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犬養 稲文 〈Inukai Tōmi〉 (旧 石さまざま)
2024年11月17日 10:27
K君とわたしはクラブの活動報告の為にしばし鄙びた都市に下り立ったのだった そのクラブというのはサイエンス同好会のことであって かれこれ同志数名を継ぎ接ぎに成形した 概しての“科学”クラブだった K君とわたしの研究対象はそれこそ 纏まりのあるものではなかったが 今次の活動に際しては 流石にひとりで行くのも心細いと思って あるとき そこに行けば星空も観察できるのだと云ってK君を誘った K君はすぐさま
2024年11月16日 08:05
S:「いち、にぃ、さん、しぃ」M:「よん、さん、にぃ、いち」S:「ごぉ、ろく、しち、はち」M:「いち、さん、よん、にぃ」S:「からかってもムダだよ ボクあ全神経集中してるんダカラネ 数え間違えたら うんぬんかんぬん」M:「それや随分なこったな じゅうろく、にじゅう、じゅうく、さんじゅう」M:「そういや さっき数飛んでたな うん 飛んでた飛んでた」S:「冗談いうナ ボクあずっと真剣に数
2024年11月12日 09:26
星座も描けぬ深更にがっかりしたという人があった 田舎都会うんぬんでもなく また雲が星を蔽してしまったとかそういうのではなく 冥がりがすっかりとという風にして 一箇見えるのもあったが かすかに輝いているだけのことであって しばらくして飛行機が旋ってく界に見比べてみれば 本統にかすかであった 臍のように深くなっていた 飛行機のライトは四つ五つあって 兎に角それでも墜落してしまいそうに たったひとつだ