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暗闇から立ち昇る光。伊藤詩織監督『SunCatchers』。

今年の夏、ある暑い日の朝に友人のイシイシから「表参道に行くからもしタイミング合えば一緒にどうですか?」というお誘いを受けて、奇跡的に時間がつくれたので合流したのは、とあるドキュメンタリーフィルムの撮影。

普段は千葉の館山に住むイシイシが、愛娘のレイちゃんと共に奥さんの誕生日プレゼントを買いに、南青山にある老舗の和菓子屋に買いにいくのを撮影するとのこと。

その和菓子屋さんは改装移転中だったのを知らずに向かっていたようで、急遽わたしが仮店舗へとご案内することになり、ついでに私も「友人」として銀幕デビューすることになりました(笑)

そのドキュメンタリー・ムービーが、ジャーナリスト伊藤詩織さんが監督した『SunCatchers』。

「4年前に突然視力を失った石井さんは、光のない世界での新しい生活を余儀なくされた。幼い我が子の顔が見えなくなる、家の中でも自由に動けないなど混乱を乗り越えながら思い出したのは過去に体験した暗闇の中で視覚障がい者と出会い、体験する施設だった。」(イベントweb siteより転載)

ある朝突然に視力失ったイシイシが、ドキュメンタリー・フィルムの主人公として登場します。10分間のショートムービーなので、ぜひ見てみてください。

イシイシはもちろんのこと石井家みんなが「サンキャッチャー」のように光のなかでキラキラと輝いている。

通常版とバリアフリー版があります。

SunCatchers【通常版】
https://creators.yahoo.co.jp/itoshiori/0200082531

‪SunCatchers【バリアフリー版】 Yahoo! JAPAN クリエイターズプログラム
https://yahoo.jp/Ze5McQ 

このムービーを観たピーター・バラカンさんが、Twitterで紹介してくれています。

イシイシは、私が主宰する「NOMADIC BODYWORK ORGANIZATION」というセラピスト集団の一人でもあって、毎年たくさんの音楽イベントに参加してくれているのです。

バラカンさんのイベント「Peter Barakan's LIVE MAGIC!」にも毎年出店させていただいています。

このイベントに参加することが、バラカンさん大好きな彼の回復へのモチベーションの1つだと知っていたので、こうやって気にかけてくださっているのがとてもうれしい。

たまたま私がイシイシとある日出会って。

たまたま私が音楽業界の先輩から音楽イベントでのセラピー出店を依頼されて。

そんなたまたまがつながって、いろんな出会いの起点となり、ある人のある人生の瞬間を支えることもある。

いつも、私たちの日常はそうやって偶然からかけがえのないつながりへと発展する。

Time誌が選ぶ「世界に最も影響を与えた100人」にも選出された詩織さんはとても可愛らしくて、知性が迸っていて、めっちゃ身体の幅が薄かった(笑)

どこに内臓入っているのかな?というくらいスレンダーだけれど、その内側の生命は溌剌としていて、重い機材を一人で抱えながらシャッターチャンスと見るとタタタっと走っていく姿が印象的だった。

そして、その口からは真実の言葉しかでないということを、信じられる人。

プレミアム上映の時、イシイシと監督の詩織さんが参加するトークイベントもありました。

色々良いお話満載だったのだけど、トークイベントの中で、私たち自身が目を閉じてさらに手で覆って暗闇を作って映像を「観る」ということをする時間があって、それがとてもよかった。

目を閉じてみると、言葉が身体に落ちていく感覚が明確になり、心地よい言葉や声を発する人であれるように、という気持ちになった。そして、脳内のイマジネーションがとてもふくよかになる。

感覚を封じることで、また新しい世界との関係性が立ち昇る。
触れることを封じられれば、新しい形で繋がろうとする。

人間は有機的だ。

**■ 小松ゆり子 official web site

http://yurikokomatsu.com**

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