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宇宙とつながる春分。ジェフ・ミルズ「PLANETS」
※「ハニカムブログ 」2017年3月21日記事より転載
春分。
程よい自然光が降り注ぐアトリエでセラピー・セッションをしていると、いつも暗くなるタイミングで「あれっ?まだ陽が落ちない」と、春が分かたれたことを実感しました。
春分には色々な意味があるようです。
昼と夜がほぼ同じ長さになる日。
「自然をたたえ、生命をいつくしむ日」。
また、12星座を一つのサイクルと考える西洋占星術では、そのスタートである牡羊座が太陽に入る春分の日を「宇宙元旦」として、占星術的新年と考えることもあるようです。
一般的な新年に加えて、旧正月、節分、宇宙元旦と...
一年のスタートを切り損ねた人には何度も心を入れ替えるチャンスが訪れる、優しい考え方!(笑)
さらに、春分と秋分の前後3日は「お彼岸」と言って、あの世とのコネクションが強くなるという風にも言います。
何れにしても、宇宙の法則や連綿たる歴史に想いを馳せてみるのに最適な日と言えるでしょうか。
ということで、今晩のBGMははジェフ・ミルズのニューアルバム「PLANETS」。
その音の世界観も、彼自身のビジュアルも「宇宙」感たっぷりなジェフが、10年かけて完成させた、まさに「聴く宇宙旅行」。
2月に行われた東京フィルとのコラボレーション「爆クラpresents ジェフ・ミルズ×東京フィルハーモニー交響楽団×バッティストー二〜 クラッシック体感系 Ⅱ 宇宙と時間」。
主催の湯山玲子さんの「音が素晴らしいから、絶対大阪まで来た方がいいわよ!!」という力強い声に、大阪フェスティバルホールまで遠征したのだけど、正解!
やはり、宇宙人並みに顔小さい!!(笑)
フェスティバルホール自体もかなりスペイシーな作りだった。
もちろん、その演奏も。
まさに惑星の果てまで飛ばされ、有限を生き、無限を感じる時間でした。
オーケストラによる、体の中の水を振動させる音の広がり。
若き巨匠バッティストーニの、まるで宇宙空間のエネルギーを「気」として操って音に変換しているかのような、動き。
爆クラらしく、より音に対する理解が深まる選曲と構成。
中でも、100台のメトロノームが一度に鳴らされるリゲティの『ポエム・サンフォニック』では、宇宙が混沌と調和から生まれ、共鳴し、そして終焉を迎えるまでを、まさに「体感」。
そして、メインイベントとなるアルバム「PLANETS」の演奏はなんとノンストップ60分!
ジェフはこの音源を作成するにあたって、太陽系の9つの惑星について徹底リサーチしたそう。
「各惑星の物理的構造、自転速度、質量密度、水の存在についてなど、音楽を作曲するのに活用できそうな実際のデータに基づいた情報を可能な限り集めていきました。」
「惑星について調べた情報を元に音楽を作るのは複雑な作業でした。科学的な事実を音符やリズムにするための、いわば新しいアルファベットが必要でした。地球、火星、冥王星のように水がある惑星には似たリズムをつけて水の要素を表現しました。また、岩やガスが特徴的な惑星は、全体のサウンドの質感で表現していきました。自転速度は楽曲のテンポで、惑星の直径は曲の長さで表現し、太陽からの距離と惑星に当たる光の量で全体の曲調を決めていきました。」(以上、ライナーノーツより)
荘厳な「水星」から始まる、水金地火木土天海冥の惑星を巡る、宇宙旅行。
占星術でいうパーソナルプラネットを超えて、土星に入るあたりからどんどんミニマルに深くなって...うっかりアストラル・スリープに入ってしまうのもまた臨場感あって良し(笑)。
私たちは、常に宇宙の塵にすぎない存在である。
それは、悲観しているわけではなく単なる事実。
塵が集まり、何億年もかけて星となり、また何億年か後に塵になる。
その中で「意識」を持つ生命が生まれ、生きるその確率。
意識を持った一粒の塵である私たちもまた、またいつの日か宇宙へと帰っていく。
「意識」を持っているからこそ、その塵として与えられた数十年の命は、なるべく輝いていきたいものです。
■ 小松ゆり子 official web site
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