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業務改善:エコノミクスが成立するか否か[20240731]


今週は、業務改善をテーマに「軽目」の変更について話している。

業務改善と似た言葉に業務改革というものがある。

この両者の違いについてMicrosoftのCopilotに尋ねてみた。
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業務改善と業務改革は、どちらも業務の効率化を目指す取り組みですが、そのアプローチや影響の範囲に大きな違いがあります。

業務改善
•目的: 既存の業務プロセスを少しずつ改善し、効率を高めること。
•方法: PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を繰り返し、持続的に改善を行う。
•影響: 日常業務の中で行われるため、比較的少ない抵抗で実施可能。
•例: 作業手順の見直しや、ツールの導入による作業時間の短縮。
業務改革
•目的: 業務プロセス全体を抜本的に見直し、根本から再設計すること。
•方法: 現行のプロセスを一度破壊し、新しいプロセスを構築する一過性のプロジェクト。
•影響: 大規模な変革を伴うため、従業員の抵抗が大きくなることが多い。
•例: 新しいシステムの導入や、組織構造の再編成。

このように、業務改善は日常的な小さな改善を積み重ねるのに対し、業務改革は大規模な変革を伴うため、取り組み方や影響の範囲が異なります。どちらも重要な取り組みですが、目的や状況に応じて使い分けることが大切です。
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箇条書きに上手にまとめてくれているので、違和感をおぼえることも少ないのではないだろうか。

改善は、日々の活動の中でPDCAサイクルを回しながら実施するものだと理解できる。

この業務改善について、昨日は某企業の人事部門や生産部門に課題を尋ねたらという実例を挙げたが「そんなに分かっているのなら早く修正すれば良いのに!」と感じた方もおられるのではないか。

全くの別件でとあるIT企業の社長にこの話をしたところ「当社にも、この手のご依頼をいただきますが、正直困るのです」と言う。

一般的なITベンダーだと「おおきに!ご馳走さんだす」となるだろうに。

困るというのはどういうことか?

この社長は正直に話してくれた。

「ツールを作ったり、システムを改修したりする費用などを回収するのに軽く10年は掛かるのが目に見えているのです」

課題だと指摘していることは簡単なことばかりであり、機械化要件としての難易度は低い。

だからと言って、開発費用が安価でもないのは言うまでも無い。

要するに、最初から開発費用を上乗せすることもできず、のべたんその回収に時間が掛かると言う訳だ。

私は「業務改善はエコノミクスが成立するなら直ぐにやるべし」と断言している。

しかし、一般的な企業で言うところの課題(業務改善のネタ)は、エコノミクスが成立しないのだ。

「だからシステム開発の内製化を進めているのか!!」と考えた方、半分正解だが半分は不正解だ。

システム開発の内製化をしても開発費用は「無料」ではない。

開発をするとエコノミクスが成立しない案件を実施している間に、他に重要な開発案件が止まるという「機会損失」が発生している訳で実際には無茶苦茶な損失が発生しているのである。

「では、もう半分はノーコードツールによる現場開発をすれば良い」と考えた方がおられると思う。

もし現場で開発が出来る環境が整備されているのなら正解だが、課題レベルから鑑みて環境が整備されているとは言い難いだろう。

話は、少し変わるが氷山モデルという考え方がシステム思考にあることをご存知だろうか。

システム思考については、また何処かでご紹介したいと思うが、「氷山の一角」という通り、目に見えている現象は、そもそもの課題の根源は見えていないところに起因しているということだ。

なぜ、課題が山積されてしまうのかについて議論を深めなければ、エコノミクスが成立しない投資をしても、また3年も経てば似たような状況に陥るのだ。

どうすれば良いのか?

明日は、根本的な解決方法について考察してみたい。

合同会社タッチコア 小西一有

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