直葬とは?直葬の費用や流れ、よくあるトラブルを解説
こんにちわ、茨城県水戸市の葬儀社『橙縁社(とうえんしゃ)』です。
近年、シンプルな葬儀を行う人が増えていますね。
昔であれば、地域の習わしに乗っ取り、その町内でお葬式のやり方は決まっていました。
また、葬儀自体の選択肢が増え、ネットなどを通して、不透明だった葬儀の金額がオープンになったことも大きな要因です。
そんな今、注目を集めているのが『直葬(ちょくそう)』です。
式を執り行わず、費用も安いため、
『無駄を省きたい!!』
『費用を抑えたい!!』
と、考える若い世代を中心に、注目度が上がっているのが現状です。
しかし、『直葬』という言葉を聞いたことがあっても、その内容や実際の費用、現場で起こり得るトラブルまで、ちゃんと理解している人は、ほとんどいないのではないでしょうか?
そこで第2回の今回は、注目度が高い『直葬』について、深掘りしていきます。
前回の記事はこちら
『お葬式ってお金がいくら掛かるのが普通なの?』
直葬とは?直葬の費用や流れ、よくあるトラブルを解説
それではまず、『直葬』の内容とはどんな感じなのでしょうか?
ネットやSNS、しいてはTV、マスコミまでもが紹介していますが、『直葬』の内容までしっかりと紹介されていないのが現状です。
直葬とは?
『直葬』とは、病院や施設などの個人が亡くなった場所から、火葬場へ直接搬送し、式を行わずに火葬のみを行うことをいいます。
本来『直葬』は警察用語で、身元不明者などの遺体を、直接火葬場に搬送する『直送』が言葉の由来と言われています。
つまり『直葬』とは、極端に言えば遺体の処理をするだけとも言えるのです。
ちょっと、言い方が極端で過激でしたね。。。
反省します。。。m(__)m
直送の費用って実際どのくらい?
『直葬』が最も注目を集めることになった要因は、その費用の安さでしょう。
まぁ、式も行わずに、火葬を行うだけなので、費用を極端に抑えることができますよね。
気になる実際の費用ですが、
15~35万円
が、全国的な平均といえます。
金額に幅がある理由としては、
・自宅で安置が可能か?
・搬送費が掛かるか?
・ラストメイク(エンゼルケア)があるか?
上記の3点が大きなポイントでしょう。
直葬の流れは?
『直葬』の基本的な内容は、分かりましたか?
次に、実際の『直葬』がどのような流れで進んでいくのか、簡単に紹介します。
1.ご臨終 ⇨ 2.搬送 ⇨ 3.安置 ⇨ 4.納棺
⇨ 5.出棺 ⇨ 6.火葬 ⇨ 7.収骨
搬送
病院や施設などから、自宅や葬儀社の安置施設などに、故人を移動することを『搬送(はんそう)』といいます。
病院や施設などで亡くなると、一定時間以内に故人を移動しなくてはなりません。
そのため、葬儀屋に頼むか、ご自分で故人の搬送が必要になります。
本来の『直葬』の意味でいけば、搬送はいらないのですが、現実的には火葬場予約のタイミングや、病院や施設の都合などで、搬送が必要になります。
『直葬』で、費用が大きく変動する要因の一つですね。
安置
故人を火葬までの間、お休み頂く(保管する)ことをいいます。
自宅での安置が可能であれば、費用的には抑えられます。
しかし、自宅安置が無理な場合、葬儀社の安置所などを利用するため、費用的には掛かります。
納棺
『納棺(のうかん)』とは、読んで字のごとく、棺に故人を納めることです。
『直葬』の場合、衣類の着せ替えや、故人の手当て(エンゼルケアなど)をしないため、そのままの姿で棺に納めます。
もし『納棺』の際、
・旅の衣装に着替える
・エンゼルケアなど処置をする
などを行うことにより、見た目にも生前の姿に近づき、遺族の皆さんも少し気持ちが落ち着くことができます。
その分、費用は掛かりますが。。。 |д゚)チラ
出棺
『出棺(しゅっかん)』も、読んで字のごとく、棺を火葬場へと旅立たせる(出発)ことです。
葬儀社に頼んで、霊柩車で棺を運んでもらうのが一般的です。
直葬で起こるトラブルを事前に知っておきましょう
経済的な理由や、近所付き合いの減少などにより、近年注目されている『直葬』。
しかし、良いことばかりではありません。
そこで、『直葬』のメリット、デメリットを知り、もしも『直葬』を選択する際の判断材料にして下さい。
直葬のメリット
『直葬』のメリットは、お金が掛からないことです。
何なら、それ以外にメリットはないでしょう。
しいて他のメリットがあるとすれば、
・準備を含めた、時間の短縮
・身内のみがメインのため、返礼品や挨拶状がいらないケースが多い
といった所でしょうか。。。
直葬のデメリット
『直葬』のメリットが費用が安いことならば、デメリットは何なのでしょうか?
