見出し画像

Kickstarterでボードゲームの多言語対応はどこまで必要?

先日のテストプレイ会でお会いした方との雑談で、Kickstarterでボードゲームのプロジェクトを立ち上げるにあたり、どこまで多言語化をすべきかという話題になりました。

多くの人が「できるだけ多くの言語に対応して、世界中の人に支援してもらいたい」と考えるかもしれませんが、実際にはそこまで多言語対応は必要ない、というのが私の現時点の意見です。具体的には日英の2言語だけで十分ではないか、と考えています。
この記事では、その理由を説明してみます。

Kickstarterの「コミュニティ」欄から見える真実

Kickstarterの各プロジェクトには「コミュニティ」という欄があり、ここをクリックすると、どの国の人たちがそのプロジェクトを支援しているかが確認できます。これをチェックしてみると、多くの成功しているプロジェクトでも、実際のところほとんどの支援者は英語圏に集中していることが分かります。

膨大なプロジェクトが成功しているので個人の思い込みは要注意

例えば、プロジェクト自体は多言語対応がされているプロジェクトであっても、支援者の8〜9割はアメリカやイギリス、カナダ、オーストラリアといった英語圏の国々が占めていることがほとんどです。

私自身もKickstarterでプロジェクトを立ち上げた際に「やっぱりドイツの人には見てほしいし、フランスとかも大きな市場だよね…」なんて考えて、まさかの5カ国語で挑戦しましたが、そんな必要はほぼなかったのです。
コストもかかりますし、マニュアルのページ数も多くなりますし、ろくなことがないです。

今さらですが、そもそもKickstarterのキャンペーンのページはほぼ英語ですw

日本市場の特殊性

日本市場でKickstarterを活用する場合、もう一つ考慮すべきは、Kickstarterそのものの知名度です。日本ではまだKickstarterの知名度が低く、アカウントを持っていない人も多いです。

私もKickstarterを利用していた時、国内の支援者にKickstarterのアカウントを新しく作ってもらったり、クレジットカードを登録してもらったりと、支援してもらうまでの道のりが非常に長かった経験があります。
ターゲットが日本国内だけで、プロジェクトも日本語のみならば、CAMPFIREなどの国内クラウドファウンディングの方が日本の支援者にとってはずっと親しみやすく、スムーズに進むことが多いでしょう。

メーカー任せと機械翻訳という選択肢

「でも、それでも多言語対応が必要なケースもあるのでは?」と考える方もいるかもしれません。そんな場合、クリエイターがすべての言語対応を背負うのではなく、いくつかの選択肢が検討できます。

まず、ラッキーなことに、もし海外のメーカーがあなたのゲームに興味を持ってくれたら、その会社に翻訳やローカライズを任せることができます。これなら、クリエイターが無理にすべての言語対応を背負う必要がなくなります。
プロジェクトにそういったことを希望している旨を記載することは大事です。言う(書く)だけならタダですし。

AIは多言語化の強い味方でクリエイターの世界をグッと広げてくれます

また、自身でウェブサイト(Googleドライブ内のファイルを公開でも十分)を用意して、「機械翻訳ですが参考にしてください」といったメッセージを添えて多言語版のルールを掲載することもできるでしょう。
率直に言って、実際に読まれる可能性は低いかもしれませんが、支援者に対する配慮が伝わりますし、何より「多言語化しなければいけない」という強迫観念からは解放されるでしょう。

結論:日英対応でスタートして、いいんじゃない?

では、実際にKickstarterでプロジェクトを立ち上げる際、どうすれば良いでしょうか?

まずは、日英対応でプロジェクトをスタートさせるのが現実的です。そして、コミュニティ欄を見ながら、どの国の支援者が増えているかを確認し、必要に応じて追加の言語対応を検討してみてください。あまりにも多くの国からの支援者が見込まれない限り、英語圏を中心にフォーカスした方が、効率よくプロジェクトを進められるはずです。

そして、最終的に多言語対応が必要になった場合でも、メーカーに任せたり、機械翻訳を活用したりすることで、クリエイターとしての負担を軽減する方法を模索していけばよいでしょう。

多言語対応に対する過度なプレッシャーを感じる必要はありません。
プロジェクト自体が魅力的であり、認知度アップのための努力が十分になされることが何より重要だからです。

いいなと思ったら応援しよう!