ある女性の話。
その女性は外国から来ました。
売られてきたのです。
珍しい特技のある女性で、最初は珍しがられとても大切にされ、家族を持つことも出来ました。
ところが、彼女のその珍しい特技が次第に疎まれ、遂には家族もろともその辺に放り出されてしまいました。
それどころか、それが良くないことであるとされ、家族全員追われる身となったのでした。
とても可哀想な境遇の女性だと思いませんか。
これは本当のことです。
ただし
ミステリークレイフィッシュというザリガニの話
ですが。
ミステリークレイフィッシュは、メス1匹でも繁殖できるという珍しい特性を持っています。
繁殖が手軽だとされ、ペットとして販売されていました。
しかし、その繁殖力の高さに手に負えなくなり生まれた子供を川や池に離してしまう人が現れました。
1匹だけで繁殖してしまうということは、それだけ増えやすく、日本のザリガニより増えてしまう。
日本のザリガニの数とザリガニの餌となる魚の数はお互い滅びないようにバランスを取っていますが、ザリガニが増えすぎてしまったら魚が滅んでしまうかもしれない。
また、ザリガニは共食いをしますから、日本のザリガニを食べてしまうかもしれない。
そうした可能性を持つため日本の環境では害をなすものとして
特定外来種
と呼ばれ、
駆除の対象
となってしまったのです。
このような成り行きで駆除対象となってしまっているのはザリガニだけではありません。
かめやカブトムシ、ハクビシンなどにも対象となっている種類があります。
特定外来種と言われている彼ら彼女らは
自分の意思で飛行機や船に乗ってきたわけではありません。
人間が連れてきた
のです。
人間が連れてきて、人間が駆除しようとしている。
ペットショップに行けば、ミーアキャットやフクラガエルなど可愛い生き物がたくさんいて、飼ってみたくなることでしょう。
でも財布を開ける前に、店員さんにこれ下さいと言う前に、
自分が最後まで看取れるか
考えてみてほしいです。
それは、
特定外来種に限らないことです。
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受け皿のなかった重度障害者の生活・学習・就労訓練から始まり半世紀、近年は増加傾向にあり、対応が追いついていない軽度発達障害、また選択肢の少ない身体障害の人達も住み慣れた地域で生きていけるような自立を支援をしています。よろしくお願いします。