🌹『毎日に彩りを添えて』🌺 児童心理治療施設 鳥取こども学園希望館 副館長 竹森 香理
昨年8月、希望館事務所は教育棟1階フロアーへ、同時に館長室も教育棟へ移動となりました。医療チームの医師、看護師は医療棟と呼ばれる場所を頂きました。ここは平成4年、希望館がオープンしたときの事務所だった建物で、私はこの年から勤めているので古巣に戻って嬉しい気持ちや、『初心を思いだせ!』と鼓舞されてる気持ちになりました。
玄関を出ると、目の前には、グリーンカーペットを敷き詰めたような色鮮やかな天然芝生が広がっていて、とても心地いいです。これは、令和4年6月、鳥取みどり園の71周年企画“鳥取方式”グラウンド芝生化プロジェクトで、みどり園の園児さんと保護者さん中心に法人職員も加わり、芝をひと株ひと株植えていきました。平日の午前中は主にみどり園の園児さん、乳児部の幼児さんや分校の体育活動、昼休みに遊ぶ生徒さん。放課後や休みの日には園内外の子どもたちもよく遊んでいてとても賑やかです。芝生なので転んでも痛くないようですし、砂ぼこりもあがらないので、擦り傷や目に砂が入るといった小さな怪我トラブルも減りました。朝夕のスプリンクラーでの水やりや自動芝刈り機“はっぱちゃん”のグラウンド整備のおかげもありとても感謝しています。元気に遊ぶ子たちや職員の姿、声を直接感じられることはとても幸せなことだと日々感じています。
それから、子どもたちが生活しているホームからとても近くなったことも恵まれているなと思います。子どもや職員との物理的な距離が近くなりました。 “ドクター”“ナース”と愛称で呼ばれることも多く心理的な距離も近づくことができたかなと感じます。それに、職員駐車場からの通路にも面しているので、法人内のいろんな職員の方に出会うことが増えました。入りやすい(?)ようにと玄関も開放しているので立ち寄ってくれる子どもや職員もあり、日ごろのちょっとしたかかわりが支援の幅を広げ厚み持たせてくれてると実感しています。
ここに移動して1年が経ちました。与えてくださった医療棟(環境)をどう生かすか。まずは自分自身が居心地のいい場所だと感じること、大切にしたい場所と思えることが大事だと思いました。仕事の合間にできるくらいのことで季節を感じられることは何かなと考え、花壇を作って花を育ててみることにしました。通路に沿っての花壇なので花が咲けば足を止めてみてくれる人もいるかもと、忙しく過ぎていく毎日のちょっとした癒しタイムになればとの思いもありました。植物には、人間が生まれながらに持っている自然治癒力に働きかけ、ココロとカラダのバランスを整えてくれる力があると言われています。昨年の秋に子どもと植えたチューリップ、ブルーの花を咲かせるネモフィラ、ピンク色の姫バラ、いい匂いのするスイートピーなど、花がきれいに咲けば切り花として飾ったり、プレゼントしたり。中学生の男の子が突然、「これあげる。去年、採ったやつだけど~。」と朝顔の種をくれたこともありました。「父の日にプレゼントしたい!」と花をもらいにやってくる子もいました。自発的に草取りを手伝ってくれる子や、水やりをしてくれる子もあります。医療棟の花たちに刺激されたと敷地内に花壇が増えたり(笑)、花の株分けをしてもらったこともあります。本当に、花を育てるって良いことづくし。こんな風に繋がりを大切にし、これからも、医療棟の癒しアイテムを増やしつつ、ココロとカラダの健康の話が安心してできる場所にしていきたいですし、いつでも誰でも駆け込める医療棟(チーム)でありたいと思います。
「大人が楽しまんといけんわいや!!」と、会長がよく言ってくださいました。会長の言葉とその笑顔を胸に、子どもたちの毎日の健康を守ることは将来の豊かなココロやしなやかなカラダを育むことに繋がることを忘れることなく、生活を彩りあるものにできればいいなと思っています。どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。
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