見出し画像

イノベーションのジレンマ、以前の話[20240322]


昨日は、バイアスがデザイン思考においてイノベーションを生み出す際に邪魔になるという話をした。

バイアスを取り除くことは難しいし、私も「常識的にコレは有り得ない」と考えたりしてしまう。

バイアスから逃れる為に「多様性」を重視するべきだ。

先日、某(お堅い系)企業のDXチームへ「一般家庭の主婦」「大学生」「看護師」をワークショップメンバーに加えてアイディア出しをしてみては如何かとアドバイスをしてみた。

「小西先生、それは多様性を担保しろと言うことでしょうか?」と言うので『ちゃんと分かっているのね』と安心した次の瞬間、真面目な顔でこういう答えが返ってきた。

相手:「過去、そのような事例が見当たりませんので、警備とか報酬支払とかの調整をするのに何年掛かるかわかりません」

私:「では、社歴の極端に短い中途採用社員や、現場採用になっている若い女性を含めてみましょう」

相手:「それも本部が違ったりするし、業務時間中に来て貰うわけにもいかず、当部署の都合で残業代を出す訳にもいきませんので」

心の中で「カ・イ・サ・ン」と叫びそうになった。

そう言えば、この会社、社長会見が動画になって公開されたりもしているのだが、七色に光り輝く「ゼ-んぶやる型の中期計画」だったことを思い出した。

上が上なら下も下だ…と、ため息が出た。

イノベーションを生み出せない原因はクリステンセン氏の「イノベーションのジレンマ」に書いてあることだけではない。

完全に硬直化した組織・ヒトによるものなのだ。

一言で言えば経営力の無さということだろうか。

社長が思うよりも、部下達は社長との距離を感じているのである。

まつりあげられているだけの社長、遠い頂の上にいる社長、100年前の規則通りに過去にやったことが無いことはやらない組織風土…。

ならば、何故にDXチームを作ったのか。

しかも、メンバーは超が付くほどの最優秀社員ばかりだ。

顔に『私、失敗しないので』と書いてある。

私:「この部署のKPIを年間失敗回数100回としませんか?」

そう提案した瞬間に、全メンバーの顔が凍り付いた。

さて、アドバイザー料金はおいくらいただけるだろうか!?

「お呼びじゃない」!?

合同会社タッチコア 小西一有


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?