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「当社は、仲良くやっていますよ。心配は要りません」[20240725]


昨日は、土用の丑の日だったそうだ。
平賀源内がマーケティングの一環で「鰻を食べる日」とした話は有名だが、それにしても「日本中で鰻を食す日」と誰もが知っていると言うのは素晴らしい。
もし、平賀源内が生きていたら弊社のマーケティングに是非とも知恵をお借りしたいものだ。

実は、弊社で少し話題になっていることがある。
「小西さんが”ソリューション嫌い”なのは理解出来ますが、弊社がご提供するサービスはクライアントにとって合理的に役立つということを訴求しなければなりません。」
つまり、弊社はソリューションを提供すべきなのではないでしょうか?
と、こういう話である。
私は「ソリューション嫌い」なのではないが、イノベーションのアイディアを創造する時に「ソリューション=出来そうなコト」を発想するのが面白くないのである。
しかし、当社が如何なるソリューションを提供するのかは、確かに大事な話である。
「正しいコト」をする為の知見を届ける、だけではお客さまは振り向いてくれない。

さて、話を本題に戻す。

今週は、ちょっと笑えるが、イノベーションが生まれない深刻な現実について話している。

昨日の続き(ベクトルの違う組織)で、少し話しておかなければならないことがある。

両利きの経営や二階建ての経営について、イノベ組織と非イノベ組織のマネジメントを分けましょうと話をした。

すると、こんな話を聞いてしまった。

「当社は、仲良くやっていますよ。心配は要りません」

それは結構なお話だが、恐らく本当の姿がこの役員には見えていないように思う。

実は、どの企業でも表面上は「仲良くしているように見える」のだ。

では、何が問題になるのか?

それはイノベ組織が、非イノベ組織に「借り物」をする時だ。

借り物とは何か。

非イノベ組織は、本番系の資源を多く持っている。

イノベ組織は、殆どの場合「プロトタイピング系」の資源しかない。

精度の高い開発が必要な場合は、本番系をお借りするしかない。

例えば「高炉を拝借したいのですが」とイノベ組織が言ったとしたら何が起きるか?

執拗なまでの「いけず」が待っているに違いない。

当然だが高炉を借りるなんて非常識な話が通る訳ないのだ。

ソフトウェアにだって同じような話がある。

イノベ組織がプロトタイピングしたプロダクトをリファクタリングして本番移行する場合はどうするのか?

非イノベ組織は、リファクタリングが上手である。

もっと言うと、イノベ組織はリファクタリングの文字が辞書に無いだろう。

リファクタリングをお願いするも「自分でやれよ!」と言われておしまいになるケースを、私も見てきた。

更に、具合の悪いことに経営者は、マスコミなどにイノベ組織の躍進を宣伝したりする。

非イノベ組織は、自分達は「搾り取られるだけで、愛されていない」と勘違いしてしまう。

昨日、掲げた3つの施策は可能な限り素早く実施した方が良いと思う。

しかも、経営者自らが実施するべきである。

間違ってもイノベ組織に指示をしてやらせてはならない。
(以前のクライアントで、これをやって大失敗したのを見たことがある)

本当に仲が良い状態と言うのは、本番系の資源を借りる時に見えるものである。

上手くいっている組織は「経営者の愛」で溢れているのだ。

合同会社タッチコア 小西一有

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