内容に合いすぎ奇跡の主題歌3選
私は音楽全く詳しくないですし、普段からそんなに音楽聴くわけでもないんですけど、ドラマや映画の主題歌を聴いて「この主題歌作った人天才」と思うことがあるのでまとめてみました。
①アニメ『推しの子』/YOASOBI「アイドル」
これさっさとやっときますね。
みんな思っとるわ!ってやつですからね。
でもやっぱりすごいのと、『推しの子』の記事でこれも書こうとしたら長くなってこの記事書いてるので書きますね。
YOASOBIの「アイドル」ほんとすごいですよね。
アイドルの輝きと明るさ、その裏にある嫉妬や妬み、そしてファンが想像の中で創り上げていく虚像と固執みたいなもの、あらゆる視点からの「アイドル」が描かれていて見事です。
本当の芸能界、アイドルのことなんてわかりませんけど、きっとこんな感じなんだろうと想像してしまう生々しさ。それが本当かどうかなんてこの際どうでもよくて、芸能界に関係ない人間にとって「生々しい」と思えることがすごいんだと思います。
よくここまでこの物語の世界観に合致する歌を作ったなと感嘆するんですけど、同時に、この歌こそがアニメ『推しの子』の世界観をつくった気もします。
主題歌がバチっとハマるとこんなことになるんですね。
という主題歌の底力を見せてもらった気がします。
時々ドラマとか見てても「この主題歌合わなすぎじゃない?」っていうのありません?
合うとか合わないとか意識にものぼらないやつはいいんですよ。「この主題歌めちゃくちゃ合ってるなー!」とまではいかなくとも、きっと普通には合ってるんだと思います。
問題は、わざわざ違和感を覚えるやつです。
ドラマ見てて、物語のラストで大体主題歌入ってきますけど、合わないやつってそこで完全に意識を戻されるというか、ドラマの世界から意識が離れちゃうんですよね。
逆に「なんだこれ、毎回ラストにめちゃくちゃ曲合ってるな」と思ったのが、数年前に放送していた坂口健太郎主演『イノセンス 冤罪弁護士』の主題歌でKing Gnu「白日」です。
この時、弁護士ものを3つくらい放送していて「被りすぎだろ!」と思いながら見ていたのですが、ほんと、ラスト主題歌が入るタイミングでドラマがぐっと締まるんですよ。事件の全貌がわかって、その事件の被害者とか加害者とか苦しむ人たちの様子にそっと寄り添う感じで歌が入るんですけど、でもずっと静かに悲しい雰囲気が続くわけじゃなくて、気がついたら歌もテンポアップしてドラマの中もその人たちに微かな希望が差しているのによく合ってるんです。
夫はそのドラマ見てなかったんですけど、「主題歌がほんとよく合ってるんだよ!」と、ドラマ見てない人に言ってもなんも伝わらない感想を話して、もちろん「ふ〜ん」という全く興味なさそうな返事をもらったことを覚えてます。
で、そんな言うならKing Gnuの「白日」も3選に入れれば?と思いますよね。確かに曲の雰囲気が超絶ドラマと合っていたんですけど、歌詞と合わせてドラマの世界観をつくったとまでは言えないかなと思ったので3選からは外しましま。(でも、よく合ってた!)
②映画『世界の中心で愛をさけぶ』/平井堅『瞳をとじて』
言わずと知れた2004年の大ヒット映画『世界の中心で愛を叫ぶ』。興行収入85億円、長澤まさみが史上最年少で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を獲得したことでも話題になりました。
原作はまだ話題になる前になんとなく本屋で目に止まり読んでみたものの、私は「ふーん」としか思わなかったので、まさかあそこまでのブームになるなんて全く思いませんでした。(先見の明がなくて悲しい限りです)
この映画って、昔好きだった子を亡くした男が大人になっても彼女を忘れられず、大人になっても引きずりまくってるという話(語弊あります)なんですけど、結局その気持ちどうすんのよ!乗り越えたの?!ってなったところで平井堅が歌ってくれるのです。
はい、ありがとうございます。答え出ました。
昔亡くした好きな人のことをずっと忘れられず、前を向こうとしてもいつまでも彼女が心の中にいる主人公。
でもそれでいいんです。
瞳をとじて彼女を描くこと、記憶の中に元気で美しかった、必死に生きようとした彼女を探すこと。彼女と出会って過ごした時間にはもう戻れないし、彼女に会うことはもう2度とできないけれど、彼女と過ごした時間はずっと残り続けるし、彼女を失った悲しみを乗り越える強さを、誰でもない、彼女がくれたのです。彼女の記憶とともに、これからも彼は生きていくのです。
と、平井堅の主題歌のおかげで思うことができました。
私的に、ラストに流れる平井堅の歌を含めて1つの映画です。この歌がないとこの映画は完成しません。
添え物でもない、なんとなく物語の余韻に浸るだけでもない、小説で言ったら大事なラスト一文を添えてくれているような、そんな主題歌。
ストーリーを汲み取り、寄り添い、なんと答えまで出してくれた見事な主題歌だと思ってます。
Your love forever〜!
