「わかる」と言いたくない
人と話すときに言わないようにしている言葉やあまり使いたくない言葉がいくつかある。
そのひとつが「わかる」だ。
その人の感情や考えはその人だけのもので、そっくりそのまま同じ感情をもっていることは無いはずだ。「人の気持ちなんて分かんなくて当たり前だよ!」的なことを今日見た映画に出てきた人も言ってた。
「わかる」と言ってしまうことは、その人だけのものを、勝手に自分の感情と同じものだと決めつけてしまうようで、なんだか違和感がある。その人の感情や言葉を横取りしているような気持ちにもなる。
だから、簡単にわかると言いたくないし、言われたくない。(自分の言葉が本当に伝わっていると思える人からの「わかる」は全然うれしいけど)
それなのに私は「わかる」と言ってしまうことがわりとある。その度にあっ…と少しだけ後悔する。
なんで言いたくないのに言ってしまうのかというと、「共感している」ということは相手に伝えたいけど、共感を伝える言葉を他に知らないから。
「わかる」を制御できているときは、必死に「わかる…!」という顔をしながら頷くようにしている。(ちゃんと「わかる顔」をできているのかは分からない。)
できることならしっくりくる言葉で共感を伝えられたらいいのにと思う。
もっと、その人の気持ちはその人だけのもの、というのを明らかにした上での共感の言葉はないものか。
今日の「船を編む」を観たばかりだから言葉に敏感になっているのかもしれない。辞書でも読んでみようかな。
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