アントニオ・タブッキ「インド夜想曲」と深夜のアロマセラピー
※「ハニカムブログ 」2018年7月23日記事より転載
最近では滅多に小説を読まなくなってしまったけど。
こうも暑いと、頭の中だけでも旅に出さないとやってられない。
寝苦しい夜に合う「インド夜想曲」は暑さが舞台装置となるような小説。
インドの街から街へ、ゆらゆらと旅を続ける物語を傍観し、ふと本から目を上げると、自分の人生全てがまやかしのように感じられる。
暑さに自分の人生が溶けてしまったような。
イランイラン、ベンゾイン、サンダルウッド。
わざと、まとわりつくように甘く、重たい精油を部屋に漂わせて、異国の夜に迷い込んだ気分を楽しむのがおすすめ。
■ 小松ゆり子 official web site
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