アマン・スパ 心と身体の気高さを取りもどすジャーニー
※「ハニカムブログ 」2017年6月6日記事より転載
東京、大手町の森のそばに佇む アマンリゾート初のシティホテルであるアマン東京。
先日、その34階にある「アマン・スパ」に訪れました。
セラピストになってすぐの頃、私もホテルスパで働いていたことがあります。
今でこそ「ホテルにスパは必ずあるもの」という認識が一般的になっていますが、当時はちょうど日本のホテルが「スパ」を取り入れ始めた黎明期。
様々なホテルが、それぞれの個性を出しながら新しいスパがたくさん創りだされていました。
当時私が働いていたのは、東京近郊では珍しい海が目前のスパ。
海をゆく船の光を眺めたり、満月が季節とともに位置を変えるのを眺めたりしながらのセラピーは、お客様の満足度ももちろんのこと、セラピーを行うセラピストたちの心をも豊かにするものでした。
ホテルのラウンジや、
エレベーターへのアプローチ。
全て、日本の伝統や陰翳礼讃の魅力を感じさせながらもフューチャリスティックなテイスト。
ノマディック・ボディワークを提唱している身としては、セラピー・セッションは世界のどこでも、どんな場所でもできる、と思っていますが...。
あらゆる面で最高の空間と時間を提供すべく粋を極めた「ホテル」という場所で受けるセラピーのご褒美感は、やはり格別。
それが、「アマン」ならことさら、です。
アマン東京のバス・エリアは、展望抜群!
今でこそ「癒し」や「リラクゼーション」を目的としたプログラムを提供する場所、とうい大きな意味を含むようになってきた「スパ」ですが、元来は温泉や水を用いたセラピーを提供する場所でありました。
実は、温泉が豊富な日本では、古くからそうした「スパ文化」が根付いていると言えるわけです。
たっぷりとお湯が注ぐ音も気持ち良い。
お風呂が気持ちいいのはもちろんですが、秀逸だったのがスチームルーム。
モロッコのハマムのように、背中壁にぴったりとつけて、足を椅子の上で伸ばして、身体をじんわりと温めます。
墨のような漆黒の空間に、檜の香りのミストが満たされて...絶妙なメディテーション空間でした。
湯気モウモウなので写真じゃわからないですね(笑)
たっぷりと用意されているアメニティや浴衣、タオル。
このタオルがまたふっかふか&包まれ感抜群の大きさ。
こんなところでも「さすが」と唸ってしまいます。
用意された浴衣にお着替え。
日本人の私たちにとっては自然なことだけど、ご入浴されている海外の方たちが嬉しそうに浴衣を身にまとっている姿が微笑ましい。
日本の伝統的なお風呂に欠かせない手桶や、しゃがんでシャワーを浴びる「銭湯スタイル」もきっと新鮮に感じるんだろうな。
整然とした廊下は歩いているだけでも心が整ってゆくよう。
今回のお部屋は「柊(ヒイラギ)」。
気高さすら感じる、美しく整えられた室内。
まずはプレ・カウンセリングとフットバスからです。
千利休が愛した黒文字の香りをゆったりと味わいながら、深呼吸を。
玉砂利が入ったフットバスの中で、ヒマラヤソルトのスクラブをつかってのフットリチュアル。
ソルトが皮膚の上で優しく擦れる感覚が気持ちよい。
呼吸と足元から、丁寧に清められてゆきます。
トリートメントオイルは4種類。アマンオリジナルのリラックス、エナジャイズのオイルと...
ん!?この香りは覚えがある。。。
イギリス発のラグジュアリーなオーガニックコスメの最高峰 ilaのVEとインピース!
私もセラピーで取り入れている ilaですが、なんと今年の春からアマン・スパでも全ラインを導入しているのです。
これは極上の取り合わせ!
広々とした空間の中で、生え抜きのスパ・セラピストによるオーダメイドなシークエンスを堪能。
職業柄、どんなセラピーをしているのか気になってしまうのですが...
適所に盛り込まれる前腕によるディープティシューのテクニックに唸りながらも、わりとすぐに意識がサヨウナラ(笑)
あとで聞いてみると、私を担当してくれた方はオーストラリアでリメディアルセラピーを学んだ方。
セラピストらしからぬ手入れ不行き届きな私の身体を、丹念にほぐしてくれました。
セラピー後のリフレッシュメントに、三年番茶と金平糖。
彩りある金平糖は緑が抹茶、黒が黒糖でそれぞれしっかりお味が付いています。
着替えのためにバスエリアに戻ったので、もう一度入浴。
同じお風呂のはずですが、セラピーの前とは景色の見え方や、ふぅ〜っと呼吸を吐く感じが明らかにちがう。
さっと浸かるだけのつもりが、かなりじっくりと温まってしまいました。
AMANでの時間は、とても贅沢。
心ゆくまで自分を慈しみたいとき、未来に向けて気合を入れたいとき。
こうしたとっておきの舞台装置とセラピーが、心と身体の気高さを取り戻す助けとなるように思います。
私のヴァイタル・タッチセラピーに訪れてくれる方にも、そうした時間を提供できますように。
■ 小松ゆり子 official web site
http://yurikokomatsu.com