依存しない水源の整備も進められていて、2009年には香川用水の調整池「宝山湖」が、ことし2021年には椛川ダムも完成。うまくいけば、長年の水不足の悩みもついに解消するかもしれません(するといいですね)。
なので皆さん、頑張ってる香川県のことをあまり悪く言わず、温かく見守ってあげましょう!

「感謝しながらうどん茹でなきゃ」「あればあるだけうどん茹でる」

頑張ってる…よな?

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「製紙工場は水が無限にいるからなぁ」

また、早明浦ダムのおかげで「漁夫の利」を得たのが愛媛県。
製紙業が盛んなのに雨が少なく水が得にくい、というジレンマを抱えていた愛媛東部(特に現在の四国中央市)では、町の背後にそびえる法皇山脈の裏側から銅山川の水を引くことで水不足を解消…
…したのですが、今度は下流の徳島県との間で水利権争いが勃発してしまいます。本来徳島に行くはずの水を愛媛に流しているので、当然っちゃ当然です。

これを見事に解決したのが早明浦ダム(の流水制御力)でした。
古くからの地場産業だった製紙業はますます発展、ついに四国中央市は紙の生産量全国No.1の称号を手にします。そして…

「あ、やべーやつがマスコットやってる町だ!」

無題

↑ こ う な り ま し た(笑) ↑

「せいし業が盛ん」な街のゆるキャラ、しこちゅ~です。
ティッシュが名産なのは分かるのですが、なんというか、こう…。
もうちょっと何とかならなかったんですかね。主に名前とか…。

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「但しダムの立地自治体である高知県にはあまりメリットがないんだよな」

そうなんです。ダム建設の際に定められた利水配分は、香川29%・徳島48%・愛媛19%・高知4%
本来の吉野川の流路である徳島県の分が多いのは当然として、ダム所在地のはずの高知県にはたった4%の水しか配分されないことになっていました(おそらくは降水量が十分ある為)。しかもその高知分水は南の高知市方面へ伸びており、ダムに沈むことになった大川村と土佐村西部(現・土佐町)にはマジで何のメリットもありませんでした

ここに暮らしていた1,500人の住民にしてみれば、自分たちには何の旨味もないのに平穏な暮らしを奪われる羽目になったということ。
当然、水没予定地では激しい反対運動が繰り広げられることになります。
しかし、一方で…

「数千人と何十万人天秤にかけりゃ中止せんわな」「これができて四国がどうなったか考えると大川村には悪いが国が間違ってるとも言えんな」

ダムが出来れば、吉野川周辺にくらす何十万(何百万?)もの住民が恩恵を受けられるのです。国が強力にダム建設を推し進めていたのはまさにそのためでした。
1,500人を犠牲にして100万人を救うか、あるいはその逆か?
…まるでトロッコ問題のような構図が、四国の山中に出現していたのです。
結局、最後まで反対派が多かった大川村も国に押し切られる形でダムの建設を認め、長年の懸案だった四国の水問題は一応「解決」をみることになりました。
…ただ、これが本当に「正解」だったのかどうかは、少なくとも私にはわかりません。

あなたなら、どう思いますか?

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「大川村の謝肉祭はいいぞう」

そんな大川村を代表するイベントが、年に一度、11月3日に白滝鉱山跡の広場で行われる「謝肉祭」
ダム建設から8年後の1983年、村に活気を取り戻そうと企画されたこのお祭りですが、特産の「大川黒牛」や「はちきん地鶏」を使った様々な料理を楽しめるイベントで、かなりの人気を博しているんだそうです!

ここ2年は某感染症の影響で中止(2021年はオンラインで配信)を余儀なくされていますが、大川村の未来のためにも、来年こそはなんとか開催にこぎ着けられることを願っています。

…それでは、また次の動画でお会いしましょう! ばいば~い。