回復の泉のような場所を目指して
※「ハニカムブログ 」2017年3月3日記事より転載
私のプライベート・アトリエ「corpo e alma」のパンフレットを作成しました。
デザインは、ヴォーグ、エル、ハーパースなど、名だたるファッション誌のエディトリアルを担当していた鈴木健太郎くんにお願いしました。
頭の中でぼんやりと漂うイメージや、散乱していたロゴや写真素材、細かい文字要素をまとめ上げていく様は、まるで錬金術師!
デザインって無形のものから有形のものに変換する力でもあり、ある種のサイキック能力なのではないだろうか。
ビジュアルのキーになっているのは、私が旅した世界の海。
ギリシャのサントリーニ島は、伝説の大陸アトランティスがあったという逸話がある場所。
アトランティス大陸は一夜で沈んでしまったというけれど。
私にとってサントリーニ島の海はそうしたリセットの後の「全てが始まる場所」を感じさせる。
そして、もう一つは私のトリートメントの核になっている、エサレン®️ボディワークを生んだカルフォルニア州ビッグサーの海。
かつてネイティブアメリカンである「エサレン族」の聖地であった場所が、1960年代にヒューマンポテンシャルムーブメントの本拠地となったのです。
その海の波は近くで見るとかなり荒いのだけれど、土地の威厳がそれを中和するのか非常に瞑想的な面持ち。
アトリエを構えた時、セラピーを提供する場所でありながら、一般的な「セラピー・サロン」という概念はどうもしっくりこなくて。
人生という世界を旅する人たちが、ふと立ち寄る回復の泉のような場所。
ここで出会い、疲れた心と身体を休めて、またどこかへ旅立つ。
ある時振り返って「あの場所に足を運んだことが人生に影響を与えたのかもしれない」と、一瞬思い出すような。
そんな、小さくても不思議な力を宿した場所になれば良いなと思っていました。
そして「触れる」というボディランゲージを通じて、身体を回復させつつも、目に見えないものを伝えていけたらと。
セラピストになって14年、アトリエを構えて5年目にして、やっとそんな感じになってきたかなぁ〜。
■ 小松ゆり子 official web site
http://yurikokomatsu.com