③『映画ドラえもん のび太の宝島』/星野源「ドラえもん」
映画第1作から17作品中16作品の主題歌の作詞を担当し、自身も多数主題歌を担当した武田鉄矢黄金期の時代を経て、現在ドラえもんの主題歌はわかりやすいくらい流行っている人がアサインされていることが多いです。
その中で2018年公開『のび太の宝島』の主題歌として発表された星野源。
2016年放送の連続ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の主演と主題歌で一躍時の人となり、それを受けて2017年にドラえもんの主題歌に決まったことが一般人にもよくわかる人選。選ばれるのも納得というか当然な感じです。
ただ私、星野源の顔めちゃくちゃ好きなんですけど、逃げ恥ももちろん好きなんですけど、主題歌の「恋」も好きなんですけど、その歌詞の意味はあんまり正しく理解できてないというか、そこまで響いてなかったんですね。他の曲もしかりで、私の音楽への理解度が低いばかりに星野源の曲をあまりいいと思ってなかったんですよ。
そこできたのが「ドラえもん」です。
この曲すごくないですか?
よくあるのは、ちょっとだけ映画とリンクさせて、でもドラえもんの映画の主題歌と知らなくても全く問題ないって感じの曲だと思うんですよ。
それがこちらはもうタイトルからどストレートの「ドラえもん」。
「少しだけ不思議な普段のお話」からドラえもんファンの心を鷲掴み(藤子・F・不二雄のSFは、「すこし・不思議」の意味)。
のび太、スネ夫、しずかちゃん、ジャイアン、そして出来杉くんまでちゃんと入れ込み、「機械だって涙を流して震えながら勇気を叫ぶだろう」と歌う。
そう言えばドラえもんって機械なんですよね。もちろん「猫型ロボット」ということはわかっているんですけど、「機械」と言われるとはっとしてしまうのは何故でしょうか。機械であるはずのドラえもんが、心を持って、涙を流して、怖さに震えながら勇気を出すーー。いつも見ているはずのストーリーをこうやって言葉にされるとぐっとくるものがあります。
歌にはこれでもかというくらいドラえもんを連想される言葉が溢れます。普通ここまで入れたらくどい感じになっちゃうと思うんですけど、それをやり過ぎ感もなく、軽やかに、明るく(サビは特に冒険が多い映画にぴったり)、ドラえもんについての歌詞が続きます。
きっと誰かがドラえもんを作るだろう思わせるラスト。のび太くんが作るとかドラえもんの世界の誰かが作るとか、そういう話じゃないんですよ。
私たちの誰かが作るんです。
ドラえもんを見て育った、ドラえもんがいたらいいなと思った、誰か。これからアニメか漫画の「ドラえもん」に出会う誰か。
……すいません、泣いていいですか。
星野源、天才。
しかも「どどどどどどどどど ドラえもん」って、別に音があまったから「どどどどどどどどど」って言ってるわけじゃないですよね。のび太がよくドラえもんに助けを求める際に叫ぶ「どどど ドラえもーん!!!」からですよね?
星野源、天才だった。
世間から一周遅れで、いや、50週くらい遅れでようやく、子供向けの「ドラえもん」という歌でようやく、星野源の才能を理解することができました。星野源が目線を下げてくれたおかげで音楽偏差値の低い私にもようやくわかりました。ありがとうございます!!!
というわけで、主題歌が内容に合いすぎ(もはやその作品の一部のよう)な主題歌3選でした!
物語が終わり、最後に流れるのが主題歌ですが、本当に力のある主題歌は、その物語の一部となります。
ここで出してませんがジブリは作品によって全く違うトーンの主題歌が多いので、そのセンスにいつもザワザワします。
合ってるならいいんですけど、主役が主題歌を歌うとか、主役が属するグループが主題歌を務めるとか本来あんまり好きじゃないんで、それ見ると「あ、魂売ってんな」と思ってしまう。いや、合ってるならいいんですよ?←フォロー。
で、うちの夫にこういう話をすると、「俺全く気にならない!合ってるとか合ってないとか特に思ったことない!」とバッサリ言われたので、全く気にならない人も存在しているということもお伝えしておきます。
おしまい。
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