・故人との別れの時間がゆっくりとれない
・あまりのあっけなさに後悔する
・親族以外を呼びづらい
・親族に同意が必要
・お寺に墓がある場合、住職との相談が必要
故人との別れの時間がゆっくりとれない
人が亡くなると、葬儀・火葬の日程を決めるのはもちろん、会社や知人への連絡、弔問客への対応、各所手続きなど、元々亡くなったことでパニック状態にいるのに、追い打ちをかけてしなくてはならないことが沢山でてきます。
睡眠不足に陥り、クタクタの状態で葬儀に望む方もいるぐらいです。
そんな中、『直葬』はさらに時間がありません。
そのため、故人との思い出に浸り、ゆっくりと別れを惜しむことができなくなります。
『火葬が終わってからでもいいじゃん!!』
そんな考えの人もいるでしょうが、お身体がある状態と、火葬が終わり遺骨になった時では、まるで違うものなのです。
あまりのあっけなさに後悔する
『直葬』は、ありとあらゆるものを省いています。
そのため、凄くあっけなく感じる人も多いのです。
『もっとちゃんと、お葬式をしてあげればよかった。。。』
『最後なのに、雑な扱いをしてしまった。。。』
故人との最後の時です。
時間は戻ってきません。
親族以外を呼びづらい
だいぶ火葬のみの式でも、一般に認知されてきました。
しかし、あまりにも簡素化されているため、身内しか当日呼びづらいでしょう。
そのため、故人が生前お世話になった人達に、参列してもらうことが難しい現状があります。
最後の姿を看取ってもらえない訳です。
親族に同意が必要
これは、割とよくある親族関係トラブルの元になります。
親族・親戚の中には、お葬式を儀式として、ちゃんと送り出してあげることが当たり前と、考える人が多いものです。
ですから、必ず親族・親戚関係には了承を得る必要があります。
『あんたは、あんなに適当な葬式をやって!!』
『この親不孝者が!!』
後々言われ続けるのは、かなりのストレスですよ。。。
お寺に墓がある場合、住職との相談が必要
お寺にお墓がある人は、重要なポイントです。
俗にゆう『檀家(だんか)』の人ですね。
お寺には、お寺ごとに考え方があります。
『檀家』は、お寺の指示に従って、故人の供養しなくてはなりません。
それなのに、お寺に何も言わず、勝手に『直葬』をしてしまうと、トラブルの原因になります。
最悪、お墓に納骨できないなんてことも。。。
最後に
今回は、『直葬』の費用や内容、メリット・デメリットなどを紹介しました。
確かに『直葬』は、費用を抑えられます。
遺族の経済的な負担は非常に軽く、それ自体は非常に良いことだと考えています。
しかし、内容はもちろん、メリット・デメリットを知っておかないと、終わった後に後悔することにもなります。
人への思いはお金では測れません。
正直、どれだけ安くても、どれだけ高くても、遺族の選択次第です。
ですが、お葬式は故人にとって、人生で一度きりのものです。
失敗も、後悔も、ましてやり直しもできません。
やもえない理由で『直葬』を選んでいる人は沢山います。
しかし、『是非直葬で!!』と、意気揚々と選択した人は少ないはずです。
『安いから直葬』
『注目されているから直葬』
ではなく、あなた自身が『ちゃんと送り出せてあげた』と思える選択を、予算と照らし合わせながら、選んでいきたいものです。