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前提を間違えたら何にもならない[20240620]


先日、友人達と呑みながら話していた時に青森県の三沢空港の話になった。

きっかけは、日本海側の空港は自衛隊基地と共同利用になっていることが多いというコトからだ。

三沢基地は、航空自衛隊だけなく米空軍も利用している。

仕事で良く三沢基地を利用するという友人が言った。

「自衛隊も米軍も戦闘機を倉庫の外に出していて良く見えているのですが大丈夫なのかね?」

あれは、わざと見せているという考え方もあるのだと私は答えた。

今や、空港にどのような飛行機がいるのかなどということは普通に衛星から偵察することが可能だ。

だから「どうぞ、見て下さい」それで良いのである。

軍事利用される空港の目的は、有事のためではない。

凄く簡単に言うと有事を起こさないために航空機を配備するのである。

米空軍は、三沢基地にF-16戦闘機を配備していることを話すと、友人達は「何の話か!?」という反応だった。

「F-16って何ですか? それは凄いのですか?」

一番若いのが質問をした。

F-16戦闘機は、その気になればウラジオストクまで核弾頭を積んで、給油無しで往復出来る能力を有している。

相手側には凄く脅威に映るだろう。

F-16戦闘機は、小型軽量の戦闘機なので(F-15などに比べて)小回りも効くし対地攻撃性能も高いと言われている。

何が言いたいのか?

戦略と言うのは、そもそも軍隊やら戦争の時に使われる言葉である。

戦略には絶対的な方向性が実装されている。

現代では「戦うことを優先せず、戦わないことを優先する」ことが実装されている。

戦争するために兵器を配備するのではない。

戦わないで済ませるためにはどうすれば良いのか。

戦ったら「相当に被害が出る」、では「にらみ合いで済まそう」と考えさせることが大事なのだ。

こちらの武装を(仮想敵国などに)見せて上げて「面倒な相手だ」と思わせたらまずは成功である。

戦略とはそういうものなのだ。

戦い方を記しているのが「戦略の書」ではあるが、実戦方法や実戦への道程を記しているのでは無いと考えた方が良い。

ちなみに、軍隊や戦争の戦略の基本条件は「自軍の被害を最小にすること」である。

第二次大戦中の日本軍が実施した特攻や無謀な突撃は、基本とは真逆だったので敵国が驚いた訳だ。

しかし、大前提をひっくり返してしまったそれは、外交手段としての実力行使ではなくなってしまう。

合同会社タッチコア 小西一有

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