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部署の専門家が優秀な管理職になれるのか[20240229]


日本の人事制度は、役職が上がると給料が上がる仕組みになっている。

これは、技術者だろうが経理担当だろうが関係無く役職と給料が正比例する仕組みだ。

日本ではと言っているくらいだから日本以外の国々では全く違う。

例えば、経理部長よりも営業課長の方が高収入と言うことは普通に有り得る。
(営業でも課長級になればコミッション型では無くなるので歩合給で勝っている訳ではない)

企業組織が大規模化して立ち行かなくなった為に専門分化していく。

専門分化についての是非についてここではコメントはしないが、弊害も多い。

専門分化したことによって「専門家」なるものが多岐にわたって生み出されてきた。

平社員で入社してきて15年くらいはその部署での「専門家」になるべく教育される。

そして15年を過ぎ、専門家としての自覚と誇りが出来てきた頃に管理職に昇進する。

例えばシステム開発の専門職や経理マンとしての専門職が存在するように、管理職も専門職なのである。

管理職などと言うから間違って理解する方もいると思うが、経営職とでも言った方が正しく理解できるのではないだろうか。

経営職と言ったら給料が高くなければと思われそうだが、初任の初級経営職なら新入社員と同じでも構わないくらいだと思う。

経営のこと何も分からないのだから当然である。

今までの専門分野についてのスキルは素晴らしいものだろう。

しかし経営職としては明らかに初級なのだから。

ITマネジメントは、経産省ではIT経営と訳している。

IT企画とかITマネジメントと言うのは、IT経営を専門領域とする『専門職』なのである。

ハーバード大学やMITを始め海外の一流大学では当たり前のようにITマネジメント領域を教えている。

一方、日本で教えている大学を見たことがない。

経営学部情報経営学科のような名前(正確に記すると大学名がバレるので)が付いている大学があるが、ここではシステム開発手法を教えている。

講義を覗いたことがあるが「プロジェクトマネジメント入門」といいつつ、何故か「プログラミング」で演習をしていた。

教員の大半は、ITベンダー出身者だと聞いた。

まあ、大手のITベンダーなどでは博士号を持ちの方々も多い。

ただ、経営に資するITは「IT開発が上手い」では立ち行かないのである。

国際デジタル競争力ランキング第32位の国の実像だ。

多分、日本が国際競争力を喪失している原因の一つがここになるのではなかろうか。

中期的な方向性や目標を立てないまま「エエもん安いから買ってね」という戦法で進もうとする。

先日来、株高だが「円が安いからmade in Japan買ってね」戦法が当たっているから株高なのか!?

そんな訳があるか。再度、記したい。

"Nice Landing, However wrong airport!"

こんな話があちらこちらで起きているのが日本ではないだろうか?

合同会社タッチコア 小西一有

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