恋の終わりの風船
数ヶ月前に書いた失恋の続きの話でも。
以前、好きになってはいけない人に恋をした。一度だけ関係を持ってしまったけれど先に進むことはなかった。
私たちの関係は一時の過ちとして2人の間で葬られ、これからもそれが復活することはないだろう。今まで通りの関係を再構築し、またいい友人として、時にはいい相談役として関わりを持つようにしようと話し合った。
…ここまでは表向きの結論で、実際は数ヶ月前の記事のようにいつまでも恋心が消せなくてグズグズメソメソし続けていた。
そもそも一度でも体を交わらせた人間同士が間髪入れずに元の状態に戻りましょうなんて、ムシのいい話はないのである。割り切っているならばありえるけれど、一方が好きだったらこれはもう、無理じゃん。
その後会っても普通に振舞っていたけど「私実はこの人とあんなことこんなことしたんだわ…」っていう悶々した思考回路は止まらなかった。それでなくても「好き」という気持ちがあるのだから、心情なんてメチャメチャなわけ。
平気な顔をしては、1人になると沢山泣いた。
抑えようとすればするほど想いは膨らむばかりで、風船のような感情は
いつか割れてしまうのか。
いつか壊れてしまうのか。
先の見えない「気持ちの終わり」を想像しては不安で涙が溢れた。
それから数ヶ月後。
清々しく消え去った恋心に、「まぁそんなもんだよな」と思った。
知っている。忘れられないと泣くことも、もう恋なんてできないと嘆くことも「そんなことは絶対ない」ということ。
何度も何度も経験してきたのよ。貴方が初めてなんかじゃない。
どれだけ泣いても必ずいつか忘れられるし、また人を好きになる。それが何年もかかることもあれば、数ヶ月で癒えることもあるのだと。
人の感情は変わってゆく。あんなに恋い焦がれた彼のこと、今ではなんとも思わない。
想いの風船は膨らみ続け、割れることなく途中でしぼんでしまった。…いっそ割れてしまってよかったのにな。
しぼんだ風船はまた膨らむこともあるから。