見出し画像

理由は一律ではないが解決方法はある[20240621]


東京は一日中雨、そして例年より2週間以上遅い梅雨入りとなった。   梅雨入りが遅い時は豪雨による水害が多いらしい。           皆さま、どうぞ安全にお過ごしください。

さて、本日も戦略についお話をしたい。

先日、面白そうに見えたセミナーがあったので受講してみた。

簡単に言うと「経営戦略は何故全社に理解されないのか?」についての原因と対策というものだった。

原因分析が秀逸だと思ったのでご紹介したい。

(1)理解出来ない。そもそも書いてある内容がわからない

(2)理解は出来るが、賛同しかねる。

(3)理解も賛同もするが、「自分の日々の担務」との接続がわからない。「それはそれで。これはこれ。」になる。

(4)理解も賛同も自分ゴト化できているのに、「実際にはそうならない」

このような、4つの類型を提示していた。

このセミナーの講師はマーケティングの専門家だったので、(1)と(2)についての解決策には頷けた。

(1)の「理解出来ない」場合のそもそもの原因を取り除く。

経営戦略は分かり難いことが多い。

簡単に言うと分かりやすくしろというコトだった。

○「変える」のか「変えない」のか

○「成長のフェーズ」なのか「準備のフェーズ」なのか

○「投資」なのか「収穫」なのか

こういうことが明確に記述されておらず、メッセージが伝わらないのだと指摘があった。

まずは、ここをクリアしないと現場に正しく行動変容を起こすことが出来ないらしい。(その通りだと思う)

更に、日本企業は「予防線を張り過ぎ」との指摘もあった。

予防線を張りすぎるために「意味不明」になってメッセージが伝わらないのだと。

(2)についても面白い指摘があった。

講師は「賛同して貰えない」という訴えを聞いたら、このように尋ねることにしていると。

「なんでそんなに価値観が根本から合っていない人が社員にいるのですか?」

いやいや、その通りである。

今後、益々進む少子化により「超売り手市場」の労働マーケットにおいて、価値観が根本的に違う社員が大量に入社してくる可能性がある。

企業は、如何にこれらの価値観の違う人材に寄り添うのか。

ますます、戦略や更にその上のミッション、ビジョンが重要になってくるのである。

(3)(4)の原因についての説明はあまり無かったように思う。

私は、ここにビジネスプロセスという概念を導入して戦略と現場を繋ぐ方法を知っているので、マーケティング的なアプローチにはそもそも興味が無いからかも知れないが。

日本企業は、(1)(2)の課題についても概ね技術課題(テクノロジ・イシュー)に転嫁すれば解決すると考えていることに大いなる疑問を持たずにはいられない。

そして「それはそれで。これはこれ。」と言う現象にはビジネスプロセス(と言う概念)を導入することで解決したい。

更に「実際にはそうならない」という課題については、『正しいシステム投資』を実施することで解決したい。

ビジネスプロセスを正しく論理的に設計できたら、業務フローまで論理的に設計可能だ。

論理的設計とは、わかりやすく言うと「現状を調査したり理解したりしない」ということ。

あくまでも理屈だけを頼りに設計すると言うことが肝要である。

経営体が策定した戦略が現場まで理解されないのは様々な原因がある。

本当にしつこいようだが、テクノロジ・イシューでは無いということだ。

マネジメント・イシューなのだと、断言したい。

合同会社タッチコア 小西一有


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?