戒名とは?値段相場とランク、そして戒名は本当にいらないのか?
こんにちは、茨城県水戸市の葬儀社『橙縁社(とうえんしゃ)』です。
今回、業界のタブーに触れていきます。
葬儀社が割って入れない、お寺と檀家(だんか)の関係。
そして、お葬式を低予算で抑えたい人にとって、大きな出費となるのが『お布施』であり、『戒名』だと言えるのではないでしょうか?
とは言っても、『戒名』とはいったい何なのでしょうか?
『死んだらつけてもらう名前?』
『戒名をもらわないと、お墓に入れないんでしょ?』
と、思っている人も多いのではないでしょうか。
『戒名』をつける意味が、あまり知られていないため、
『戒名は無駄だ!!』
『戒名をつけるのに、数十万取られた!!』
なんて言葉がネットには溢れています。
しかし、本当に意味がないのでしょうか?
そこで第六回の今回は、葬儀社が触れてはいけない聖域『戒名』について、できる限り紹介していきます。
戒名とは?値段相場とランク、そして戒名は本当にいらないのか?
まず大前提として、『戒名』とは何なのでしょうか?
これが分からないと、話を先に進めないため、凄く簡単に説明します。
戒名って何?
『戒名』とは、厳しい戒律を守って、仏門に入った人が授かる名前のことです。
本来は、生前に与えられるもので、修行をし、経典を勉強し、仏の教えを学んだ証として与えられていました。
それが現在では、亡くなった後に与えられるようになったのです。
凄く簡単に言えば、仏様の弟子になることで、与えられる名前ってことです。
戒名にもランクはあるの?
よく聞く話ですが、『戒名』にもランクがあります。
ランクという言い方は、どうかと思いますが、確かに格付けはあります。
『戒名って長いほど偉いんでしょ?』
『戒名にも種類があるの?』
こんな疑問をお持ちの人もいることでしょう。
そこで、簡単に説明をしましょう。
戒名は長いほど偉いの?
偉いとは意味が違いますが、格というかランク的なものはあります。
そして、簡単に言えば『戒名』は長い程、格が上だと言えます。
まず『戒名』は、
『院号』 + 『道号』 + 『戒名』 + 『位号』
以上から構成されています。
戒名
まず『戒名』は、誰でも等しく2文字とされています。
そのうち1文字は、故人の生前の名前(俗名)からとって付けられることが多くなっています。
院号
元々は、地位の高い高貴な方に付けられたものです。
現在では、お寺に寄進などの貢献をした人や、社会的に大きな功績を上げた人などに贈られ、付けられるものです。
そのため、『院号』は基本的につきません。
院号は『戒名』の一番上に付けられます。
道号
『道号』とは、簡単に言うと修行の経歴を表しています。
そのため、一般的な『戒名』に見られます。
『道号』は、『戒名』のすぐ上に付けられます。
位号
『位号』とは、文字通り『位(くらい)』を表しています。
信仰心の深さや、男女の性別、年齢などによって異なります。
凄くざっくりになりますが、男女の違いと『位』を紹介します。
・男 ⇨ 信士(しんじ) < 居士(こじ)
・女 ⇨ 信女(しんにょ) < 大姉(だいし)
これが一般的で、『院殿号』がついた場合、
・大居士(だいこじ)
・清大姉(せいだいし)
となる場合があります。
『位号』は、『戒名』のすぐ下につけられます。
基本的な戒名は6文字
ここまで紹介したように、『戒名』は、
院号 + 道号 + 戒名 + 位号
で構成されています。
そして、基本的には2文字が大半なため、
道号 + 戒名 + 位号 ⇨ 6文字
になることがほとんどです。
戒名の値段相場は?
さてと、本題ですかね。。。
最も質問されるケースが多い内容です。
まず大前提として、『戒名』のランクが高い程、金額は高くなります。
そして、『戒名』の金額は、お寺の考え方や生前の信仰度、お寺への貢献度などにより大きく変わります。
また、あくまでも御布施として包むため、決まった金額はありません。
しかし最近ではお寺によって、『戒名』の金額表を作っている所もあるため、ざっくりとした値段相場は存在しています。
そこで、あくまでも参考程度ですが、『位号』ごとの値段相場を紹介します。
あくまでも参考程度にお考え下さい。
位号ごとの値段相場
それでは、値段相場を紹介します。
再三言いますが、お寺ごとの考え方や生前の貢献度などにより、大きく『戒名』の値段は変化しますので、あくまでも参考程度に考えて下さい。
・信士、信女 ⇨ 30~50万円
・居士、大姉 ⇨ 40~60万円
ここに更に、『院号』が付いた場合、
・院居士、院大姉 ⇨ 80~120万円
となるケースが多いですね。
最後に
今回は、葬儀社が触れてはいけない聖域『戒名』について、できる限り紹介しました。
『戒名は高過ぎる』
『戒名なんて意味がない』
なんて発言が、ネットを中心に溢れています。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
今、我々の暮らしの中では、お寺との関係はどんどん疎遠になり、昔のような付き合いはほとんどない方が、年々増えています。
そのため、人が亡くなった時に、やれ『御布施』だの『戒名』だのと、突然高い金額を支払わなくてはならず、金額だけに目が行ってしまうのも納得できます。
故人の信仰や価値観は、自由が認められており、各々の考え方で良いでしょう。
しかし、『戒名』を付けなくてはならないケースもあります。
そこで次回は、『戒名』をつけなければならないケースを紹介したいと思います。