戒名はいらない?戒名がないとお墓に入れないケースがあるって知ってます?
こんにちは、茨城県水戸市の葬儀社『橙縁社(とうえんしゃ)』です。
近年、『直葬』や『火葬式』が増え、お葬式でお経が読まれないことが増えてきました。
それに付随して、『戒名』を付けない人も増加傾向にあります。
『戒名なんて本当はいらない』
『戒名は高過ぎるし無駄』
なんて言葉を、ネットを中心としてよく聞きます。
確かに、故人の信仰心や価値観は自由であり、昔と違ってお寺との関係も疎遠になっています。
その上、人が亡くなった途端に、『御布施』だ『戒名』だと言われても、理不尽に感じる人も多いことでしょう。
しかし、『戒名』を付けなければならないケースがあるんです。
皆さん、知っていましたか??
そこで第七回の今回は、『戒名』はいらないと考えていても、『戒名』を付けなければならないケースを紹介します。
戒名はいらない?戒名がないとお墓に入れないケースがあるって知ってます?
『戒名』とは簡単に言えば、仏様の弟子になったことで授かる名前のことです。
そして、お寺の弟子になったことを意味します。
『戒名』の内容などは、以前書いていますので、詳しくはこちらをどうぞ。
お寺の弟子になったことが重要
さてと、さっそく本題に入ります。
先ほど説明したように、『戒名』が付くことにより、お寺の弟子になったことを意味します。
これ、何気に重要なんです!!
お寺にお墓がある場合、戒名は必須
『お墓なんて何処でもいい』
『先祖と同じ墓に入ればいいんでしょ?』
日本では、人が亡くなり火葬されると、お墓に入ることが一般的です。
その時に、先祖代々のお墓に入るとします。
そのお墓は、どこが管理していますか?
もしも、お寺が管理する『寺墓地』『寺院墓地』だった場合、
『戒名はいらない』
『戒名は無駄だ』
と、あなたがどれだけ思っていても、『戒名』を付けてもらわなくてはなりません。
なぜなら『寺墓地』は、その寺の弟子しか入ることが認められないからです。
この内容を勘違いしている人が大勢います。
『戒名』がどれだけいらないと考えていても、『戒名』が必要になってしまうのです。
人が亡くなったら戒名を付けるべき?
『寺墓地』の内容を聞いて、
『やっぱり戒名はつけなくてはいけないんだ。。。』
と思った人もいることでしょう。
しかし、『戒名』は絶対必要な訳ではありません。
『寺院墓地』の人が必須なだけです。
公営墓地・民営墓地・共同墓地なら戒名はいらない
墓地や霊園は、どこが管理・運営しているかで分類できます。
・公営墓地
・民営墓地
・寺院墓地
上記の3種類が一般的で、例外として
・共同墓地
というものもあります。
公営墓地は戒名いるの?
都道府県や市区町村など、地方公共団体が管理・運営しているお墓です。
そのため、宗教的な制限がありません。
つまり、『俗名(ぞくみょう)』でも『戒名』でも、問題がない訳です。
ちなみに『俗名』とは、生前の名前のことで、故人の本名です。
民営墓地は戒名いるの?
『民営墓地』とは、財団法人や宗教法人などが管理・運用する墓地のことです。
まぁ、平たく言えば民間企業がやっている墓地ですね。
『民営墓地』も公営墓地と同じように、宗教的な制限がありません。
仏教でも、キリスト教でも問題ない訳です。
共同墓地は戒名いるの?
『共同墓地』とは、その墓地がある地域のコミュニティで管理・運営されている墓地のことです。
よく、公営墓地と同じに思われますが、全く違います。
しかし、現在の『墓地埋葬法』では、このように一般の人が墓地を管理することは認められていません。
では、なぜ共同墓地が存在しているのでしょうか?
それは、『墓地埋葬法』が施行される前から、地域のコミュニティで管理・運用されていたため、法律ができたからといって、廃止することが不可能なため、現在も存在しているのです。
そのため『共同墓地』は、『みなし墓地』とも呼ばれています。
このような経緯がある『共同墓地』なだけに、地域の風習が色濃く残っている所もありますが、基本的には『戒名』がいらないケースが多いです。
最後に
今回は、『戒名』を付けなければならないケースを紹介しました。
確かに、特に特定の宗教・宗派に信仰もなく、葬儀の予算をできるだけ抑えたい人達にとって、『戒名』はいらないものですし、そのお布施代は高過ぎるでしょう。
しかし、もしも自分や家族が亡くなった時に、『寺院墓地』にお骨を納めてもらおうと考えている場合、『戒名』は必須になってしまいます。
『戒名』がいくら無駄だと考えていても、付けざる負えないのです。
『じゃぁ、公営墓地にするから』
と考えたとしても、『公営墓地』の抽選に受かるとは限りません。
また、もしも先祖の墓が『寺院墓地』だとすれば、いくら自分達の代から『公営墓地』『民間墓地』に変えようとも、墓じまいをしなくてはなりません。
良い習慣なのか、悪しき習慣なのかは何とも言えませんが、あなたが置かれている立場によっては、『戒名』の個人的な好き嫌い関係なく、『戒名』を付けざる得ないことを覚えていてください。