イノベーションについての悲しい現実-2[20240710]
今週は、イノベーションについて「悲しい現実」を見ていきたい。
昨日はイノベーションコンテストで食材廃棄を無くすために冷蔵庫改造(!?)の提案があったという話。
私は提案チームに例えばの話をした。
冷蔵庫を「1日分しか入らない程度」の大きさのものにしたらどうだろう。
冷蔵庫の中で「肥やし」を作ることは無くなるので、食材を廃棄することも無くなるだろう。
更に「冷蔵庫が小さくなれば電気代も安くなる」のではと、つい口にしてしまった。
コンテストの参加者が直ぐに調べてくれて分かったのは、大きな冷蔵庫も(単身者向けの)小さな冷蔵庫も電気代は変わらなかったりするということ。
大型冷蔵庫は、省エネ型コンプレッサーを搭載しており節電にアレコレと工夫を凝らしている。
一方で小型冷蔵庫は、そのような工夫は無い。
それどころか種類も少ないし、国内大手メーカーではラインナップに無いところもある。
(中国メーカーからはたくさん販売されている)
冷蔵庫メーカーは「高価で大きな冷蔵庫を売りたい」のである。
生産に関わるコスト・効率性を考えると小さなものに構っていられないのだろうが、企業エゴが丸見えになっているようで気持ち良く無い。
仮に、夫婦共働き世帯でも「小さな冷蔵庫で暮らせる」世の中になるアイディアを生み出すことが出来ても「小さな冷蔵庫を売りたくない」と考える人達が裏で手ぐすね引いているようではきっと浮かばれない。
悲しい現実だ。
国連が提唱したSDGs「世界中の人がヒトゴトにならないように」と制定した経緯が正にこのことである。
いち企業のエゴ(自社だけが利益を上げていれば良いという考え)を主張する世の中では、人類は地球上に存続出来ないのだという想いがある。
自社の儲けの中から「寄付する」という罪滅ぼしをしろという意味ではない。
そもそもの企業姿勢を正しなさいということなのである。
冷蔵庫の話に戻すと、小型カメラを付けるという提案をしたチームの皆さんは電気代が安くならないという話に「ほーらね」という顔。
いやいや、論点はそこではなかったはずなのだが。
そして、更に食材廃棄の問題に対応するというアイディアが別のチームから提案された。
続きは、また明日。
合同会社タッチコア 小西一有
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