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生成AIにはない能力[20241023]


生成AIの礎であるディープラーニングが発表されたのと、ダニエル・ピンクのハイコンセプトが出版された時期が同じだ。

ハイコンセプトでは「新しいことを考え出す人の時代」という副題が付けられているとおり、それまで「多くのことを知っていて」「迅速かつ正確に情報処理できる」人が重宝されていたことについて語られていると言っても過言では無い。

現在でも、企業の教育・研修がそのころと同種の人材を育成しようとしているのだが「新しいことを考え出す人の時代」に対しての教育・研修プログラムが用意されているようには思えない。

某IT企業の部長からこんなことを言われた。

「当社業務は、クライアントから改善の提案を依頼されることはあるが、新しい何かを期待されることは無いのです」

生成AIが身近になった時代、大事なことはここからなので注意深く読んで欲しい。

現在の生成AIは、基本は「過去のナレッジをベース」にしているため、ホワイトカラーの生産性を向上させることは可能だが、新しいコトを考え出すことはできない。

私たち人間は、元来、新しいことを生み出す能力を持っている。

しかし、会社に入って10年も経過すると、こういう能力には封印されている。

企業で重要視される能力が「多くのことを知っていて」「迅速かつ正確に情報処理できる」能力だからである。

この手の能力は、圧倒的に生成AIにとって変わられると考えている。

提案書とか会議資料は生成AIを使用して簡単に作成する能力を身につけるとともに、新しいことを考える能力を育成していきたいと考えるのである。

生成AIを自身の右腕のように操作に精通することに大賛成だし、私自身もそうありたいと思う。

しかし、新しいことを生み出す能力も醸成していただきたい。

弊社のイノベーション創造(アイディア創出)講座は、第一義的に「柔らか頭」を作り出すことを目的にしている。

思いつきや空想を大事にしようという話ではない。

課題や問題点に対して注意深く「本質を見抜いて」、多様性の中でアイディアを創り出す能力を醸成する。

「当社業務は、クライアントさんから改善の提案を依頼されることはあるが、新しい何かを期待されることは無いのです」

この言葉が、ズシンと私にのし掛かっている。

それでよいのか?

求められなかったら、新規領域について提案しなくてもよいのか?

生成AI時代、新しいことを創り出す人々を支援してくれる時代と言われているのに、今までと同じように、言われたことを言われた通りに出来れば良いというような発言が企業の部長から出てくる。

是非、いろいろな方からご意見をいただければと思う。

合同会社タッチコア 小西一有

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