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私を救ってくれたドラマの3大イケメン。

昔は、テレビの中に存在するイケメンについてあまり興味はありませんでした。

学校で沸き起こったKinKi Kidsの剛派VS光一派の争いには入れず、「滝沢くんかっこいい!」という話を聞けば「3組の?」と聞き返していた中学生でした。みんなが「銀狼」や「金田一少年の事件簿」「ぼくらの勇気 未満都市」といったドラマの話をしていても、我が家ではその時間土曜ワイド劇場を見ていたので全く内容が分からず、そんなことよりも次回の土曜日ワイドは列車の時刻表を使ったアリバイトリックとか、密室殺人の密室トリックとかの内容だったらいいな〜と考えていました。
高校や大学に入っても、好きな俳優やミュージシャンはいましたが(加瀬亮や星野源、山崎まさよしがめっちゃ好きでした)、ザ•イケメン!という存在はあまり重要視しておらず、なんなら「イケメン出したらドラマ見るとか思うなよ、こっちは脚本家で見てんだそ!」などと偉そうなこと思いつつ、ドラマを見まくってました。

けれどそんなある日、世界が一変しました。
妊娠し、とんでもないつわりに襲われたのです。

それまで比較的健康的な人間で、休みが月に一度しかなくても(今とは違う仕事をしていました)、毎日終電でも、いっそ倒れて1週間くらい休みたいと思いつつ、それでも風邪一つひかず元気もりもり生きていたので、つわりは晴天の霹靂でした。
自分を「馬鹿やろう!!!」と大声で張り倒したいんですけど、つわりってちょっと身体の弱い人がなるんじゃないの?という盛大な思い違いをしていたので、自分がこんな重いつわりになるなんて思ってもなかったのです。

頭の中で木こりが元気よく斧を振り回しているような頭痛。
ウイルス性胃腸炎のような吐き気が24時間続いてエニタイム嘔吐。
よくわからない腕のしびれ。
立ち上がるのもつらい腰痛。

つわりは安定期で落ち着く、と書いてあったんでそれを励みに生きてたんですけど、安定期をとうに過ぎても変化はなく、私は絶望しました。
普通の体調不良だったら長くても1週間、2週間あれば治りますけど、1ヶ月も2ヶ月も3ヶ月もつわりが続くと心身ともにやられてしまい、もはや元気だった頃の自分を思い出せないくらいでした。
その日1日が過ぎるのをただただ待つような日々の中でそれは起こりました。

上の子をどうにか寝かしつけ、吐き気を堪えつつソファーに横になって録画してあったドラマ「サバイバル•ウェディング」をぼんやりと見ながら、吉沢亮のイケメンっぷりに自分が癒されていることに気づいたのです。
ドラマを見て「吉沢亮かっこいい…」と思う瞬間だけは、気持ち悪いことを一瞬だけ忘れられる貴重な時間でした。

子供が産まれ、昼夜関係なく授乳をし、へとへとになっていた時、私を救ってくれたのは「初めて恋をした日に読む話」の横浜流星です。
今までどこに隠れてたんだ!!!!(←私が知らなかっただけです)と思うイケメンっぷりで、1週間を生き抜くパワーをくれました。ピンク髪の横浜流星がスーパーイケメンで別れがたく、最終回の録画はしばらく消せませんでした。

そして、上の子と下の子の世話に疲れ切っている時に、テレビでそのイケメンっぷりを余す所なく発揮していたのは佐藤健です。
寝かしつけに時間がかかり、下の子の夜泣きもあった際に放送していた「恋はつづくよどこまでも」。そのあまりのイケメンオーラに、私は気がつくとテレビに向かって手を合わせていました(本当です)。

この数年で、私は世に言う「イケメン」というものがどれほど素晴らしい存在なのか、身に沁みて理解しました。結婚して恋愛の現役から引退した今、既婚女性のトキメキはもはや画面の向こうにしかありません。20年前に起きた空前のヨン様ブームでヨン様に心奪われた奥様方の気持ちが今ならわかります。

彼らの微笑み、彼らの言葉、好きな女のために苦悩するその不安気な横顔。
なんという威力。なんという尊さ。なんという癒し。なんという有り難さ!!!

イケメンの方って生まれた時からずっとイケメンなんで、たぶん自分のイケメンさに飽きてちょっとイケメンとは違う方向性のワイルドな感じになってみたいとか、顔じゃなくて演技で評価されたいとか、いわゆるドラマのイケメン役をやるのが嫌になる時って絶対あると思うんですよ。

売れる前は仕方ないにしろ、ある程度有名になって評価されだすと、少女漫画に出てくるようなイケメン役からは距離を置きたくなるのは致し方ないと思います。(私の中で堂本剛や山田孝之、森山未來あたりは自分のイケメンさを完全に不要と考えている方々です)
一般人代表、生まれ変わったら美人になってみたいと常日頃思ってる私のような身からすると、顔で評価されるなんてめちゃくちゃ羨ましいんですけど、やっぱり実力で評価されたいって気持ちになるのもわかります。

でも!でもですよ?
イケメン役はイケメンにしかできないんです。
芸能界には腐るほどイケメンがいるとは思うんですけど、イケメン役をやってもその役を輝かすことのできないできないイケメンもいるんです。イケメン役に命を吹き込み、そのイケメン役を輝かせるには必ず演技力も必要です。イケメンの皆様には自信をもってイケメン役をやっていただきたい。

自分がやりたい作品や、やりたい役を選んでいただいてもちろん構いません。殺人鬼でも、多重人格でも、暗い過去を持った青年でも、どんな役にもチャレンジしてもらっていいです。
でも、時々で構わないのでどうかまた、少女漫画の王子様のようなイケメン役もやっていただきたい!
頭がよくて仕事ができて、どんな美女に迫られても1人の普通の女の子に一途で。主人公の普通の女の子が傷ついてる時は優しく包み込んでくれるような。

乾いた我々の心を癒す、極上の「イケメン」を作り出していただけることを、イケメンの皆様には、引き続き期待しています!

「イケメン出したらドラマ見るとか思うなよ!」とか言ってたくせに何ですが、今はイケメンが出ているドラマとりあえず1話は見るようにしています。

おしまい。

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