業務改革:最大のコストはどこに[20241004]
皆さんは「Conwayの法則」と「逆Conwayの法則」をご存じだろうか?
MicrosoftのCopilotに聞いてみた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーコンウェイの法則は、1968年にメルビン・コンウェイによって提唱された法則で、「システムを設計する組織は、その組織のコミュニケーション構造を反映した設計を生み出す」というものです。例えば、ある組織内でチームAとチームBが頻繁にコミュニケーションを取っている場合、その組織が設計するシステムもチームAとチームBの間で密接に連携するような構造になる傾向があります。
一方、逆コンウェイの法則は、この法則を逆手に取ったもので、最適なシステム設計を実現するために、組織構造をシステムアーキテクチャに合わせて設計するという考え方です。これにより、チーム間のコミュニケーションコストを削減し、システムの変更コストも抑えることが期待されます3。
どちらの法則も、組織とシステム設計の関係を理解する上で非常に重要です。
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業務改革の目的で第一位は「コスト削減」であると言われている。
では、コストとは何だろうか?
99%のシステムエンジニア(SE)が「重複業務」と回答するだろう。
重複は確かに圧倒的にそこは無駄である。
また、簡単に機械化可能なのに手作業でやっているのも無駄と言える。
しかし「Conwayの法則」と「逆Conwayの法則」によると「コミュニケーションコスト」に注目しているではないか。
このコミュニケーションコストとは、何か???
更にMicrosoftのCopilotに聞いてみよう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー具体的には、以下のような点が挙げられます:
チーム間のコミュニケーション:異なるチーム間でのコミュニケーションが少ない場合、そのチームが設計するシステムのコンポーネント間のインターフェースも少なくなりがちです。
コミュニケーションの質:頻繁にコミュニケーションを取るチームは、より複雑で密接なインターフェースを持つシステムを設計する傾向があります。
組織構造の影響:組織の物理的な配置やチームの構成が、システムのアーキテクチャに直接影響を与えます。
Conwayの法則を理解することで、組織のコミュニケーション構造を改善し、より効率的なシステム設計を目指すことができます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上のことを言い換えると…。
システム構築の時に業務設計をする際、組織特有のコミュニケーション構造を反映するように業務もシステムも設計されるが、これはチーム間のコミュニケーション量や質を無視しているのでコミュニケーションコストが低減されることはない。
コミュニケーションコストとは、具体的にどんなところに影響を及ぼすのか。
新しい製品を作るときに「リードタイム」というものがあるのだがご存知だろうか?
製品を作ると意志決定がなされてから、市場に製品が出るまでの時間のことである。
これが、短縮出来ないという状況が起きる。
新製品を作るのだから「手探りで生産ラインを作るのだから当然でしょう」と言うかもしれないが、様々な部門で発生する「調整コスト」を計測したことはあるだろうか?
情報が行ったり来たりして、実に様々な場面で調整が行われて「手戻り」が発生するのではないか。
残念なことに、これは当たり前ではない。
アーキテクチャ(業務構造)が理解されて業務設計できている「シーメンス(独)」ではリードタイムの極小化が可能だ。
同様にCO2排出を極小化する生産ラインも設計可能である。
彼らは、その為にデジタルツインを完成させていたのだ。
リアルの生産ラインに様々なセンサーを設置して、死角に十分に注意しカメラも設置する。
デジタルツインとは、全てデータ化して工場にいなくても工場がいかに稼働しているかをバーチャル上で実現出来ることを指している。
これは、組織間の調整コストを大きく低減させるために実行していたと考えて良い。
日本企業の最大のコストは「組織内にある他所のチームとの調整コストにある」。
これは、忘れてはならない。
合同会社タッチコア 小西一有
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