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違和感、を感じることができるかがスタート[20240327]


幼児にMRI検査を受診させるのは至難の業だという。

MRIの検査室と言えば、大人でも十分すぎるくらい怖い。

概ね薄暗いし、実際に検査が始まると轟音とともに一人狭い検査機に吸い込まれていく。

平静を保てるのは、MRIの機器開発を担当した人達だけではないだろうか?

幼児は泣き叫ぶし、検査機に吸い込まれている時に暴れる。

検査時間が掛かるし、良い映像が撮れる確率も下がる。

結果、生産効率が悪いということになる。

MRIは高価な検査機器である、生産性が悪いということになると収益の下がり方が尋常ではなくなる。

病院の経営に携わる者は「もっと生産性を上げろ!」と言う。

何も間違っては無い。

では幼児の検査を止めるのか?

そうはいかない…。そこでそれぞれの立場からそれぞれの対策を考えた。

小児科医は、MRI検査のオーダーを出した張本人でもあるので「検査中は眠っていて貰おう、全身麻酔をオーダーして」
となる。

MRI機器の開発者は「検査時間を短くするために検査プローブを高速回転させるようにしましょう」。

幼児の為というよりも、生産性を高めてるという病院経営者のための施策である。

しかし、小児科医の発想は究極の対症療法であり「幼児に麻酔」を安易にかけて良い訳は無いと世論から叱られる。

MRI機器の開発者のやったことは「検査機器の価格を現行機種の4倍に跳ね上がらせ」てしまい生産効率は上がったとしても経営に貢献しない。

主人公(受診する幼児)不在の課題解決を「自分の都合」だけで勝手に発想してしまう。

「氷山の一角」という言葉があるが、正に目に見えているコトしか考えない解決策しか生み出せない。

「麻酔する?」とか「検査機器が4倍の値段になる?」そういう違和感を持って欲しいのである。

「医療の話は難しいからさ」と言う方には無理強いはしない。

しかし、違和感を持ってくれたならば、「意味のイノベーション」の第一関門を突破できたと言えよう。

続きはまた明日。

合同会社タッチコア 小西一有

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