ピルを極める!超低用量ピルの服用方法について解説 ~周期的服用?連続服用? あなたはどちらを選びますか?~
現在ピル(LEP製剤)には大きく分けて2種類の飲み方があります。
① 周期的に飲む方法
② 3日以上の出血がない限り120日間、連続服用する方法
今までのピルはすべてが1つ目の方法で周期的に飲む方法でした。
・21日間の服用+7日間の休薬
・24日間の服用+4日間の休薬
※実際には休薬期間に偽薬として作用のない錠剤を服用する場合もあります。
『出典:acworks様』
しかし、近年は連続服用できる超低用量ピルが出ています。
私が実際に内服しているヤーズフレックス配合錠を例にして解説していきます。
連続服用とは?メリットについて
2つ目の方法で連続服用する場合は、
→服用25日目以降に3日間連続する出血がなければ、120日間服用し
翌日から4日間休薬する。
→3日間連続する出血があった場合、翌日から休薬する。
このような場合でフレキシブルに内服していきます。
分かりやすい例もバイエル薬品のHPに掲載されていました。
【出典】https://betterl.bayer.jp/whc/yazflex/method ヤーズフレックス配合錠の服用方法|バイエルウィメンズヘルス|バイエル薬品 (bayer.jp) から
つまり、月1回の出血をさらに2か月に1回などと頻度を減らせるというようになります。
正しい飲み方かどうかは分からないのですが、私は服用して40日目くらいから足の軽いむくみを感じたので、28日目から40日目の間で出血がなくても休薬をするようにしています。
私の場合、ヤーズフレックス配合錠を使用している時の出血量は本当に少量です。
普段の生理なら初日から3日目くらいまで夜用ナプキンを3時間ごとに交換する必要があったのですが、ヤーズフレックス配合錠を使用してからは昼用ナプキンでも安心で、交換しなくても漏れることはない(もちろん、トイレに行く度に交換しますが…)レベルまで出血が減っていきます。
それでも、出血がある時に子供を入浴させるのはなんだか不快です。
なので、私の場合は休薬したら3~4日後に出血が始まるのでそこにお休みが重なるように調整したいので、ヤーズフレックス配合錠を使用しています。
(こんな使い方認められるのかな?作用機序的には問題ないはず!!!)
連続服用の欠点ってあるの?
『出典:ポコポコさん』
連続服用の欠点についても考えてみたいと思います。ここでは2つ挙げます。
① 服用期間が延びれば、それだけ出血する可能性は高くなります。120日間出血がないならいいのですが、出血したタイミングで休薬を判断するので、いつ出血するかわからないのはある意味ストレスになるかもしれません。
② 超低用量ピルはピルでも、経口避妊薬としてではなく、月経困難症の治療として処方します。ですが、排卵を抑える作用があるのである程度の避妊効果はあります。しかし、やはり完全ではなく妊娠する可能性はゼロではありません。もしも、妊娠した場合、120日間ピルを飲んでいればその間は出血がないため、妊娠していたとしても気づかないことになります。
120日間ピルを内服して、休薬した後に、出血がない?→妊娠発覚!!となるので、妊娠しているのに、ピルを飲み続けるなんてことも可能性としてはあり得ます。そもそも、ピルは妊娠している人のために作られた薬ではないので、安全性は確立しているわけではありませんが、ピルのガイドラインでは妊娠初期にピルを内服してしまっていても催奇形性はほとんど知られていないとなっています。
まとめ
さてさて、今回は超低用量ピルの服用方法について少しマニアックですが、ピルを極める意味でお話してみました。
① 細かいことは考えずに、周期的に飲んでいきたい!という方は
→周期的に服用しましょう。
② 自分の都合に合わせたい!または、出血はなるべくしたくない!方は
→連続服用の方法を選択しましょう。
最後になりましたが、個人的にヤーズフレックスを飲んでいるだけでバイエル薬品さんとは何の関係もありません。連続服用ができる超低用量ピルとしては、他にジェミーナという薬がありこちらは77日間連続服用できます。
※専門的な話をすれば、ジェミーナは第2世代のピルなので第4世代のヤーズとは少し違います…。
※あと、余談ですが私はピルを処方する場合、患者さんに連続服用の話はしません。
正直いって、初めて飲む方に連続服用の話までは難しいかなと思っているからです。なので、産婦人科医の先生から連続服用の話を聞いていないからといってかかりつけの産婦人科医に不信感は抱かないでくださいね…。
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