仕事には将来性がほしい~社内SE~[20240219]
先週は「社内SE」という名前の闇について話をした。
正直に言うと反響が少なかったのには拍子抜けだった。
さて、気を取り直して話を続けようと思う。
わかり易く言うと「社内SE」を自社の正社員として採用することが「闇」だということだ。
ユーザー企業の情シスの仕事は「企画」「開発」「運用」と3分類することが出来る。
社内SEは「運用」の仕事だが、これを雑用のようにこなしてはならないのだ。
「雑用に明け暮れている人材」のキャリアパスを如何に設定するつもりなのか?
正社員として採用したら、昇給させる必要もあるし、将来的にポジション・タイトルも必要になる。
「雑用に明け暮れる人材」の何処に将来性を見出すと言うのだろうか。
では外注すれば良いのか?
外注するにしても同様に「雑用に明け暮れる人材」だけで終わらせてはならないと思う。
短絡的に考えて人を当て込んではいけない。
大型汎用機をオンプレで運用していた時代は、24時間の運用要員に張り付いて貰うのが当然だった。
特に夜間はバッチ処理が正常終了するのを待って、テープでバックアップを取ったりするのが運用マンの仕事だった。
夜間処理が正常終了したらリアルオープンさせてホストや全国の端末の正常運用を開始したら夜勤者の仕事は終了していた。
ここで日勤の運用要員に交代する。
こういう定常的な運用仕事も現代ではロボティクスも含め自動化が進んでいて無人化が進んでいる。
「社内SE」を自社社員で設置するのはシステム運用の設計を手抜きしたからではないか。
「お金が足りなかっただけです」と言うかもしれないが、社内SEを雇用する将来コストを考えたことがあるだろうか。
聞いたことがあるかもしれないが「TCO(Total Cost of Ownership)」という言葉ある。
簡単に言うと、システムを保有するために掛かる全てのコストを把握しなさいという考え方だ。
社内SEを設置している企業では「人件費は別勘定」に計上して誤魔化しているに違いない。
しっかりと運用費用に計上してTCOの中に入れ込まなければならない。
情シスの仕事は、企画・開発・運用と言ったが、こういう考え方がしっかり出来ていないのなら「企画」が仕事をしていない。
「システム企画とは何ですか?」
この仕事の理解が乏しいということは情シスがまともに機能していないことを示す。
今週は、社内の情シスはどのような仕事をすべきなのかを問うていきたい。
合同会社タッチコア 小西一有
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