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掌編小説 ショートショート

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スケッチのような朴訥さとスローモーショニズムによる幻想体験の文学群
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#おとぎ話

START COUNT UP   【掌編小説】

START COUNT UP 【掌編小説】

S:「いち、にぃ、さん、しぃ」
M:「よん、さん、にぃ、いち」
S:「ごぉ、ろく、しち、はち」
M:「いち、さん、よん、にぃ」
S:「からかってもムダだよ ボクあ全神経集中してるんダカラネ 数え間違えたら うんぬんかんぬん」
M:「それや随分なこったな じゅうろく、にじゅう、じゅうく、さんじゅう」
M:「そういや さっき数飛んでたな うん 飛んでた飛んでた」
S:「冗談いうナ ボクあずっと真剣に数

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Midnight Accidentally    【掌編小説】

Midnight Accidentally 【掌編小説】

星座も描けぬ深更にがっかりしたという人があった 
田舎都会うんぬんでもなく また雲が星を蔽してしまったとかそういうのではなく 冥がりがすっかりとという風にして 一箇見えるのもあったが かすかに輝いているだけのことであって しばらくして飛行機が旋ってく界に見比べてみれば 本統にかすかであった 臍のように深くなっていた 飛行機のライトは四つ五つあって 兎に角それでも墜落してしまいそうに たったひとつだ

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