情報という資源:価値観を変える必要性[20240808]
今週は「情報」という資源とコンサルティングについて話している。
昨日は「怪しい情報に飛びつくな」「価値のある情報は高価」であるといった話をした。
はっきりと「怪しい情報に飛びつくな」と言ってもベンダー(売りたいサイド)主催の無料セミナーに喜んで出掛けて行く人が後を絶たない。
日本人にとっての情報の価値は、インターネットが登場する際にこんな風に言われたものだ。
「ISPの利用料は、新聞代を上回ることは出来ない」
日本人が情報に支払う金額は、新聞代が上限でそれ以上は無理だと言う意味だ。
ちなみに、インターネットサービスが一般に提供され始めたのは1995年前後で、それから30年で様変わりしている。
しかし、日本人の情報に関する「価値観のベース」は変わらずその程度のものだろう。
情報の価値について説明していた際に、尋ねられたことがある。
「小西さんは、如何なる早耳情報をお持ちなのですか?」
早耳情報とは…何を言っているのやら。
「当然インサイダー情報は、取得しないように心掛けていますし、仮に職務上知り得たとしてもそれらを第三者にご提供することはありません」
企業の財務情報だけでなく技術情報にしても「公開」されて公知になった情報以外は取り扱わないのが弊社の流儀である。
コロナ以降は、若干変化していると聞くが、コンサルティング活動の納品物として「kg(キログラム:重さ)」単位で指定を受けるなんて笑い話も実在した。
手で触れることが出来、目方があるものしか信用出来ない日本人らしい馬鹿馬鹿しい話だ。
「公正」「中立」「第三者的」な情報を頼りに「自身で意志決定を下す」こと、更に組織をリードするのが経営者の役割である。
経営者にとって唯一無二の情報は財務情報のように考えている人も多いが、それでは自社の置かれている状況を見誤る可能性が高い。
私は、財務情報は先行きを見通すための情報ではなく「結果」であると考えている。
先行きを見通すのは誰にとっても至難の業である。
しかし、それを見通すことによって舵取りをするのが経営者の役割なのである。
「一寸先は闇」と言われる現代において先行きを見通すこと自体に何の意味があるのかと感じる人も少なくない。
実は、意味が無いと感じる方は「大正解」である。
先行きを見通すことに躍起になるのではなく「起こり得ることに速やかに対応する能力」を自社に備えることの方が大事である。
では、情報は必要ないのか?
だからこそ、価値ある情報が必要なのだ。
VUCA時代に必要なアジリティという経営能力が必要だというアドバイスこそが価値ある情報ではないだろうか?
早耳情報を欲したり、確実な将来予想を欲しがったりしている方々には理解出来ないかもしれない。
アジリティという経営能力に必要なモノ・コトとは、残念ながらIT装備ではない。
シナリオプランニング手法などで「気持ちや思考面から備える」ことが大事なのである。
自ら考えて自ら備えることが一番大事だというアドバイス、こういう情報が価値ある情報だと思う。
合同会社タッチコア 小西一有