あのんss下書き

今回は愛音と燈ちゃんがでてくるお話。
愛音は、祥子と燈(じゃなくてもそよ、立希もありえる...?)が言い合っている時に、MyGO!!!!!メンバーに投げかけられた強めの言葉に怒って、横から口出しして祥子とバチバチになりそうだなぁ、というかなってほしいなぁって思います。
「待って、今の意味わかんないんだけど」「あなたには関係のないことですわ」「関係ありますけどー?」とか言って。

ーーーー

「ともりん、そろそろバンド練の時間だし行こっか。」

「あ...。もうこんな時間。準備、するね。」

「まだ余裕あるから、急がなくても大丈夫だよー。」

放課後、バンド練まで少し時間があったのでともりんと天文部の部室で時間を潰していた。
ともりんは相変わらず詞を作っているのか、ノートに向かって何かを書いている。このモードに入ってるとちょっと止めるの申し訳なくなっちゃうんだよなー。でもこれがともりんだよね。とか思いながらSNSのチェック。

おっ、MyGO!!!!!アカウントのフォロワー増えてる。この前のライブの感想も書いてくれてるし。やっぱりいいライブ出来たってことだよね。うんうん。

「あのちゃん、準備できたよ。」

「おっけー、じゃあ行こっか!」

「...あのちゃん、何かいいこと、あった?すごく、嬉しい、って顔してる、気がする。」

「んー?SNSでこの前のライブの感想見ててさー!」

とか話をしてると、横を見覚えのある人が通り過ぎていった。

「あっ...。さきちゃ...っ」

私と同じタイミングか、一瞬遅れてその人影に気づいたともりんは、思わず声を上げていた。

その声に気づいたのか、その女の子、祥子ちゃんは一瞬立ち止まって私たちの方を振り返る。その目は思わず背筋が凍るくらい、冷たく鋭く感じた。

「何かご用でして?」

「あ、あの、えっと...」

ともりんは何かを必死に言おうとしていたけれど、それが言葉になって出てくることはなかった。

「...私はこの後用事がありますので、何もないなら失礼いたしますわ。それでは、ごきげんよう。」

「さきちゃん、待って...!!」

手を伸ばして引き止めようとするともりんを背に、歩いていってしまう祥子ちゃん。どうすればいいか、どう声をかけるべきかわからずにもがいているともりんを見ているのは少し辛かった。

祥子ちゃんがみんなにとってどういう存在なのか、正直私はまだ
わかっていない。CRYCHICを理由を告げずに辞めて、最終的に解散に繋がったこと。ともりんがそれを自分のせいだと思っていること。りっきーが祥子ちゃんに対して劣等感を抱いていたこと。 MyGO!!!!!がMyGO!!!!!になる前の最初のライブ、そよりんが春日影やった後にすんごい怒った、あのライブを見にきていたということ。知っているのはそれくらい。
あ、音楽室でともりんと話してるのも見たっけ。あの時の祥子ちゃん、怖かったな。

そういえば、ともりんはAve Mujicaのこと、知っているのだろうか。
私が送ったグループチャットの既読は3つ付いていた。見ていないのは楽奈ちゃんだろうし、ともりんは見ているはず。となると、祥子ちゃんのバンドだということもちゃんと見たなら気づく…よね?
それもあって、今日思わず呼び止めたんじゃないかな、とは思う。

うーん、でも、ともりんがそのことをどう思っているか、全っ然わっかんないんだよなぁ...。

っていうか、祥子ちゃん羽丘っていうより月ノ森っぽくない?ごきげんようってさっきも言ってたし、お嬢様っぽい感じでオーラも月ノ森!って感じ。でも、ちょっと怖いよね。一緒にバンド組んだら厳しそー。りっきーといい勝負かも...。
でも、そよりんにいつか見せてもらったCRYCHICの動画の時はそんなことなかったような...はっきりとは覚えてないけどさ。

と考えるのはほどほどにして、ともりんに声をかけてみる。

「祥子ちゃん、行っちゃったね。」

「さきちゃん...」

「ねーえ、ともりーん。とーもりーん。」

「なに、あのちゃ...っ!」

いつもの考え込んでるモードだったから、むぎゅう、ってともりんのほっぺを両手でこねてみた。やわらかい。

「ほらーともりん、練習始まっちゃうよ。スタジオ行こ。りっきーに怒られちゃう」

「わかっら、から、やめへ…」

彼女の困ったような表情に軽く笑いながら手を離すと、ともりんが笑っている私の方を少し驚いたようにじっとみていた。

「ああ、ごめんごめん。ともりんのああいう顔あんまりみないから、なんかおかしくてつい。」

「あの、あのちゃん」

「んー?どうしたの?」

「ありがとう」

「え?」

このタイミングで感謝の言葉が返ってくるなんて思ってもいなかったので、ちょっと困惑。でもともりんに「ありがとう」と言ってもらえるなんだかうれしくなる。えへへ、うれしいなー、なんて思ってたら、先にともりんが歩き始めていた。

「あ、ともりんまってまってー!!」

小走りで彼女に追いつこうと歩みを進める。
祥子ちゃんのことは、今度りっきーに聞いてみよう。そよりんには、ちょっと聞きにくいかも…。

「ねえ、ちょっと寄り道して、コンビニ行かない?今季節のスイーツおいしそうなのあるかなぁ」

「時間、大丈夫かな。」

「いつもの通り道にあるコンビニ行くだけだから大丈夫大丈夫!あ、見てこれ、おいしそーじゃない?」

とまあ、ともりんからの感謝の言葉が嬉しくてついコンビニに寄り道したら、思ったよりともりんが買うものを選ぶのに時間がかかってスタジオについたのは集合時間ギリギリだった。
りっきーに「遅いんだけど!」とか言われたけど、コンビニで買ったパンダの形のお菓子をあげたらちょっと機嫌がよくなっていた。









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