
『2度のうつ病を経験した半生と今』#3
noteをこれから書き始めるにあたって、私のこれまでの歩みを何回かに分けて紹介しています。今回はその第3回目。大学時代編です。
3.世界を旅した大学時代
歴史を学ぶ大切さと面白さを知った私は、大学へ行って歴史の勉強をしたいと思うようになりました。しかし、ここでも親の反対に遭います。
「文学部は就職に不利だ。経済学部か商学部を受験しなさい」
「歴史を勉強しても将来それで生活していくのは厳しい。やめときなさい」
高校の受験先について親の猛反発を受けた記憶がまだ色褪せないうちに、またも親からの後押しを貰えませんでした。
「学部って就活の有利不利で決めるアイコンなの?」
「大学って学ぶために行く所じゃないの?」
やりたいこと(学びたいこと)は見つかっていないけど、とりあえず大学へは行っておかないとマズいかな、という感覚で大学へ進学することは、この際あっても良いと思います。しかし私は違いました。学びたいことがありました。やってみたいこともありました。それでも親を説得できるほどの熱量と自信がなかったのかもしれません。
親と何度か話した結果、現役で国立大であれば私の好きな学部(文学部系)を受験しても良いと言われました。ただし、それと同時に私大も受験し、かつ浪人した場合は、親が言うところの「就職に強い学部」を受験するという条件付きでした。条件付きであっても自分の希望を通せただけ、高校受験の時よりは自分は進歩したのかもしれません。
現役合格でしか自分の学びたい学部へは行けないことになった私は、いわゆる「滑り止め」は受験せず、私大は学力相応校を2校だけ受験しました。その結果、親の思惑通り(?)国立大は不合格となり、私大2校のうち1校から合格をいただく形になりました。浪人しても希望の学部は受験できません。私は唯一合格をいただいた大学へ進学することになりました。
さて、大学の4年間をどう過ごそうか。私は大学に入学してすぐにそれを考えなくてはいけなくなりました。何しろ興味のない「経済学部」に入学した私は、大学の授業科目に興味を見出すことが難しかったからです。「鉄ヲタ」であり、「歴ヲタ」である私が充実した時間を過ごせることって何だろうか。そこで思いついたのが、
旅をする
ということでした。どこに行きたいか考え始めると、高校の頃に世界史の授業で夢中になって講義を聞いていた時の、色々な場面が頭の中を駆け巡りました。
「ロゼッタストーンを見てみたい!」(←イギリス)
「シノン城へ行ってみたい!」(←フランス)
「アルハンブラ宮殿を見てみたい!」(←スペイン)
「ミュンヘン会談の会場を見てみたい!」(←ドイツ)
世界各地(主に西欧)にある、高校の教科書に載るような歴史の舞台となった場所に実際に行ってみたい。そう考え始めると次から次に行きたい場所が思い浮かんできました。そして、最終的には卒業旅行と銘打って、
「モアイ像に会いに行く!」(←チリ)
を目標に、大学生活を自分の旅のスキルを上げていく4年間にしよう、そう決意しました。
私はその目標のために、大学ではサークルには入らず、アルバイトでお金を貯めては長期休暇を利用して1か月単位で世界を旅して周りました。特にヨーロッパは見たい所が多いうえ、鉄道網が発達しているので、鉄道で移動することで「鉄ヲタ」と「歴ヲタ」の両方を満足させてくれる最高の環境でした。
そして、大学4年の卒業旅行で、念願だったイースター島へ無事に上陸を果たしたのです。
つづく