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焦らず、急がず、あきらめず

鳥取こども学園の職員より、施設や子どもたちの様子をお届けさせていただきます! 今回は、児童心理治療施設 鳥取こども学園希望館からのご報告です!

執筆:花川治応(法人理事 鳥取こども学園希望館館長)
※本記事は、「鳥取こども学園 学園だより 第48号」より転載しております

出会いと別れ
今年も何人かの子どもたちとスタッフが希望館を旅立ち、何人かの新しい仲間が加わりました。
新しい夢を抱えて勇気をもって旅立った者、本人も仲間も不安を抱えながら次の進路に行かざるを得なかった者。いつも思いは複雑です。それぞれの新しい場所で根を張っていけることを願っています。そして残った者は旅立った者からどんな事でも連絡が来るのを待っています。繋がっていることの安心の証です。

新しい生活と不安
希望館では今年度5つのホームのうち3つのホームでスタッフの変更がありました。
希望館に限らずですが、年度の初めは子どももスタッフも、新しい出会いは不安いっぱいで安心してやり取りができるまでにはお互いに大きな気苦労(ストレス)があります。
何人かは気心の知れたスタッフや仲間が巣立っていった「不安」や「寂しさ」を無意識の「怒り」に変えて、新しいスタッフや自分自身にぶつけてしまいます。
それは生活の何気ない部分にはっきりと表れてきます。今まで整理されていた衣服が無造作に置かれていたり、トイレやお風呂のタオルが何となく汚れていたり、食品や食器が流しに残っていたり・・・。

今こそ生活を整える
希望館では「生活を整える中で回復していく」ことを大切にしています。新しい仲間として馴染むまで粘り強く日々の営みを“一緒に”積み上げていく毎日です。試練の季節です。
自分でも理由の判らない不機嫌に苦しんだり、傷つく言葉や態度を浴びせられたりしながらも中心に生活を整える関係を置くことで少しづつ折り合いをつけていくのです。
 この体験の繰り返しの中で大人も子どもも、出会いと別れの人生の中で生きていく「技」と「力」を蓄えていくのだと信じています。
コロナ対策による「ステイホーム」が突き付けてきたものは、社会的な活動(外への活動)の発展に重きを置いてきた生活ではなく、足元にある自分の部屋や自分のホームといった生活空間や時間の快適を見つめなおす事の大切さであろうと感じます。(内なる活動)

ドラえもん
 テレビドラマでは生活の様々な願いをかなえてくれるスーパー家政婦さんが登場しています。そんな人が傍にいてくれたらどんなに良いでしょう。
いつの間にか世の中の大人さえも生活を整えてくれる「ドラえもん」を求めているようです。でも、希望館では今年も地道に自分たちで自分たちの生活を整えることに取り組んでいきます。

そうはいっても結構しんどいんですよね~。
焦らず、急がず、あきらめず皆でいきましょう。

-お知らせ-

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