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ビジネス戦略策定の順番を間違う[20240829]


今週は「順番が違う」話を紹介している。

昨日、IT導入に際して「最初にすべきはビジネス戦略をリファレンスすること」と説明をした。

今日は、このビジネス戦略を策定する際に「順番を間違えている」ことが多いという話をしたい。

皆さんも「中期経営計画」を3年に一度くらい策定されるだろうか、それが「戦略」である。

中計(中期計画)策定時期になると、経営企画部門から「予算」を策定するように指示があるのではないか?

もちろん、予算の背景になる事柄を特定しなければ3年分の予算は策定出来ないのだが、「何故、財務目標が先に降ってくるのか」

ビジネスの中期的な方向性が、先に降りてくるのが当たり前ではなかろうか。

経営者が「自社を何処に導きたいのか」が大前提のはずで、「経営者としての想い」を伝えることが第一である。

しかし、何故だか経営企画部が鉛筆を舐めて造り出した「財務目標」が一人歩きを始める。

また、中計は単年度の年次計画とは全然違うことにも留意が必要だ。

年次計画は、中計に基づいてより詳細なビジネス計画を立案することが必要である。

一方で中期計画には、人材育成(採用)計画や工場建設や営業所開設などの計画も含まれる。

何より大事にしたいのは「経営者の想い」を受けて「組織全体のケーパビリティの変化(成長)」を明確にしたい。

「中計の書」なるものを拝見することも多いが、市場環境(分析)とか業界トレンド、デジタルテクノロジの進展などがしっかりと説明されているものがよくある。

「経営者の想い」と「組織全体のケーパビリティの変化(成長)」について説明している資料を見たことが無い。

これを特定できないでで、どうやって中期的な経営を実施するのか不思議でたまならないのは私だけだろうか?

大手戦略(コンサル)ファームに数億円以上を支払って策定されたものも拝見したことがあるが「市場分析」は相応にしっかりと記述があったが、経営者の想いの記述は薄かった。

お客さまに「自社をどのように感じて欲しいのか」とか「新規ビジネスの方向性についての経営者の思い」が記述されているものも少ない。

ちなみに、最近は「中計の書」なるものは統合報告書と呼び名が変わっている。

順番は、経営者の想いが第一なのである。

何故、日本の会社は経営者が考えないで経営企画部に考えさせるのだろうか。
しかも、財務目標から始めることを「良し」とするのだろう?

合同会社タッチコア 小西一有

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