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役職には意味があるー情シス本部長[20241118]


先々週はCIOとは本当にオワコンなのか。そして、先週はIT支出という切り口でITマネジメントの重要性について話してきた。

「当社においてITはコア(中心)ではない」という経営者は少なくない。

そのこと自体は否定しないが、放置しても良い問題でもないことに気付かなければならないと思う。

さて、CIOが必要ではないかと話をしたところ、こんなご意見・ご質問をいただいたので、今週はこれをテーマにしたい。

「当社にはCIOはいません。そもそも、当社はチーフオフィサー制度を採用していません。CxOというのは、海外かぶれのマネジメントスタイルではないのでしょうか?」

なかなか鋭いご質問・ご意見だ。

実際、日本でCxO体制をとっている企業は少ない。(段々増えているとも聞くが、(私は)疑っている)

そもそも、

「CIOと執行役員・情報システム本部長とは何が違うのか?」
「執行役員・財務本部長とCFOとは何が違うのか?」
「執行役員・人事本部長をCHROとは何が違うのか?」

などCxOという体制に懐疑的な日本企業は多い。

そこで、○○本部長と、チーフオフィサーの違いについて考えてみたい。

○○本部長とは、凄く簡単に言うと縦割り組織の「長」ということだ。

情報システム本部長というのは情報システム本部の「長」であり、縦割り組織の利益代表だという意味である。

会社全体の成長戦略に従うことよりも、情報システム本部の利益を優先するという振る舞いをするはずだ。

では「執行役員・情シス本部長」「常務執行役員・情シス本部長」はどうだろうか?

これは少し厄介で、執行役員という制度にどのような意味を持たせるかは会社によって違う。

執行役員とは、社内の階級で部長よりも上という意味しか持たない場合もあるし、会社全体の全体最適を求められる役職かもしれない、決まっていないのだ。

ただ、執行役員よりは常務執行役員の方が、更には専務執行役員の方が上位役職だということは言える。

なので「執行役員・情シス本部長」「常務執行役員・情シス本部長」といった場合は、情シス本部長のジョブサイズを表現している可能性もある。

言い換えると情シス本部長は平の執行役員クラスの責務なのか、常務クラスなのかを明示しているということになる。

「本部長を務めていた人物が出世する場合もありますよね!?」

そう、その場合もある。

会社によって、何を示しているのかわからないのが執行役員という制度なのだ。

余談だが、執行役員という言葉は、ソニーの故大賀典雄氏が造った言葉だ。

取締役の数を極端に減らす際に、現行の役員達から取締役を辞めて貰わなければならないので、編み出してきた言葉が執行役員だった。

取締役は、会社法による責任を問われない「従業員」と言う意味だから取締役⇒執行役員になったら「降格された」と感じてしまうので、大賀氏は「取締役」を常務執行役員に、常務取締役は専務執行役員に、専務取締役は、副社長執行役員にと見た目の階級を上げて皆さんを納得させたそうだ。

今日は、情シス本部長について話しをした。

さて、明日はCIOについて話しをしたい。

合同会社タッチコア 小西一有

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